第12話:動き出した闇(1)
「夏終わったけどまだ暑いよね・・・」
そういう霞。
「そうね・・まだプールとかで泳ぎたいくらい」
そういう璃花。
昼休みにそんな話をしていた霞と璃花。
「でも大変なのはこれからだよ霞」
そう告げるリリス。
「うん・・・ダークフェアリーも力を回復してまた攻めてきますから」
そういうリオン。
と、そこに
「今までやられ続けているあいつらでも・・力を合わせて来られれば厄介だからな」
そういってやってきたサナー。
潤も一緒にいた。
「だったらこっちも三人のチームワークで戦うだけよ!ねっ、霞、潤」
「うん、そうだね」
「あぁ」
そんな三人を見ているフラウフェアリーのリリス達。
「これなら大丈夫みたいね」
ちょっと安心するリリス。
「いつでも三人揃っていられるわけじゃないんだけどな・・・」
そういうサナー。
「でも、みんな気持ちは一つなのですよ」
笑顔でそう告げるリオン。
「そろそろお昼休み終わりね」
チャイムも鳴り、霞達は午後の授業を受けるのであった。
だが、その間にも闇の中ではダークフェアリー達が行動を起こしていたことは知らない霞達なのである。
「ガロン・・」
現実世界のとある場所にて、ガロンに話し掛けるヒヤシ。
「何だ?」
「今回の作戦・・・かなり無理があるんじゃないのか?その影響で宝石が壊れたりしたら・・」
ヒヤシがそういうと
「宝石は簡単には壊れない・・・確かに実験も出来ない以上本番一回で成功させなければいけないというわけだ」
そういうガロン。
「失敗すれば私たちは・・」
ザレアがそういうと
「無駄に力を使い・・・そのままやられるだろうな」
「そう簡単にやられないぜ・・俺達は」
そう意気込んでいるキキ。
「今は時を待つしかない・・・この作戦成功すれば我々の勝利なのだからな」
そういい放ったガロンであった。
そして、ダークフェアリーが裏で動いているなどしらず普通に学校生活を送っていた霞達。
「あと一時間で今日の授業も終わりだな・・」
そう呟く霞。
そして・・・。
「一番精神が疲れている時間・・出るぞ」
そう告げたガロンであった。
「いいか?ザレアとヒヤシは待機していろ・・私とキキでまずフラウフェアリー達をパートナーから引き離す」
「わかったぜ」
「了解よ」
共に了承したヒヤシとザレア。
「ではいくぞ、キキ」
作戦のため行動を開始するガロンとキキ。
そしてそうとはしらず、授業を受けていた霞達。
リリス達はというと、パートナー達の机の上で座っていた。
「・・・」
ちゃんと授業を聞いている霞。
だが、リリス達は近くにダークフェアリーの気配を感じたのだった。
「あれは地のガロンですよ」
そういうリオン。
「一人だけ・・どういうことだ」
不思議に思うサナー。
「でも何か企んでいるのだったら今のうちに止めないと」
リリスの意見で三人は外へと飛び出した。
「リリス達が・・・」
驚きながらも授業中なので何も出来ない霞。
(来ているか・・フラウフェアリー)
リリス達がやってきたのを確認して別の場所へ移動し始めたガロン。
そして、しばらくして授業も終わり放課後となった。
「潤君・・・璃花ちゃん」
すぐさま二人に声をかけた霞。
「サナー達が出ていったきり戻ってこないな・・」
そういう潤。
「探しにいきましょう」
璃花がそういい霞達は戻ってこないリリス達を探すために行動を開始するのであった。
そして、霞達から引き離すように移動しているガロン。
「リリス、リオン・・一気に挟んで捕まえた方が早くないか?」
そういうサナー。
「そうね・・・霞達ももう授業終わっているはずだし・・」
そう決めたリリス。
(そろそろヒヤシ達も動いているだろうな・・・私も捕まらないようにしないとな)
そう思いながら移動スピードを少し上げるガロンだった。
「でも璃花ちゃん・・リリス達飛んでるし私たち見つけても追いつけないんじゃ・・・」
そういう霞。
「でも探さないといけないし見つけたら私が叫んで伝えるわよ」
笑顔でいう璃花。
しかし、しばらく探しても見つけられず三人は探す範囲を広げるために分かれて探すことにした。
「リリス・・」
心配しながら探す霞。
「やっとかよ・・・」
「!?」
突然声が聞こえてきて振り向いた潤。
「よぅ・・無人島いらいだよな・・・」
そう告げるダークフェアリー・キキ。
「俺とやるのか?」
潤がそういうと
「フラウの力を使えない人間なんて俺の敵じゃねぇよ」
そして、睨み合う潤とキキ。
潤がキキと接触していた頃。
霞と璃花は分かれて程なくして合流していた。
「霞には誰かついていないといけないしね」
そういう璃花。
「ありがとう璃花ちゃん」
微笑む霞。
だが、そんな二人の前に残り二人のダークフェアリー・ヒヤシとザレアが姿を現したのだった。
「!?」
とっさに腕で霞を守った璃花。
「ここまで長い道のりだったぜ・・・フラウソルジャー・・」
そういうヒヤシ。
「確かに長かったけど・・・悪は正義に勝てないのよ!」
ヒヤシ達に言い放つ璃花。
「相変わらずそちらの女の子は威勢がいいようですね・・ですが・・・」
目付きが変わるザレア。
「霞・・私から離れないで」
「うん・・・」
緊張の時間が流れていった。
「だが、決着はついてるぜ」
突然そう告げたヒヤシ。
「どういうことよ!リオン達がいないから?それならすぐ来てくれるわよ!」
そう叫ぶ璃花。
「すぐにわかるぜ・・何故なら・・・お前達の宝石はすでに奪ったんだからな」
そんな事を告げたヒヤシに驚きを隠せない霞と璃花。
「そんなはずは・・」
璃花は急いで宝石があるか確認した。
「何よあるじゃない」
取り出して確認していた璃花。
霞もポケットから取り出してちゃんとある事を確認した。
「ザレア!」
だが次の瞬間巻き起こった風が二人の宝石を吹き飛ばしたのだった。