第6話:恋心と愛情慈愛の戦士(5)
「リオン・・人を好きになることだけが愛情じゃないってどういうこと?」
疑問に思いリオンに聞く璃花。
「人に愛を与える璃花さんにはその心があるです」
そう答えるリオン。
「人に与える愛・・・」
「それはですね、慈愛っていうですよ」
「慈愛・・の心・・・」
「璃花さんは・・霞さん達の事嫌いですか?」
「嫌いな訳ないでしょ・・・霞も・・潤だって」
そう告げる璃花。
「霞さんの心を知って・・・どう思ったですか?」
「別に私は・・潤が霞の事好きなのは最初から気付いてたし・・・だから私の気持ちは・・知られたくなかった・・・」
「・・・・・」
ちゃんとしっかり璃花の話を聞くリオン。
「でも、私は霞の応援したい・・あの子それなりに天然系だし・・・自分の気持ちも伝えらなかっただろうし・・だから私が・・・」
と、その時璃花が持っていた赤の宝石が輝きだしたのだった。
「リオン・・これって」
「璃花さんの愛情の心が覚醒したです」
「私の力・・・」
「あとは決断だけですよ。今、二つの力が弱まってるですから」
「それって、何で早く言わないのよ」
「璃花さん!」
「行くわよリオン、その場所まで案内して」
「はいです」
そして、璃花とリオンは仲間を助けるため川原を飛び出していったのだった。
「霞は・・私が守る」
ガロンの攻撃から霞を守っているリリス。
「すでに変身が解けている・・・これ以上の抵抗は傷を負うだけだ」
そう告げるガロン。
「リ・・リス」
変身も解け、戦う意思が完全になくなっている霞。
「しっかりしろ!霞」
ザレア・キキと戦いながら、霞に声をかけるフラウサニー。
「余裕出しているとお前もあいつみたいになるぜ」
そう告げるキキ。
(このままじゃ霞が・・・それに・・俺の力も)
『消耗させられたか・・・こっちの変身解除も時間の問題か』
そう告げるサナー。
(どうして・・こんなことになったんだろう・・・)
そんな事を考え始めていた霞。
『霞っ!』
(!?)
何処からか霞の心に響いた声。
「今のって・・」
そして、戦いが起こっている真下にやってきていた璃花とリオン。
「璃花・・・ちゃん・・私・・・」
「璃花・・」
『遅すぎだ・・・リオン』
「ごめんです」
笑顔で謝るリオン。
「こら潤!ちゃんと霞を守らないといけないでしょ!」
プンスカな璃花。
「何なんだ、あの女・・いきなり現れて・・・」
そう告げるキキ。
「まさか・・だとすれば!」
と、璃花に向かっていったザレア。
「!?」
「璃花さん、いいですか?」
「行くわよリオン、ジョイントフェアリー!!」
掛け声と共に、璃花とリオンは輝く赤い光に包まれていくのであった。
「この輝きは・・」
「変身などさせるか」
璃花達に風を放つザレア。
「璃花!」
ザレアが放った風の刃が命中しようとした時、輝きの中心から風が吹き荒れザレアの攻撃を弾いたのだった。
「ザレアの攻撃が弾かれた!?」
驚くキキ。
「愛情の戦士、フラウディオン参上!!」
恰好よく登場したフラウディオン。
「璃花・・・お前な」
呆れているフラウサニー。
「璃花ちゃん・・どうして・・・」
静かに尋ねる霞。
「仲間・・だからでしょ!」
笑顔で答えるフラウディオン。
「ガロン!」
「新たな覚醒・・・ヤツの力は・・」
「リオン・・・力・・使っていいんだよね」
一応尋ねるフラウディオン。
『うん。頭の中で思い描いて・・・そうすれば』
「わかった」
と、構えるフラウディオン。
「キキ!コンビ攻撃やるよ」
「あぁ!!」
キキとザレアによる、燃え盛る炎がフラウディオンに放たれた。
『集中させれば璃花さんの放つ風は何者にも邪魔されません』
「邪魔するもの全て吹き飛ばせ!ファインサイクロン!!」
フラウディオンから放たれた強烈な風のエネルギー。
「まずい!引け、ザレア、キキ」
そう叫ぶガロン。
「またしても・・」
そして、姿を消すキキ達。
と、ファインサイクロンはザレア、キキの攻撃を飲み込み粉砕したのだった。
「どんなもんよ」
意気揚々とそう告げたフラウディオンであった。
「まっ、というわけで・・」
「ちょっと待て、璃花」
何か言おうとした璃花を止めた潤。
「何よ・・・」
現在霞達三人と妖精達は、璃花の家に集まっていた。
「あの戦いのあといきなり集合させて・・・霞は・・」
潤がそういうと
「大丈夫ですよ。私とリリスさんとである程度は回復しましたから」
そういうリオン。
そしてその本人霞は、この様子を見ながら受け取ったジュースを飲んでいた。
「リオンが回復できるっていうから集めたんだし、それにせっかくのカップル誕生のお祝いしようと思ったのに」
「なっ」
「!?」
思わずジュースを吹き出しそうになった霞。
「何を勝手な・・・」
「最初に告白したのは誰だったかしら〜」
ニヤニヤな表情で見ている璃花。
二人とも顔が赤くなっていた。
霞に至っては俯いていた。
「ねぇ。恋人同士なんだしキスとかした?」
璃花の言葉に霞と潤は完全に思考能力がフリーズしたのだった。
「二人の恋は私がちゃんと見守るからね」
自信持って告げる璃花。
「璃花さん楽しそうです」
「戦いはこれからが本番なんだが・・」
「でも今ぐらいは・・・」
そう思っているリリス達。
新たな仲間を得て、霞達は次の戦いへと向かっていくことになるのであった。