第12話:動き出した闇(2)
「あっ!」
「宝石が・・」
風により宙に舞う青と赤の宝石。
「もらったぜ!」
すかさずその宝石をキャッチしたヒヤシ。
「リリス達の宝石が・・・」
「ちょっとかえしなさいよ!」
飛び掛かろうとした璃花。
「返してほしければ捕まえてみな」
と、飛び去っていったヒヤシとザレア。
「霞!」
「うん、宝石取り戻さないと」
さすがに今回は霞も気合が入っていた。
「ザレア・・このままディオグ様に届けた方がいいんじゃないか?」
そういうヒヤシ。
「ガロンの作戦はパートナーにも精神的ダメージを与えるもの・・・ただ奪っただけでは取り戻されれば意味がない」
そう告げるザレア。
「もう、どこ行ったのよ!」
かなりプンスカな璃花。
「手分けして探した方がよかったかな・・」
そう提案する霞。
「そうね・・・」
考える璃花。
「ここからが作戦の本番だぜ」
と、気配を消してヒヤシとザレアは背後から霞達に迫っていったのだった。
その頃、リリス達から逃げていたガロン。
「そろそろ頃合いだな」
そう呟いたガロン。
「それはどういう意味だ?」
と、いつの間にかサナーがガロンの前に回り込んでいた。
そして、後ろからリリスとリオンもやってきた。
「私に構っている場合ではないと思うが・・」
それだけ告げたガロン。
「まさか・・・」
「サナー?」
と、サナーが
「急いで潤達と合流するぞ!」
そう叫んで一人飛んでいった。
「リリスさん・・私たちは・・・」
少々困っているリオン。
「ガロン・・あなた・・・」
「無人島の時は助け合ったがそれは非常事態だったから・・今は敵として全力で勝つ方法を取る」
そう告げたガロン。
「いつの間にか学校から離されてる・・・戻りましょうリオン」
ガロンをそのままに学校の方に飛んでいったリリスとリオン。
「さて・・私はもしもの為の援護に向かうか・・・」
そしてガロンも、学校の方へと向かうのであった。
場面変わってこちらは睨み合っている潤とキキ。
そして、この場に近づいていたサナー。
「あいつはダークフェアリーの・・・それに潤も・・」
潤とキキの姿を見つけ飛ぶスピードを上げたサナー。
「お前潤に何してやがる!」
近づきながら叫ぶサナー。
「ガロン・・・動きを変えたのか・・なら作戦が成功したのか」
「どういうことだ・・・作戦とか」
尋ねる潤。
「知りたいならお前のパートナーが知って・・というより気付いたんじゃないのか?まぁ、俺は退散させてもらうけどな」
そう告げるとキキは飛び去っていった。
「潤!」
「サナー・・・リリスやリオンと一緒じゃないのか?」
潤が尋ねると
「後から来る・・それより霞と璃花は・・・」
「俺達は手分けしてサナー達を探してたんだけど・・」
「ダークフェアリーのやつら・・・最初から・・」
「おい、サナー」
「いくぞ潤!霞達を探すんだ」
そう告げると再び飛ぶサナー。
慌てて追い掛けていく潤。
果たして、霞と璃花は・・・。
「ちょっと・・離れなさいよ!」
背後から迫ったザレアは璃花の背中に張り付いていた。
同様に、霞の背中にはヒヤシが張り付いていた。
「璃花ちゃん・・・これ・・」
どうにもならず困っている霞。
「なら私が霞にくっついてるダークフェアリーを引き離せば・・・」
そう考え行動しようとした璃花。
「勝手に動いたらこいつがどうなるか・・」
「うっ・・・」
これ以上動けなかった璃花。
「ヒヤシ・・そろそろ始めましょう」
そう告げたザレア。
「何するつもりよ」
尋ねる璃花。
「すぐにわかる・・・」
そしてヒヤシとザレアは、霞・璃花から奪った宝石を取り出したのであった。