第21話:接触(2)
複雑な気持ちで授業を受けていく恵美。
そして、作戦決行を待っている湊。
そして、そんなことなど知らず普通に授業を受けている霞達。
そんな頃、異空間では・・。
「ディオグ様・・・今何と・・」
そう告げたヒヤシ。
『お前達の行動によりわずかずつではあったが私のエネルギーが集まりつつあった・・・そして私の復活も近付いている』
そう告げたディオグ。
「では、魂だけの状態から肉体を得られるわけですね」
ガロンがそう言うと
『そうだ・・だが、奴らがいる』
「フラウフェアリー達だな・・・」
そう呟くキキ。
『奴らを排除しなければならない・・だが今ある作戦が動き出している』
「作戦?」
そう告げたザレア。
『そこでお前達は奴らをおびき出してもらう』
「それがディオグ様の命ならば・・・」
そう言うガロン。
『いいな・・必ずこれが最後の戦いになるようにな・・・』
そう言いディオグの魂は奥に消えていった。
「ガロン・・」
「どういう作戦かはわからないがディオグ様からの命・・・必ずやり遂げるぞ」
そう意気込むガロンなのであった。
そして、霞達の世界は夕方を迎えていた。
「今日も無事学校終わったわね」
そう言う璃花。
「あいつ等も無理矢理に攻めてこなくなってきたしな」
そう言う潤。
(それって私達だけじゃなくてフラウインフィのおかげでもあるんだよね・・・)
そう思っていた霞。
「とりあえず帰ろうぜ」
そう告げた潤。
だがそんな潤の目の前にパートナーであるサナーが移動してきた。
「どうした?」
尋ねる潤。
「気配だ・・ダークフェアリーのな」
そう告げたサナー。
「リオン、あいつ等は何処かわかる?」
「えっと・・・」
「リリス!」
「そうね・・ここにいたら他の人達が巻き込まれちゃう・・・」
そんな訳でリリス達が感じているダークフェアリー達の気配を頼りに移動を開始した。
そしてそれを校舎の中から見ていた湊とコスモ。
「動き出したな・・コスモ」
「はい・・・」
と、何処かへ飛んでいったコスモ。
「いよいよだな・・」
そう呟きながら湊も行動を開始するのであった。
「何か来る・・・」
そう呟いたレット。
「何かって・・」
と、恵美・レットの前に姿を見せたコスモ。
「湊からの伝言・・・作戦が開始される」
「わかったわ・・レット!」
「了解した・・・」
いけないことだとはわかっているレットだが、恵美を守るために従うしかなかったのだった。
「とりあえず屋上へ」
「屋上?」
コスモの指示通り屋上に向かった恵美とレット。
「まずは変身だ・・その後湊の所に向かい合流する」
そう告げたコスモ。
「変身って何のこと・・・」
まだそれについてはレットから説明を受けていなかったので何も知らない恵美。
「レット・・」
「・・・緑の宝石を手に・・意識を集中させれば頭の中に言葉が浮かんでくる・・・それが変身のための言葉だ」
そう説明するレット。
「うん・・」
恵美は緑の宝石を握りしめた。
と、宝石が淡く輝き頭の中に言葉が浮かんできていた。
「ジョイントフェアリー・・・!」
そう告げた瞬間緑の光が恵美とレットを包んでいったのだった。
そして、光がおさまるとそこには新たなフラウソルジャーが誕生していた。
「これって・・」
変わった自分の姿に驚いている恵美。
『それが変身後の姿・・・フラウヴィオラだ』
そう説明したレット。
「そう言えばレットは何処?」
先ほど声が聞こえたので辺りを見渡すが、レットの姿は何処にもなかった。
『今私は緑の宝石の力で一つとなっている・・』
「レットと一つに・・・それじゃ貴方も湊君と・・」
フラウヴィオラがコスモにそう言うと
「そう言うことだ・・・では急ぐぞ・・湊が待っている」
そう言うとコスモはすぐに移動を開始した。
「えっ・・・ちょっと」
慌てるフラウヴィオラ。
『問題ない恵美。変身した姿の時は飛べるんだ』
レットに教えられ多少恐怖がありながらも、空中への一歩を踏み出したフラウヴィオラ。
「凄い・・身体が軽くて・・・私じゃないみたい」
『恵美・・』
やはり複雑なレット。
そして、コスモ達は湊のいる場所に向かうのであった。