第10話:真夏のイベント2・夏祭り(1)
海を楽しむはずが、無人島に飛ばされた霞達。
色々ありながらも、何とか帰宅できたのだった。
そして、夏休み真っ只中。
無人島から帰宅した翌日の朝。
水城家では・・。
彼方は自室で読書をしていた。
どうやら宿題に読書感想文があるからという事だった。
そして霞はというと、まだすやすやと眠っていた。
そして、リリスもまた久しぶりにゆっくり休んでいた。
しかし、これにはちゃんと理由があった。
〜昨日・船内にて〜
「えっ、数日?」
驚く霞。
現在フラウチームは彼方達のいる所とは別の場所で話していた。
「あぁ、俺やリオン・・・それとダークフェアリーの三人もフルにエネルギーを使ったからな・・数日休まないと戦えない・・・お互いにな」
そう説明するサナー。
「じゃあ・・数日の間は安全なの?」
尋ねる璃花。
「絶対じゃないわ・・・向こうにはまだ動けるキキがいるから・・」
そういうリリス。
「でもこっちにもリリスさんがいますから」
そういうリオン。
「とりあえず油断だけはするなよ。宝石を奪われたら終わりだからな」
最後にそう告げたサナーであった。
そういうわけで、力を使い果たしているサナーやリオンはもとより、リリスも休んでいるという訳なのである。
「zzzzzz・・・」
そして霞もまた疲れからかぐっすり眠っているのである。
と、その時霞の携帯電話が鳴りだしたのだった。
しかし、目覚めない霞。
「お姉ちゃん?」
部屋の外から声をかけてみる彼方。
よっぽど疲れていたのか、元からなのか起きない霞。
と、携帯から流れていたメロディが止まった。
すると
「おーい!霞ぃ〜!!」
今度は外から大きな声が聞こえてきた。
「今の声って・・璃花さん・・・」
驚いている彼方。
「今の・・・」
と、目を覚ましたリリス。
「まだ寝てる〜!」
とりあえずこのまま様子を見ていても仕方ないので、玄関から外に出た彼方。
「あっ、彼方君おはよう」
「おはようございます璃花さん」
共に挨拶する彼方と璃花。
「おじゃましていいかな」
「いいですけどお姉ちゃんまだ寝てますよ」
「大丈夫!それじゃおじゃまします♪」
そういうと颯爽と霞の部屋へ向かうのであった。
「おはよぅ〜♪霞ぃ」
勢いよく霞の部屋に入ってきた璃花。
「今日も元気ね」
そう言うリリス。
「・・・んっ・・」
ふと目を覚ました霞。
「おはよっ♪」
「あれ・・・何で璃花ちゃんが・・いるの?」
まだ眠そうな表情の霞が尋ねた。
「お話ついでに遊びにきたの」
「お話?」
「楽しい行事があるからね」
ずっと笑顔な璃花。
「また何処か行くの?」
尋ねるリリス。
「今回は町内よ。まぁ、何処でもやってると思うけど」
そう言う璃花。
「ん〜・・・」
起き上がって大きく伸びをする霞。
「疲れは取れた?霞」
「まだもう少しかな・・・リオンはどうなの?」
逆に聞いてみる霞。
「まだ寝てる。明日にはフル活動できるでしょ♪戦うわけじゃないし」
そう言う璃花。
「そういえば何か行事あったっけ」
考えてみる霞。
「とんだハプニングがあったけど海も終わったから・・次はこれよ」
と、チラシを見せ付けた璃花。
「町内の夏祭り?」
同時にそう告げた霞とリリスであった。
「そっ♪」
そう告げる璃花。
「お祭りか・・」
「霞はこっちに引っ越して初めての夏でしょ」
「うん、こっちにきたの春だしね」
そういう霞。
「だから私が誘いにきたの」
「でもお祭り明日だよね・・・」
チラシを見て言う霞。
「お祭りの前にね・・」
「??」
首を傾げる霞とリリス。
「浴衣よ浴衣!」
「浴衣?」
「霞持ってないと思ったから・・・」
と、ここで話を理解する霞。
「えっ、私が浴衣着るの?」
驚いている霞。
「もちろん♪美奈は持ってるって言ってたから」
「でも・・私に浴衣似合うか・・・」
と、璃花が
「霞も女の子なんだし絶対似合うって」
そう言い切った璃花。
「・・うん・・・」
ちょっと恥ずかしそうな霞。
「じゃ、明日お祭りの時間より早い時間に私の家に来て」
「うんわかった」
「じゃ、私帰るね。明日の準備もあるし潤や詠二にも伝えないといけないから」
「潤君も来るんだ・・」
「大丈夫♪私がびっしり決めてあげるわよ。潤がみとれるぐらいにね」
璃花がそういうと赤くなる霞なのであった。