第2話:花の妖精と花の戦士(2)
学校へ向かう為駆けている霞。
彼方のいる小学校近くを通過し、途中で登校していた潤と璃花を見つけたのだった。
「潤君、璃花ちゃん」
「おはよっ♪霞、何か今日は機嫌がいいみたいね」
「おはよう・・」
【二人ともいつもと変わらないね】
そんな事を思っていた霞。
「ねえねえ、紹介するね。花の妖精のリリスっていうの」
そういい肩の上にいるリリスを見せた。
「ねぇ霞、そのリリスって何処にいるの?」
「えっ・・・だって」
すると潤が
「妖精なんているわけないだろ・・俺詠二と約束あるから先に行くぜ、いいだろ璃花」
そう告げた。
「私はいいけど・・・」
霞の方を見る璃花。
「ゴメンネ引き止めちゃって」
無理して笑っている感じの霞。
そして潤が先に行き、璃花と霞も学校へと向かった。
だが、その間霞の表情は明らかに落ち込んでいたのであった。
〜授業中〜
「・・・・・」
ちゃんと授業は聞いているものの、いつもの霞らしさは無くなっていた。
「霞・・・」
と、机の上に立ったリリス。
「そっか・・見えてないから問題ないんだよね」
そう静かに呟いた。
「ごめんなさい・・・昨日の説明の時に話してれば・・」
自分を責めるリリス。
「リリスは悪くないよ・・・私がちゃんと・・」
俯く霞。
そんな調子で放課後を迎えた。
「璃花、どうしたの?」
そう尋ねたのは璃花の親友・美奈だった。
「うん・・・いつの間にか霞がいなくて・・」
「そういえばいつも一緒だったよね。私と霞ちゃんが友達になれたのも璃花のおかげたし」
そういう美奈。
(やっぱり今朝のことかな・・・)
そんな考えを出していた璃花。
その頃霞は一人・・もとい、リリスと共に夕暮れの道を歩いていた。
「元気出して、霞」
霞を励ますリリス。
「うん・・私がしっかりしないといけないのに迷惑かけてゴメンネ」
謝る霞。
「迷惑だなんて・・・」
だがその時、リリスは何かの気配を感じて空を見上げた。
と、次の瞬間空中から飛んできたエネルギー弾が霞の足元に着弾したのだった。
「きゃっ・・」
いきなりの出来事でよろける霞。
「霞!」
『ようやく見つけた・・・フラウフェアリー・・』
と、上空に姿を現した生き物。
それはまるでゲームに出てくるモンスターのようだった。
「あれって・・・」
「さぁ、フラウフェアリー・・持っている宝石を渡してもらおうか。それが我が主人・ヒヤシ様から受けた命だ」
「ヒヤシ・・・まさか本当にあちら側にも・・残念だけど使い魔の貴方に渡す物はないわ」
強く言い放つリリス。
「宝石って・・・」
霞はポケットの中に手を入れて、青の宝石の存在を確認していた。
「そうか・・すでに宝石は」
と、使い魔の瞳は霞に狙いを定めていたのだった。
「霞、逃げて!」
リリスが叫ぶのと同時に、使い魔は霞にエネルギー弾を放った。
「!?」
完全に戸惑っている霞は身体が硬直し逃げられずにいた。
「ダメッ」
リリスは反射的に霞に飛び付き、その勢いでエネルギー弾から霞を助けたのだった。
「邪魔な妖精だな」
そう告げる使い魔。
「霞、宝石を持って逃げて」
「でも・・リリスは・・・」
「私は・・何とか戦えるから・・・私があの使い魔を止めるから」
だが、その間に使い魔はエネルギー弾をチャージしていた。
「お願い・・私なら大丈夫だから・・・」
そして放たれるエネルギー弾。
「!!」
リリスはフラウフェアリーの力でこれを防御した。
そしてその隙に走りだす霞。
「逃がさな・・」
と、使い魔の前に立ちはだかるリリス。
「ここは通さない」
そして霞はあの宝石を見つけた街外れの林の方へ駆けていたのだった。