第21話:接触(5)
「何をするつもりだ?その膜はペンダントが吸収したお前の力を元に作られている・・どんな攻撃でもお前の技なら全て防ぎきれる」
そう言ったフラウインフィ。
「だったら私達の技で壊せば・・・」
そう考えたフラウディオンだったが、
「希望を持ったところ残念だが、膜の外側は強固なバリアーとなっているんだよ・・お前達が力を合わせたって壊せは・・・」
そう言ったフラウインフィ。
だが、フラウリリーは
「大丈夫だよ・・潤君、璃花ちゃん・・・」
と、いきなり変身を解いたフラウリリー。
これにはフラウインフィも驚いていた。
そして、フラウヴィオラも変身を解いた姿を見て驚いた。
(あの子・・前に図書室で見たことある・・・確か一年生・・あんな子が)
そう思ったフラウヴィオラ。
「何を考えている・・・生身の人の力じゃどうやっても脱出は不可能だ。もちろんフラウフェアリーがやっても・・」
フラウインフィがそう言うと
「借りるのはリリスの力じゃないよ」
膜を挟んでしっかりとフラウインフィの目を見ながら言った霞。
リリスはというと霞を信じて様子を見ていた。
と、手を前に出しある物を取り出した。
「青の宝石!?」
霞が掌の上に出したのを見て、飛びだそうとしたヒヤシだがガロンが止めた。
「あの膜がある・・・あれがある限りは手が出せない」
様子を伺いながらそう言ったガロン。
「頑張って霞!」
「うんっ!!」
リリスの声援を受けて、青の宝石に思いを込める霞なのであった。
すると輝きだした青の宝石。
「霞・・どうする気かしら」
そう呟くフラウディオン。
「・・・・・・」
と、霞は青の宝石のエネルギーを何と光の膜に放ったのであった。
「何だと・・」
驚いているフラウインフィ。
しかし、この後更に驚くことが待っていたのだった。
青の宝石の力を受けて光の膜に"ひび"が入り始めたのであった。
「なっ・・」
「リリスが言ってたとおりだね」
そう言う霞。
「どういう事なんだ?」
そう聞いたフラウサニー。
「前にね・・・リリスに聞いたの・・この宝石自体の力の大きさ・・・」
霞がそう言うと
『そうだったな・・宝石の力はフラウソルジャーとなることでその力を潤達に与えるが・・・』
そう言うサナー。
「フラウソルジャーとしと宝石の力を使うよりも・・宝石自体を使う方が力は強い・・・でも、捕られやすくなるから使わないようにって霞には言ったけど」
そう告げたリリス。
そんな話をしているうちに"ひび"は更に広がり、次の瞬間光の膜は崩壊し霞とリリスは脱出に成功したのであった。
「そんな・・」
解放された霞とリリス。
「霞!」
「うん、ジョイントフェアリー!!」
その言葉と共に霞は再びフラウリリーへと変身した。
「やったじゃない、霞」
喜んでいるフラウディオン。
「おい・・これからどうなるんだよ」
そう告げたキキ。
「もう悪いこと止めて大人しくしやがれ!」
フラウインフィにそう言うフラウサニー。
「止めるだと・・出きるはずないだろ・・すでに闇は俺の一部だ」
そう言うフラウインフィ。
「あいつ・・」
と、フラウリリーが
「潤君・・璃花ちゃん・・・フラウインフィの事私に任せてくれないかな」
そう言った。
「任せてって・・霞・・・」
「どうするつもりなんだよ・・そいつ相手に一人って危険だ」
そう言ったフラウディオンやフラウサニー。
「大丈夫だよ。それにフラウインフィを助けてあげられるのは光の力を持ってる私だけだから」
真剣な表情で言うフラウリリー。
「俺を助けるだと・・・そんなこと・・」
「出きるよ・・・絶対にやる」
強い意思を示すフラウリリー。
「面白い・・なら止めてみな・・・俺の中の闇を・・・」
そう言うと移動しようとしたフラウインフィ。
「待ちやがれよ!俺達はどうするんだよ。こいつら三人相手じゃ」
そう言ったヒヤシ。
「心配はいらないさ・・なぁ・・・」
そう告げチラッとフラウヴィオラの姿を見るとこの場から離れていくフラウインフィなのであった。
「それじゃ行ってくるね」
仲間にそう告げたフラウリリー。
「気をつけてね、霞」
「うん♪」
笑顔で返事するとフラウリリーは、フラウインフィを追いかけていった。
「さてと・・・璃花。ダークフェアリーを片付けて霞の所へ急ごうぜ」
「そうね」
フラウサニーとフラウディオンは、ダークフェアリーの方に向きなおした。
「どうする?ガロン」
尋ねるザレア。
「私達にチャンスはほとんど残されていない・・ここでやらなければ・・・」
そう告げたガロン。
「どちらにしてもやるしかないけどな」
そう言うヒヤシ。
そんな中、浮かない表情をしていたフラウヴィオラ。
「じゃ、やってやるぜ!」
攻めに向かうフラウサニー。
身構えるガロン達ダークフェアリー。
だがそんな時、フラウヴィオラが静かに動いていたのだった。
「サイコ・・フラウニング」
顔をうつむかせ、腕の照準はフラウサニーの背中に向けられていた。
そして、フラウヴィオラの放った技はフラウサニーに直撃したのであった。