第26話:動き始める者達
霞達が大いに交流を楽しんでいる頃・・・。
闇の異空間内では・・・。
「またしても作戦は失敗に終わったな・・ガロンよ」
そう告げるディオグ。
「申し訳ありません・・あと少しだったのですが・・」
そう言うガロン。
「これ以上奴等に時間を与えるわけには行かない・・七人揃われては面倒だからな」
「はっ・・次こそは必ず・・フラウソルジャーたちを倒し宝石奪って見せます」
そう告げるガロン。
「ダークフェアリーたちよ・・判っているだろうな・・」
ディオグがそう呟くとうつむくヒヤシ達。
「はっ・・次こそは・・」
そう告げるとその場から消えるガロン。
それを追うようにヒヤシ達もこの場を去っていったのだった。
そして、別の闇の異空間内・・・。
「もはや私たちに与えられたチャンスはほんの一度・・良くて二度か」
そう呟くザレア。
「どうするんだ・・あいつらはどんどん仲間が増えてこっちは打つ手がなくなってきてるんだぜ」
そう言うキキ。
「・・命を賭けた戦い・・その覚悟をする必要があるということだ・・」
そう告げるガロン。
「命を賭けるか・・俺ならすぐにでもやれるぜ・・氷の力を使えばな・・」
そう言うヒヤシ。
「あくまで最後の手段ということだ・・初めから死ぬ事を想定していては勝てない・・ここから先四人全ての力を出さなければフラウは倒せない・・」
「わかってるさ、ガロン」
そう言うキキ。
「じゃあ・・さっさと行こうぜ・・あいつらを倒しにな」
そう言うとガロン達は霞達のいる世界へと向かっていくのであった。
決意したダークフェアリー達は、霞達が通っている学校の方へとやってきた。
「って、いないぜ・・」
そう言うヒヤシ。
「だとすると見つけるのは少し厄介ね・・私達はフラウとパートナーになった人間の家をほとんど知らないわよ」
そう言うザレア。
「だが、リリスとコスモのパートナーの家ならわかる・・そこから向かえばいいだろう」
そう言うガロン。
と、ここでヒヤシが
「何か感じないか?リリスたちと同じ・・フラウの力をよ」
突然そう告げたヒヤシ。
「あそこじゃないのか?屋上に・・」
と、キキが屋上に人がいるのを見つけた。
「そうね・・反応が二つ・・まず間違いなくフラウをパートナーに・・」
「二人だと・・じゃああいつ等が六人目と七人目って事かよ」
そう言うヒヤシ。
「ガロン、あいつらを他のフラウたちに会わせるわけにはいかないわよ」
ザレアがそう言うと
「予定外のことだが・・仕方ない・・仲間と接触する前に・・あいつらを・・」
そう決めたガロン達は、学校の屋上へと一気に向かっていくのだった。
ガロンたちが屋上に向かっている頃、その屋上にいる人物達は・・。
「慎二お兄ちゃん・・」
「心配するな澄香・・俺が何とかする」
そう言い澄香の前に立つ慎二。
「アイリ、澄香の側にいてくれ」
慎二がそう言うと
「当たり前だよ。私は澄香のパートナーだから」
そう言うアイリ。
「ローズ!」
「あぁ、悪い力が近づいてきてるな・・俺達と同じフラウフェアリーなのに・・闇に染まった奴ら・・」
「澄香を傷つけさせるわけにはいかない・・あいつら全員俺達で食い止める」
「わかっている、慎二」
と、慎二は手に紫色の宝石をとった。
「ジョイントフェアリー!」
その声と共に光に包まれる慎二とローズ。
「ガロン!奴が変身を・・」
「そのようだな・・」
様子を見ながらそう言うガロン。
「でも、変身したのはあいつ一人だぜ・・俺達四人が一斉にかかれば倒せるさ」
そう考えていたヒヤシ。
そして、光が消えると同時に飛び出した新たなフラウソルジャー。
「来る!」
そう告げるキキ。
そして、そのフラウソルジャーはガロンたちの前で止まり向かい合うのだった。
「お前・・何者だ?」
そう尋ねるガロン。
「フラウロゼリア・・・それ以上の事は教える必要はないだろう?」
「そうだな・・」
ガロンがそう言うと、フラウロゼリアの頭上からヒヤシとキキが冷気と炎で攻撃を仕掛けてきた。
「お兄ちゃん!」
叫ぶ澄香。
「問題ない・・ただの妖精でしかないこいつらならな・・」
と、いつの間にかガロンたちの背後にいたフラウロゼリア。
「この・・・」
風の力を纏いフラウロゼリアに向かうザレア。
「四人でかかってもこの程度か?」
「こいつ・・遊んでやがるのか」
そう言うヒヤシ。
「そうだな・・俺達もこの力にはうんざりしているんだ・・すぐに終わらせようか」
と、身体にエネルギーを漲らせるフラウロゼリア。
「大丈夫だよ澄香・・フラウロゼリアは強いから」
そう言うアイリ。
「消えろ・・シャイニングニードル!」
身体から無数の光の針を放つフラウロゼリア。
「!?」
とっさに岩の防御を展開したガロン。
「ガロン!」
「大丈夫だ・・だが・・広範囲の攻撃か・・」
力をかなり使ったのか、すぐに防御は消えてしまった。
「これ以上戦うのなら・・お前達は再起不能になると思うが・・」
そう告げるフラウロゼリア。
「俺達にはチャンスがないって言うのに・・」
そう言うとヒヤシ達はこの場から去っていったのだった。