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第48話:潜入開始

何事も起こらず、ただ平和に数日が過ぎていった。


偵察を行っている直樹の方も危険なことは無く正行がグループの建物に出入りしているのを確認することに成功していた。


そして、とある日の夜。


冷子の部屋に呼ばれた直樹と聖羅。


冷子「…すまなかったな。一人にこんな役割を」


直樹に向かってそう告げる冷子。


直樹「苦ではなかった。お爺様を救い出すためだからな」


聖羅「それでこれからどうするのですか?」


冷子「向こうの戦力がわからない事と無明ゲンドウの居場所…不安な要素はいくつかあるわけだが…これ以上時間を与えてはこちらが後手になる」


直樹「冷子、俺に一つ作戦がある。お爺様の居場所ならイリヤがいてくれれば何とかなるかもしれない」


冷子「正行の相手か?」


直樹「あぁ、そうだ」


聖羅「でも今の正行さんは…」


冷子「…バージョン2か…そこだけでも大きなハンデだな」


直樹「それについても俺たち二人なら何とかなる」


真剣なまなざしを見せ、そう告げる直樹。


冷子「わかった…先行部隊は私と直樹で行こう…」


イリヤ「二人が正行・ライズと接触したら私の能力で建物内に他のメンバーをワープさせる。しかしながら恐らくそれが私の限界だろう。それ以降はゲンドウと合流するまで支援は出来ないと思っていたほうがいい」


冷子「わかった。イリヤはゲンドウの探索に力を入れてくれ…美鈴達には私から伝えておこう…作戦決行は…明日、日曜の早朝だ」


聖羅「美鈴さん達…いきなりそんな作戦を伝えられて大丈夫でしょうか」


心配そうに冷子の顔を見つめる聖羅。


イリヤ「ワープするまではゆっくり出来る。それまで気持ちを落ち着かせてくれればいい」


そう告げるイリヤ。


直樹「なら、明日に備え早めに就寝させてもらう」


そういうと冷子の部屋を出て行った直樹。


聖羅「お兄様…」


冷子に一礼をして、退室していた聖羅。


冷子「バージョン2か…あれこれと鍛錬しても未だ到達できないエリア…むなしいものだな」


そう呟く冷子なのであった。


そして、時は流れ…翌日の午前6時。


すでに直樹と冷子は無明グループのビル付近にやってきていたのだった。


直樹「聖羅はすでに美鈴達に合流させているな」


冷子「あぁ、向こうのワープを成功させるためにもこっちの作戦も上手くやらないとな」


フリグ「警戒されているはずですが何も感じませんね」


直樹「ジュロ、お前もか?」


ジュロ「そうだね。不気味なくらい何も無いね」


そう答えるジュロ。


直樹「バレバレだろうが裏から入るぞ」


冷子「フリグ、もしもの時はすぐに防御だ」


フリグ「了解だ、冷子」


そして、裏へと周りビル内へと突入を開始した冷子達。


ジュロ・フリグ「……」


突入と同時に建物内の気配を探り、警戒する二人の精霊達。


冷子「少し薄暗いか…」


と、その時壁を轟き走る電撃。


ジュロ「雷の…精霊」


すると、電撃によって壁に設置してあったライトが次々と点灯していった。


フリグ「冷子、これは…」


冷子「正行からの招待状のようだな」


直樹「やれやれ。すでに出迎える準備は出来ていたのはわかっていましたが…不意打ちも無く正面から挑んでくるとはね」


冷子「バージョン2になった事が大きな自信となっているのだろう。だが、待ち構えていようとも私達は歩みを止めない」


直樹「そうだな」


正行の案内どおりに進み、奥の大きな扉を開き室内へと入っていった二人。


直樹「ビル内にある大きなステージがある部屋だな」


正行「よう…色々こっちの事調べてやがったよな…樹木野郎」


ステージの上からそう告げる正行。


冷子「私もいるんだが、電撃使い」


正行「珍しい組み合わせだよな…それともお前達なら俺を止められるとでも思ってるのか?」


フリグ「話は大体聞いている。危険なやり方で力を得てもそれは本来の力ではない」


ライズ「未だ自身の進化も出来ない精霊が何を言っているのか」


フリグ「ライズ…」


睨み合うフリグとライズ。


直樹「さっさと始めようか。決着をつけてやるよ…正行!」


そう叫ぶと共に直樹の前に飛び出す精霊・ジュロ。


冷子「そうだな、フリグ!」


冷気をまとわせ宙を舞う精霊・フリグ。


正行「ライズ、バージョン2」


と、ライズは姿を変え正行の腕に装着された。


正行「雷爪…さぁ、楽しませてもらうぜ」


そう告げるとステージから飛び降り冷子たちに向かっていく正行なのであった。

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