第18話:フラウインフィの行動(2)
「ん?」
そんなリリスの視線に気付いたヒヤシ。
「おい、ガロン・・」
「どうしたヒヤシ」
そう言うガロン。
「あっち、宝石の持ち主がいるぜ」
「!」
ヒヤシ達の会話に驚くリリス。
「動かない方がいいわよ、宝石の持ち主を傷つけられたくなければね」
リリスにそう言ったザレア。
「霞・・・逃げて・・お願い」
そう呟くリリス。
そうとは知らず自宅へ戻っていく霞。
「リリス、少しは元気になったかな。元気になったら明日からまた学校に・・・」
と、ここで歩みを止めた霞。
「あれ?私の部屋の窓の外に何か・・」
よーく見てみた霞。
「あれってリリスと・・・ダークフェアリー!?」
それに気付いた瞬間、霞は走り出していた。
「どうやらこっちに気付いたようだぜ」
そう言うキキ。
「ダメ、霞・・」
だが、次の瞬間状況は一変するのだった。
「グラビティハデス!!」
「なっ!?」
突然の攻撃により撃ち落とされたヒヤシとキキ。
「今のは・・・」
そして姿を見せる一人の人物。
「お前はフラウソルジャーの・・」
「さっさと逃げた方が身のためだぜ」
いきなり現れそう告げたフラウインフィであった。
「貴方・・」
リリスも驚きながら見ていた。
そして、こちらに向かってきていた霞も状況の変化に気付いた。
「あの人って・・前に助けてくれた」
「フラウインフィ・・だったな・・」
「一番冷静そうなお前に言っておくぜ・・・引くなら今だ・・とな」
ガロンにそう告げたフラウインフィ。
「・・・」
無言で考えるガロン。
そして、霞もリリスもじっとこの状況をみているしかなかった。
「お前が真に何を考えているかわからないが・・ここは引いておこう・・・」
そう告げたガロン。
「ガロン・・」
そう呟いたザレアだったが、ガロンの言葉に従うことにした。
「行こう・・・」
そう言ったガロンはザレアと共に、フラウインフィに撃ち落とされたヒヤシ達の所に向かった。
「リリス!大丈夫?」
ガロン達が離れてすぐに自宅の下に来た霞。
「霞っ!」
すぐさま霞の元へ飛ぶリリス。
フラウインフィも霞の近くに降りた。
「あの、また助けてくれて・・」
「あげたペンダントちゃんとつけているみたいだな」
フラウインフィがそう言うと
「はい」
笑顔でそう返事した霞。
「フラウインフィ・・・貴方もフラウソルジャーのはずでしょ・・それなのに貴方の中からフラウフェアリーの声が聞こえないのはなぜ?」
そう尋ねたリリス。
「あまり喋らないからなこいつは・・・」
そう答えると屋根の上に跳び上がったフラウインフィ。
「あまりパートナーと離れるなよ」
そう言うとそのまま去っていったフラウインフィなのであった。
霞・リリスと別れ人気のない場所で変身を解除したフラウインフィ。
「湊・・」
湊の顔を見上げたコスモ。
「家に戻るぞ、コスモ」
湊がそう言うと、コスモはポケットの中に入った。
「あのペンダント・・湊が持ってる黒の宝石の力を少し加えてる・・・」
「あぁ、だが・・まだ時間がかかる。俺は無理矢理奪うのは嫌だからな・・・」
そう言う湊。
「湊がそう決めてるなら・・俺はそれに従うだけ」
そう呟いたコスモ。
「それに・・・もう一つやることもあるしな・・コスモ」
「もう一つの力」
「そっちも見つけないといけないからな・・・明日から動く。コスモもあいつらに見つからない程度に行動を開始してくれ」
「わかった・・」
そして湊は、自宅へと帰っていったのだった。