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第6話:恋心と愛情慈愛の戦士(2)

「何だと・・」


『霞はあの時、逃げられないとわかって後ろに下がったのよ』


「うん・・・後ろにある氷の粒を受ける覚悟でね」

そういうフラウリリー。


「それでね、あの氷の粒には力がより込められているから多少の誘導はできるだろうって、リリスが」


「ぐっ・・」


「よく観察しているな」


敵なのに褒めているガロン。


『その誘導効果で霞が元いた場所の上と下にあった氷の粒も霞の前方へ移動していくの・・・』


「後はね・・【セイントフライヤー】の攻撃範囲を広くして放てば・・拡散だっけ?それで三分の二は撃ち消せたし」


「子どものくせに」


かなり感情的になっていくヒヤシ。


「まずいな・・・」


「逃げるのか?」


フラウサニーがそう聞くと


「お前達にとってもちょうどいいはずだ・・彼女の手当が必要なはすだ」


「そうだな・・・行けよ」


『仕方のないやつだな・・』


そう呟くサナー。


それから、ガロンはダメージを負ったヒヤシを連れ退散していったのだった。


「傷はないみたいよ」


変身を解いた後、少々背中が痛いらしい霞。


「精神的なものかもしれないけど」


そう考えるリリス。


「俺が送ってやるから今日は安静にしとけよ」


潤に言われ


「うん、そうする」


素直に了承する霞なのであった。


そんな頃、一人フラフラと歩いていた璃花。


「何だか最近・・・」


と、璃花はいつのまにか霞の登下校コースを歩いていることに気付いた。


「・・霞の事意識しすぎてるのかな・・・」


「あれ?璃花さん」


声をかけてきたのは、霞の弟・彼方だった。


「今日は遅い帰りなんだね」


「友達と遊んでたら遅くなっちゃった・・・そうだせっかくだし家に来てよ。お姉ちゃんも帰ってきてると思うし」


「えっ、でも・・・」


やはり意識しているのか、戸惑う璃花。


「ほら、璃花さん」


半ば彼方に無理矢理な形で水城家の近くまで来た璃花。


「あれ?」


と、何かに気付いた彼方。


「どうしたの?」


璃花は尋ねた後、彼方が指差した方を見て驚いていた。


「お姉ちゃんと潤さんだね」


「何で・・・霞と一緒に・・私とわかれてから霞と会って」


璃花は今までにない思いに包まれていた。


「ごめん彼方君・・・私用事思い出したから帰るね」


「えっ、璃花さん」


彼方が振り返ったときには、璃花は駆け出していた。


(今の私の顔・・誰にも見られたくないよ・・・)


そして璃花は、自宅に戻るとすぐに自室に入りベッドの上に伏せたのだった。


「あれ・・」


ふと起き上がった璃花。


周りが真っ暗だったので、時計を見て時間を確認した。


「・・・もう11時・・そっか・・・あのまま寝ちゃったんだ」


と、ベッドに座る璃花。


「明日からどうしよう・・普通にしてればいいんだけど・・・霞はいいとして潤は鋭いからな」


そんな時璃花は部屋の窓が少し開いているのに気付いた。


「あれ?私窓開けたっけ?」


そう思いながら立ち上がった璃花。


と、床の上に何か落ちているものを見つけた璃花。


「赤色の・・宝石?何でこんなのが」


そして、その宝石を掴んだ瞬間光を放ち始めた。


「!?」


いきなりの事で驚いた璃花は宝石を投げてしまった。


『きゃ・・・!』


璃花の耳に微かに聞こえた、女の子の声。


だが宝石は、開いていた窓から外に飛んでいったのであった。


「何なのよ・・もう・・・」


色々あって疲れていた璃花は、すぐにベッドに横になり眠りにつくのであった。


翌朝・・。


「朝かぁ〜」


少しまだ眠そうな表情の璃花。


と、璃花はふと机の上を見て驚いた。


「嘘・・・あれって昨日・・」


机の上にあったのは、璃花が昨日窓から外に飛ばした赤色の宝石であった。


「・・・・・」


どうしようか考えている璃花。


「もう、ひどいですよ・・・」


そんな璃花の前に現れた妖精。


「!?」


「せっかくパートナーを見つけたのに」


「あ・・・」


「?」


首を傾げる妖精。


「あんた何よ!」


いきなりそう告げた璃花。


「私は花の妖精、フラウフェアリーです。ちなみに名前はリオンですよ♪」


笑顔であっさりと答えるリオン。


「フラウフェアリーって・・ありえないわよ」


「そんな事言われてもリオンはここに存在していますから」


「む・・・」


リオンのペースに負けている璃花。


「とりあえずよろしくです」


「何なのよ・・この非常識な事態は・・・」


と、ここで時計を見た璃花。


「げっ!朝ご飯食べて学校行かないと」


「どこ行くですか?」


と、璃花は


「ついてこないでよね・・ついてきたら・・・」


かなりのプンスカモードに入っている璃花。


「わかりましたです・・・」


素直に了承するリオン。


そして璃花は、急いで朝食を済ませると学校へと駆け出していくのであった。


「何で昨日からこんなに疲れるのよ」


そして、下駄箱でまた霞と潤の靴があるのをしった璃花。


「これ以上避けてても心配かけちゃうし・・・よし!いつもの私で元気よく行こう」


そういいながらも教室の前にいくと緊張していた璃花。


(負けるな、私)


そう自分に言い聞かせて、教室の扉を開いた。


「ん?」


「あっ、璃花ちゃん。おはよう」


「うん、霞も潤もおは・・」


挨拶の途中で言葉が止まった璃花。


「??」


そんな璃花を不思議そうな表情で見ている霞と準。


「何でリオンと同じのがいるのよ!!」


璃花の発言に驚く二人。


だがそれ以上に、リリスとサナーが驚いていた。


「貴方・・・私達が見えるの?」


「リオンか・・アイツも無事にこれたのか・・・」


そういうサナー。


「ところで霞・・潤・・・」


二人の背後に回る璃花。


「当然説明してくれるわよね〜」


「お、おぅ」


静かに返事する潤。


霞も、今までにない璃花の気迫に押されてただ頷くだけなのであった。

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