第10話:真夏のイベント2・夏祭り(3)
「えっと・・とりあえず・・・」
そのまま霞との合流に向かうリリス。
「霞・・」
霞の方の上に着地して声をかけたリリス。
「あっ、リリス」
小声で話す霞。
それから霞はリリスから、サナーとリオンの動きも聞いたのだった。
「そうなんだ・・・でもごめんね、迷惑かけてる感じが・・」
霞がそういうと
「問題ないよ。私たちだってお祭りにいけて嬉しいから」
そういうリリス。
お祭り前日に霞からお祭りがどういうものか聞いていたリリス。
「初めてだもんね・・・お祭り」
リリスに向かって微笑む霞。
「霞ちゃん、早く行かないと璃花ちゃんに置いていかれちゃう」
美奈に言われて慌てて歩くスピードを早める霞であった。
そして、こちらは潤達。
「ん?」
と、上空から降りてきたサナーに気付いた潤。
「全く探したぜ・・」
「サナー・・・元気になったみたいだな・・」
そういう潤。
「とりあえず合流だ、俺が上空から誘導するからついてこい」
「サンキュー、サナー」
「あれ?潤さん」
いきなり進む方向を変えた潤に驚く彼方。
「じゃ、合流するためにいくぜ」
彼方と詠二にそう告げ歩き出す潤なのであった。
「こっちですよ〜」
上空よりサナーに合図を出すリオン。
「おぅ」
リオンを目印に順を誘導させていくサナー。
しかし、その間にもハイテンション璃花は色々と移動していた。
「霞も大変ね・・・」
そう呟くリリス。
「璃花ちゃんはいつも元気なんだけど・・行事のときとかもっと元気になるみたいなんだよね・・・」
そう思う霞。
「どんどんいくよ♪」
まだまだこの元気なのが衰える気配はないようである。
「上に見えるのはリオンか・・じゃあ近いのか?」
そう呟く潤。
「詠二さん・・・お姉ちゃん達どこにいるんでしょうね」
潤の後ろをついていっている彼方と詠二。
「今は潤を信じて進むしかないんだけどね」
そう告げる詠二だった。
と、ここでリリス達三人が上空で合流した。
「霞がうまく璃花さんを止めてるから」
そう告げるリリス。
そしてすぐさま、サナーが潤に合図をだしその場に誘導した。
「やっと見つけたぜ」
ベンチで休憩していた霞達と、ようやく合流することができた潤達であった。
「潤君、彼方・・・詠二君」
「璃花・・合流の事すっかり忘れて祭を楽しんでただろ」
そう告げる潤。
「あはは・・・」
とりあえず苦笑いな璃花。
「でもこれで揃ったわね」
そういう美奈。
「お姉ちゃん」
「うん♪」
笑顔の霞。
「とはいえ・・お祭りも終わりに近づいているわけだし」
「えっ、そうなの?」
詠二の言葉に驚く霞。
「だったら最後は全員で見ないとね」
「何があるの?璃花ちゃん」
「お祭りの最後は花火よ♪」
そう答える璃花であった。
そして、花火を見るために移動する霞達。
璃花の計らいで霞は潤と一緒に歩いていた。
「悪かったな・・・霞」
「えっ・・」
いきなり謝られて驚く霞。
「璃花が暴走してただろ・・・こんな事なら最初から一緒に行けばよかったよな」
そういう潤。
「潤・・暗い話ばっかりしないでちゃんと霞を見てあげなさいよ」
「ん?」
「////」
何故か顔が赤くなる霞。
「あぁ、浴衣・・・似合ってるよ霞にぴったりだ」
「/////」
「お姉ちゃんが・・」
「潤も純粋なのか言うときはいうからね」
そう呟いた詠二であった。
そんなこんなで花火を見る場所を確保した霞達。
そしてその直後、花火打ち上げが始まったのだった。
「綺麗だね〜」
そういう霞。
「夏の終わりはやっぱりこれよね」
そう告げる璃花。
「もう終わりなんだな」
そう呟いた潤。
「私はもう夏休みの宿題も終わったからあとは・・・」
美奈がそういうと、三人ほど固まっていた。
「お姉ちゃん?」
顔を見上げる彼方。
「もしかして霞ちゃん達・・」
そう呟く美奈。
「潤や璃花ちゃんはともかくとして・・・霞ちゃんまでやってないなんて・・」
驚いている詠二。
「お姉ちゃんはちょくちょくやってたみたいだったけど・・・」
思い出しながら言う彼方。
(色々やってたからとか言えないよね)
そう思う霞だった。
そんな感じで花火も終わり、お祭り全体も終わりをむかえた。
そして帰り道。
行きとは違ってテンションが下がっていた璃花。
「璃花・・あれだけ色々楽しんでたのにやってなかったのか?」
潤がそういうと
「潤だってあの時固まってたじゃん」
そう告げる璃花。
「俺はあと一割ぐらいだし・・・残り」
そして霞・潤・璃花の三人は、この後宿題の嵐に襲われるのであった。