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第19話:見つけだされた五人目(2)

授業が行われて静かな廊下を進んでいくコスモ。


「さて・・湊のためにも早く情報を集めないとな・・」


そう呟くコスモ。


そして教室では、授業を受けながらもリリス達の様子を伺っていた湊。


(コスモが情報を収集し終わるまで油断は出来ないな・・・)


そう思っていた湊。


そして、コスモはと言うと手当たり次第に教室に入り図書室で確認したあの女の子を探していた。


「それなりに広いから大変だな・・」


そう呟きながら二年生の最後の教室に入っていったコスモ。


教壇のある位置から生徒達の顔を見渡していった。


「あの・・・窓際の・・間違いないな・・・彼女だ・・」


ようやくターゲットを見つけたコスモ。


とりあえずこの教室で情報を集めるコスモ。


「彼女の名前は【紫音惠美】か・・ここのクラスと彼女の名前がわかれば湊ならやれるだろうからな」


と、コスモは教室を出て再びこの場から消え待機するのであった。


そして放課後。


湊は屋上で下校していく生徒達を見ていた。


「・・湊・・・」


湊の前に姿を見せるコスモ。


「ご苦労だったな、コスモ」


そう言う湊。


そしてコスモは、湊に得た情報を伝えた。


「惠美か・・一つ上の上級生か・・・」


「それでこれからどうするのですか?」


尋ねるコスモ。


「霞達に気付かれる前に今回の目的を完了する必要がある・・行くぞ」


そう告げると湊は屋上をあとにしたのであった。


その頃図書室では、湊が接触しようとしている人物【紫音惠美】が読書をしていた。


(何か・・・落ち着かない・・いつもと同じ読書してるだけなのに)


そんなことを思いながら本を読んでいた惠美。


と、そんな時に図書室に入ってきた湊。


以前ここで見かけた時と同じ席で惠美は読書していたため、すぐに見つけることが出来た湊。


「紫音・・・惠美さんですね」


惠美にそう話しかけた湊。


「えっ・・」


驚きながら振り返った惠美。


「あまり時間をかけたくないので・・・少しつき合ってもらいませんか?」


そう惠美に告げた湊なのであった。


(・・・)


あまり状況を理解していなかった恵美だが、ここは湊の頼みを聞いて湊の後についていった。


そして二人は屋上にやってきた。


恵美には見えていないが、湊の肩の上にはコスモがいた。


「えっと・・貴方は・・・」


尋ねる恵美。


「自己紹介してませんでしたね・・灰垣湊です・・・貴方より一つ下です」


そう告げた湊。


「灰垣君・・それで一体・・・」


「簡単なことですよ、これを持ってほしいんです」


湊はポケットから緑の宝石を取り出した。


「それって・・」


不思議そうに宝石を眺めている恵美。


「大丈夫ですよ・・・害はありませんから」


そう言い恵美に宝石を差し出す湊。


「・・・・」


ゆっくりと手を伸ばし宝石を掴んだ恵美。


その瞬間、緑の宝石は輝きを放ったのだった。


「なっ、何!?」


驚き宝石から手を離そうとするが、まるで吸いついているみたいに恵美の手から離れることはなかった。


「灰垣君・・!」


「やっぱり・・・あの時の反応は間違いじゃありませんでしたね」


そう呟く湊。


「一体これ何なの」


恵美が聞くと


「今の恵美さんなら見えるはずですよ・・この世界の住人じゃない者の姿が」


「えっ・・・」


と、恵美は湊の肩にいるコスモの姿がうっすらと見え始めていたのであった。


「湊君・・それって」


恵美はうっすらと見えるコスモを示して言った。


「コスモが見えたようですね・・・それでは次は契約ですね」


そう告げる湊。


「契約って・・」


「簡単ですよ・・・その緑の宝石を握りしめて強く念じて下さい・・もっとも現状ではそうするしかありませんけどね」


そう恵美に言う湊。


「強く・・・念じる」


恵美は言われた通りにやってみることにした。


目を閉じ意識を集中させる恵美。


実際何を念じればいいかわからなかったが、今はこの状況を乗り切るのが先だった。


と、輝きを放っていた緑の宝石が恵美の手から離れ宙に浮いた。


そして恵美は、宝石から放たれた光に包まれていった。


「今度は何・・」


慌てている恵美。


「心配はいりません・・・契約は終わったようですから・・」


と、次の瞬間恵美の前に新たなフラウフェアリーが出現したのであった。

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