第28話:ダークフェアリー最後の戦い(1)
「何だ、あのエネルギーは…」
そう告げるフラウサニー。
「リリス…あれって」
『うん、物凄い闇エネルギー…』
そう告げるリリス。
「何をしようとも四人で挑んできて俺に勝てなかった奴が無駄な足掻きだ」
そう言うフラウロゼリア。
「そうだろうな…俺達がディオグ様に何度も新たな力を得てもお前達をそれを上回る成長を見せた…この世界やフラウフェアリーたちを守るという人間の強い思いがフラウソルジャーとしての力を高めているのだろう…今ならそれがよくわかる」
そう告げるガロン。
「って、話長いだろ…ガロン」
そう言うヒヤシ。
「黙ってなさい、ヒヤシ。これが私達の最後の戦い…勝っても負けてもね…」
そう呟くザレア。
「だから俺達もお前達と同じ状態で戦う…これが本当に最後の戦いとなる!」
と、四つの闇のエネルギーはガロン達ダークフェアリーを包み込んでいった。
「ダークフェアリーたちが…」
そして、ダークフェアリーを取り込んだ闇のエネルギーは一つとなりその形を変えていった。
「何が始まるのよ…」
そう告げるフラウディオン。
そして、そのエネルギーは人の形へと変化していった。
「あれって、何…」
驚いているフラウイリス。
そして、人の形にかわったエネルギーは実体となり漆黒基調の服を身に纏った姿を現した。
「お前、ダークフェアリーじゃないのか?」
そう聞いたフラウロゼリア。
「そうだ…もはやダークフェアリーという存在は消えた。今の俺は闇の戦士・ブラッドだ」
そう言い放ったブラッド。
「お前が何だろうと…お前とディオグを倒せば全て終わる。クロッシングクルス!」
十字のエネルギーを放つフラウロゼリア。
「いい攻撃だな…だが、今の俺には意味のない攻撃だ」
そう告げると構えるブラッド。
「クロッシングダーク!」
フラウロゼリアの攻撃と同じ漆黒の十字のエネルギーが、ブラッドから放たれた。
「なっ…」
二人の中央でぶつかりあう攻撃。
「どういうことだ…フラウロゼリアと同じ攻撃…」
そう言うフラウインフィ。
「お前…その技…」
「元の俺…いや、俺達は何度もお前達フラウソルジャーと戦ってきた。その記憶・経験が俺の中にある。そして、ディオグ様から得た最後の力は…お前達の技を闇の力で再現できるようになったのだ」
そう告げるブラッド。
「璃花、やるぞ」
「潤…」
「あいつが闇の戦士なら倒せるとしたら霞の攻撃だ。俺達で霞の攻撃の道を作る」
そう言うフラウサニー。
「俺と恵美もやるぜ」
「はい、私も精一杯頑張ります」
そう言うフラウインフィとフラウヴィオラ。
「よし、行くぜ」
フラウサニーを先頭にフラウディオンたち三人もそれに続いた。
「次はお前達か…」
フラウロゼリアの攻撃をしのいだブラッドは、迫ってくるフラウサニー達の方を向いた。
「サンシャインバースト!」
「ファインサイクロン!」
フラウサニーとフラウディオンの攻撃が同時にブラッドへと放たれた。
「なら…グラビティダーク!」
「あれは、俺の技…」
ブラッドの放った攻撃に驚くフラウインフィ。
そして、ブラッドの放ったグラビティダークはフラウサニー達の攻撃を吸収し消滅させたのだった。
「同じ攻撃なら俺の方が上だ!グラビティハデス!」
渾身の一撃を放つフラウインフィ。
「ダークフラウニング!」
と、今度はフラウヴィオラのダーク化技を放ったブラッド。
四方八方から飛んできた闇色の植物がフラウインフィのグラビティハデスを絡め取っていった。
「嘘だろ…」
「何度攻撃してきても無駄だ・・・お前達の攻撃は全て見てきた。同じ攻撃である以上お前達が勝る事はない…そして…」
腕を前に出して構えるブラッド。
『霞、あれ!』
「みんな、下がって!」
そう叫んだフラウリリーは前へと飛び出した。
「霞っ!?」
「ダークフライヤー!」
フラウリリーの技であるセイントフライヤーのダーク化技を放ったブラッド。
「セイントフライヤー!」
構えでそれに気付いたフラウリリーは、ブラッドが放つのとほぼ同時にセイントフライヤーを放ち相殺させたのだった。