第25話:絆を深めるために・・・
何とかこの激しい戦いを耐え抜きディオグを退けることが出来たフラウリリーたち。
この戦いを終えたメンバーは、すぐに自宅に戻りゆっくりと休みを取っていた。
「恵美・・身体にダメージは残ってないか?」
心配するレット。
「うん、でもそう言うのってレットの方が・・」
恵美がそう言うと
「私は恵美を守るための存在・・私が傷つく事は問題ない・・」
そう言うレット。
「・・湊君や霞ちゃん達・・大丈夫かな・・」
ふとそう考える恵美。
「他の皆もフラウフェアリーがついています・・よほどのことがない限りはダメージが残る事はありませんが・・」
そう説明するレット。
「でも、私がみんなの中じゃ一つだけだけど年上だし・・色々サポートしてあげないと・・」
そう言う恵美。
と、なにやら考え始める恵美。
「・・・」
その思考の邪魔にならないよう無言で恵美を見ているレット。
「そうだ・・せっかく知り合えたんだし・・」
と、考え付いたアイデアをレットに伝える恵美。
「・・いつ敵が攻めてくるかわからないから緊張感は持っていた方がいいですが・・恵美がそうしたいなら・・」
「うん・・それじゃお願いね、レット」
恵美がそう言うと外へと飛び出していったレットなのであった。
その頃、霞達はというと璃花の家に三人集まっていた。
休日ということもあり、ゆっくりと時を過ごそう・・と、璃花が霞と潤に声をかけたのであった。
「ずっと戦ってたら私達よりリリスたちが大変だもんね」
そう言う霞。
「本当は湊や恵美先輩も呼びたかったんだけど・・」
璃花がそう言うと表情を変える潤。
「湊は別にいいだろ・・あいつは・・」
「・・ちょっと潤・・」
霞の表情を見ながらそう言う璃花。
「私のことなら気にしないで・・それに湊君だってディオグに利用されていただけなんだし・・」
そう言う霞。
「しかし、ディオグの味方をしていた事実は変わらない・・例え利用されていただけだとしても・・」
そう言うサナー。
「でも、今は私達の仲間ですから・・一緒に頑張っていかないと」
そう言うリオン。
「やっぱり誘えばよかったかな・・でも、私の部屋そんなに広くないし・・・もう少しスペースある部屋ならな〜・・」
そんな事を考えていた璃花。
と、そんな時窓の外に恵美のパートナーフラウフェアリーであるレットが姿を現したのであった。
「あれって・・」
そう呟く霞。
「恵美先輩のパートナーの・・」
そう言いながら窓を開ける璃花。
「あの戦いの影響はなさそうですね・・みなさん」
そう言うレット。
「うん・・リオン達はちょっと疲れちゃったりしてるけどね」
そう答える璃花。
「でも、何でお前だけがここに来たんだ?」
そう尋ねる潤。
「恵美から貴方達にお伝えしたい事があるので・・私がやってきたと言うことです」
そう説明するレット。
「恵美先輩が私たちに?」
「はい・・実は・・」
恵美から伝えるように言われた内容を霞達に話すレット。
「でも、いいんですか?そんなに・・」
そう言う霞。
「恵美が望んでいることですから・・是非お願いいたします・・それでは・・もう一人の方に行きますので」
そう言うとレットは飛び立っていったのだった。
「あと一人って・・あいつの所か?」
そう告げる潤。
「そっか・・湊君も・・ねぇ、璃花ちゃん」
「えぇ、もちろん行かなきゃね・・潤もいいでしょ」
璃花の勢いに負けたからなのか静かに頷いた潤。
「それじゃ準備して出発よ」
そう言い何故か意気込んでいる璃花なのであった。
準備をして璃花の家を出た三人。
「行くのはいいけどさ・・・家の場所知ってるのか?」
そう聞く潤。
「あっ、それならさっきこっそりレットが家までの地図置いていったから」
「えっ、そうだったの・・」
そう言う霞。
「全く・・物静かな奴だからな・・あいつは・・」
そう言うサナー。
「って、ことで着いたわよ」
そう言い指し示す璃花。
「いつの間に・・」
そう呟く潤。
と、玄関の扉が開き中から恵美が出てきたのであった。
「いらっしゃい・・霞さん、潤さん、璃花さん」
「恵美先輩・・そんな『さん』づけじゃなくていいですよ・・呼び捨てでも」
そう言う璃花。
「私も・・あまり霞さんって呼ばれたことないから何か違和感が・・」
そう告げる霞。
「そう言うことなら霞と璃花が呼び合っているように『ちゃん』でいいんじゃない?」
そう言うリリス。
「そうですね・・じゃあそうします」
あっさりと了承する恵美なのであった。
少しばかり四人で話をしていると、玄関のチャイムの音が鳴った。
「最後の一人が来たみたいですね」
そう言うと玄関へ向かっていく恵美。
「最後の一人ってアイツだろ?」
そう呟く潤。
「潤・・確かに湊は敵の味方をしてた事もあったけど・・今は仲間・・私たちと同じ選ばれた仲間なんだから」
そう言う璃花。
と、部屋に戻ってきた恵美の後ろに湊とコスモがいた。
「こんにちは、湊君」
そう告げる霞。
「霞・・お前たちも・・来てたのか」
そう言った湊。
「これが今の私達の仲間・・仲間なら仲良くしていかないといけないから・・交流のためにって・・」
そう言う恵美。
「だからこそ私がみんなにこの事を伝えに回ったというわけだ」
そう告げるレット。
「まぁ、今敵が攻めてきても対処は出来るから問題はないな」
そう言うサナー。
「うん、そうだね」
笑顔でそう言う霞。
「過去の事は過去のことだから・・未来に向かって交流していきましょ!」
元気よくそう言う璃花なのであった。