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第16話:新たな日常生活(2)

いくつかの部活動が終わりをむかえて下校し始めている時間。


サッカー部の今日の活動も終わろうとしていた。


湊の実力を知るための試合は、見事に潤達がゴールを決め湊は部長から招かれる形でサッカー部に入ることになったのだった。


「三人ともすごかったですね」


そう言う美奈。


現在サッカーを見学していた三人は、帰り道にいた。


「よし、明日からは湊も昼食に誘うわよ」


と、何故か一人燃えていた璃花。


そしてグラウンドでは湊も加えて後片付けをやっていた。


「湊、今日はあがってもいいぞ・・明日からは正式な部のメンバーになるから負けないようにな」


そう湊に告げる部長。


「はい、ありがとうございました」


そう言い部長に礼をした湊。


「それじゃまた明日だな」


そう言う詠二。


「明日からいろいろコンビネーション試していこうぜ」


「はい」


そんな訳で湊は下校していった。


その帰る途中。


湊は何かの視線に気付いていた。


だが、いくら辺りを見渡しても人一人見あたらなかった。


「おかしいな・・・」


湊がそう思っていた次の瞬間、湊の前に闇の空間が突如として現れたのだった。


「!?」


驚く湊だったが、逃げる間もなく湊は闇に飲み込まれてしまった。


そして湊の姿は、その場から消えてしまったのであった。


「・・っ・・・」


一瞬何が起こったのか理解できていなかった湊。


「ここは・・」


落ち着いてみて辺りをゆっくりと見渡してみた。


しかし、周りは全て闇に覆われていてここが普通の場所でないことは湊もわかってきていた。


『ようやく見つけた・・・』


「!?」


突然聞こえてきた声に驚く湊。


「誰かいるのか?」


尋ねてみるが返事はなかった。


辺りは闇に覆われて真っ暗なため、動き回るのはかなり危険であった。


『こっちだ・・・』


そんな声が聞こえると、離れた場所に白い光が浮かび上がった。


「あっちに行けって事か・・」


辺りを気にしながらその光に向かって進んでいく湊。


色々疑問に思う事はあった湊だが、今はただその光に向かうしかできなかった。


そしてその光の前で立ち止まった湊。


「・・・」


多少躊躇しながらも、湊はその光の中に入っていったのだった。


眩しかったのは一瞬だけで、すぐに目を開いた。


「これは・・・」


光の先はさっきまでいた所と同じ闇の空間だった。


ただ湊が違うように感じたのは、こちらの方に暖かい何かがあるという感じであった。


『お前を待っていた・・』


近くでそんな声が聞こえたかと思うと、黒い煙の塊のような物体が湊の前に姿を現したのだった。


「何なんだ・・」


唖然として見ていた湊。


『我が名は・・・ディオグ』


そう告げたその物体。


「ディオグ・・・」


『その通りだ・・しかし今のこの姿は・・・仮の姿とでも言っておこうか・・灰垣湊』


そういうディオグ。


「何で俺の名前を・・・」


不思議に思う湊。


『我は全て知っている・・お前が持つ素質も・・・』


そう告げるディオグ。


「俺に素質が・・」


『そうだ・・・この・・黒の宝石を使いこなせる・・・お前ならな・・』


そう湊に言うディオグ。


と、湊の前に黒色の宝石が出現したのだった。


「黒い・・・宝石・・」


呟くように言う湊。


『それを使うかどうかはまかせよう・・・だが我はお前に力を与えよう・・』


すると黒い気体が湊を包み込んでいった。


『力を与えるとはいえ・・・これはきっかけにすぎない・・・この与えた力を上手く使えるかはお前次第だ』


そういうディオグ。


「何か分からないけど・・俺の中に・・・」


何かを感じている湊。


『忘れるところだった・・お前にもう一つ・・・』


「?」


と、湊の前に現れた一人の妖精。


「何なんだ・・」


『そいつはフラウフェアリーの一人・・・名をコスモ』


「コスモ・・」


『宝石のことなどはそいつに聞けばいい・・・』


そういうディオグ。


「とりあえずはわかった・・」


そう答える湊。


『最後に・・・』


ディオグからいくつかの話を聞き、湊の意識は闇の中に消えていったのだった。


そして湊が意識を取り戻すと、そこは自分の家の前だったのであった。


そして・・・。


翌日・・。


朝起きた湊はふと自分の手のひらを見た。


別に突然光り出したり、何かを出現させたりはしない至って普通な自分の手のひらだった。


だが湊は、昨日までとは違う何かを感じていた。


「ディオグ・・きっかけを与えたって言ってたよな・・」


「ディオグ様の力・・この世界を変える事が出来る」


そう告げたのは昨夜から一緒にいるコスモだった。


「昨夜に聞いた話・・本当なんだろうな・・お前みたいなのはのが存在してるんだし」


そう言う湊。


「ディオグ様のため・・残り五つの宝石を集める・・」


「一応ディオグからは自由にやれとは言われてるからな・・あいつの言うルールを守っていればな・・」


と、コスモが


「昨日言っていた学校とやらにいくのか?」


そう尋ねた。


「あぁ、何かあればすぐに知らせる・・宝石を持って強く念じればある程度は伝わるんだろ?」


「そうだ・・それまで俺はここにいる」


そう告げるコスモ。


「じゃあ、行ってくる」


そう告げ湊は朝食と学校の準備を済ませると、学校へ登校していったのであった。


今日は一番早く学校にやってきた湊。


その理由としては、じっくりと観察するためである。


「ディオグが言っていたコスモと同じフラウフェアリーを連れた者・・・」


それからしばらくして、霞達が教室にやってきたのであった。


その瞬間、昨日まで見えなかった霞達と共にいる存在が、今ははっきりと見えていた。


(名前は確か・・・水城霞・・・赤原潤・・・蒼凪璃花・・・この三人が・・・)


「あっ、湊君早いんだね」


そうとは知らず普通に接してきた霞。


「ねぇ、君は呼び捨てで呼ばれても構わない方?」


突然そう尋ねる璃花。


「僕は構いませんよ」


湊がそう答えると、


「それじゃこれから湊って呼ぶわね♪それと今日から友達になりましょ」


ハイペース&ハイテンションな璃花を見て、後方で苦笑いするしかない霞と潤であった。


そんな中、霞達と一緒にいるリリス達を直視しないようにして観察していた湊。


そして、観察されているとは知らないリリス達。


(自由を与えられているからな・・・しばらくは目立つ行動はなくして間接的にあのフラウフェアリー達を調べてみるか・・・)


そう考えていた湊なのであった。

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