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第47話:協力と出会う二人

日が昇り翌日となった。


休日にもかかわらず、冷子は軽めながら道端を走っていた。


冷子「……何用で私をつけているのだ?」


突如立ち止まりそう告げた冷子。


直樹「つけていたと言うか少し前にやっと見つけたという所だがな」


聖羅「すみ…ません…色々と…事情が…」


聖羅も直樹と共に走ってきたのだろうか、息が切れているため言葉が途切れ途切れになっていた。


冷子「…何やら事情がありそうだな…精霊を使って私の居場所を探り接触してきたというのは…」


少し考えた後冷子は


冷子「私の家に来い。とりあえず話は聞いておこう」


そんな訳で早々に冷子の家へとやってきた直樹と聖羅。


フリグ「この感じ…お前もいるのかイリヤ」


姿を見せたフリグがそう告げると、冷子達の頭上に姿を見せたイリヤ。


冷子「何故ゲンドウの精霊であるイリヤがここに…」


直樹「それも含めて…全て説明する…信じられないかもしれないがな…お前達の力も必要だ」


そして、直樹は昨夜起きた事を冷子に話した。


冷子・フリグ「……」


冷子とフリグはただ静かに直樹の話を聞いていた。


直樹「…以上が俺達の知る全てだ」


話を終える直樹。


冷子「正行の奴がか…実際確認してはいないと言えゲンドウを倒したというのか」


聖羅「お爺様は分身イリヤで正行さんと接していましたから…本来の力は出せず…」


そう言う聖羅。


フリグ「正行の急なパワーアップが気になるな、冷子」


直樹「それは俺も同感だ。お爺様からいつか聞いた話だがES能力は三段階のレベルがある。最初のレベルはほぼ誰でも使えるだろうが、次のレベルを扱えるようになるのは相当な努力が必要だと…」


冷子「…正行のパワーアップに関わった何か…」


聖羅「お爺様がかねてから言っていた【敵】の存在が動き出した可能性もありますけど」


イリヤ「私もそれは感じている。正行やライズからは何か不穏なものを感じたのだ」


そう告げるイリヤ。


冷子「とりあえず私だけでの判断も出来ないが、お前達も急いでいるのだろう…すぐに出かけよう」


聖羅「えっ、何処へ…」


冷子「美鈴の家だ。そこに清二も合流させる。とりあえずES能力者全員で考えるべき問題だろう」


直樹「…すまない」


そして、冷子達が次の行動を起こしていこうとしている頃…。


とある空き地にて…。


ベルゼ「何とか上手くいったようでよかったよ…これで目的に一つ近付いたかな…」


何やら笑みを浮かべているベルゼ。


だが、次の瞬間ベルゼの表情は真剣なものへと変化した。


ベルゼ「何者だい。僕にここまで気取られもせずに後方に現れるなんて…」


ベルゼがそう告げると、ベルゼの後ろにある木の上に人影が見えていた。


?「名前などもう意味はなくなったがな…名乗るなら奴等のように…まぁ、デューク…とでも呼んでくれればいい」


ベルゼ「意味がわからないねそのネーミング」


ベルゼが振り返るとデュークと名乗った人物は木から飛び降りその姿を見せた。


デュークはベルゼと変わらない子供のような容姿だった。


ベルゼ・デューク「……」


互いに無言で視線をぶつけ合い、一触即発的な雰囲気を出していた。


ベルゼ「ふっ…一瞬僕に近い何かを感じた気がしたが気のせいだったみたいだ」


デューク「…」


ベルゼの言葉をただ聞いているデューク。


ベルゼ「でもね、もし僕の目的を邪魔するつもりなら…その時は…容赦なくいかせてもらうよ」


そう言うとベルゼの足元に黒い紋様のようなものが出現した。


ベルゼ「デュークか…一応覚えておくよ。それじゃ…」


そう言い残し、ベルゼは黒い紋様と共にその場から消えていったのだった。


デューク「全く…気がつけばこんな所にいたと思えば…また何かしら起きているようだな…しかし、退屈しない世界だな…ここは」


そう言いながら空き地を離れていくデューク。


デューク「さて、しばらくは様子見か…はたまた…」


そして、デュークは一人街中へと消えていくのであった。


再び場面は冷子達。


美鈴「えっと…」


清二「どういう事なんだよ…その状況」


美鈴の家にて状況の説明を受けた美鈴と清二。


冷子「聞いた通りに話した。信じる信じないは各々あるだろうが…」


イリヤ「本来なら四代元素の使い手を全て集めたかったが、もはやその猶予もないだろう」


清二「火と地属性の能力者か…そいつらもこの街にすでに来てるのか?」


冷子「さぁな…無明グループが能力者をこの街に集めていたのか…能力者が自然に集まってきているのかわからないが…」


直樹「今はお爺様を救う算段を考えるのが先だ」


そう言い放つ直樹。


美鈴「でも、それには正行さんを探さないといけないんですよね」


フリグ「雷のエネルギーを探っているが…どうも難しいようだ」


イリヤ「敵が何らかの妨害を仕掛けているのだろう。そう簡単に探させてはくれない」


清二「じゃあどうするんだよ。何の手がかりもなく…」


デューク「なにかと懐かしい光景に見えるな…お前達を見ていると」


美鈴「!?」


突然部屋の窓の外から声がして、美鈴達が振り向くと先程ベルゼと接触していたデュークが立っていた。


冷子「何者だ!貴様!」


デューク「たった一つの秘密を知るもの…デューク」


イリヤ「…貴方からも何か不思議な感じがしますね…かつてはとてつもない力を持っていたようだが…」


デューク「…過去の事はすでに塵となった…存在と共にな」


美鈴「あの…それで何か知っているんですか?」


清二「何普通に対応してるんだよ、美鈴」


美鈴の神経に少々あきれている清二。


冷子「…何か知っているようだが…いきなり現れたお前を…」


デューク「信用できないのはごもっともだけどな…早く動かないと今度はお前達が狙われるんじゃないのか?」


直樹「…お爺様の言っていた【敵】がES能力を狙っているのなら、やはり四大元素である二人が一番危険だろうな」


清二「俺と美鈴がか?」


冷子「話せ。ただしおかしな行動をとれば容赦なく氷付けにしてやるからな」


デューク「了解だ」


そして、デュークは謎の少年ベルゼと出会った事を話した。


デューク「そして…」


直樹「正行の行動もそのベルゼと言う者が原因だと…」


デューク「俺はお前達の持つES能力とやらはよく知らないがな…そんなに急激にパワーアップするものなのか?」


冷子「…違うな」


静かにそう答えた冷子。


デューク「話はしてやった…今となっては俺も傍観者だ…本当はあいつ等の事も気になるが…今はお前達の事も少しは見ておいてやるよ」


そういうとデュークはそのまま窓から飛び降りていったのだった。


聖羅「何か不思議な男の子でしたね」


冷子「フリグ…何か感じたか?」


フリグ「確かに何かは感じた気がするんだが…霧散しているような感じで上手く感じ取れなかった」


そう告げるフリグ。


直樹「とりあえず正行の一件はそいつの仕業らしいが…」


美鈴「どうしましょうか?さっきの話だとあまりゆっくりしてると向こうから仕掛けてきそうですよね」


冷子「直樹、聖羅。お前達は正行の動きを探ってくれ」


突然そう告げた冷子。


直樹「探るといわれてもな…」


冷子「無明グループのトップを捕まえて…お前達もグループを飛び出してきた。ならば正行とその裏にいる奴の拠点はそこだろうな」


イリヤ「そして、ゲンドウの側にいる精霊が分身であることもすでに気付いているだろう。向こうもそれなりの準備はしていると見た方がいい」


清二「乗り込むのか?」


冷子「場合によってはな。だからこそ一応調べてみてくれ。危なそうなら無利にやらなくてもいい。それに向こうも能力者が集まっている学校に攻めてきたりはしないだろうからな」


美鈴「大変な騒ぎになっちゃいますよね」


直樹「わかった。偵察は俺一人で行う」


聖羅「お兄様!?」


直樹「向こうが仕掛けて来た時…聖羅は危険すぎる…すまないが」


冷子「私もそうしたほうがいいだろう。それに私達と共にいる方が校内では安全だ」


聖羅「…わかりました。それが最善の選択なのでしたら」


少々納得できていないところがあるものの、了承する聖羅。


冷子「気をつけろ、直樹」


直樹「まぁ、正行に会ったら…」


美鈴「直樹さん…」


清二「まぁ、その話はそれで一段落したとして…お前達は何処で寝泊りする気なんだ?」


直樹「考えていなかったな」


冷子「私の家に来い。そこまで広くは無いが客間なら二人寝泊りしても問題ない」


聖羅「いいんですか?」


フリグ「確かに冷子の家は大きい方にはいるだろうな」


そんなこんなで今後の事を決定していった美鈴たち。


そして、時は流れて…。

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