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第41話:ゲンドウの策略(4)

「えっ、何…」


「…」


その浮かんでいた精霊はじっと美鈴を見つめていた。


「気をつけて美鈴…」


そう告げるエアル。


「とりあえずは初めましてかな…風見美鈴さん」


そんな声が精霊から聞こえてきた。


「この精霊が喋ってるの?」


美鈴がそう言うと


「違う…多分この精霊の持ち主…でも、精霊を通して言葉を飛ばすなんて…」


驚いているエアル。


「出会っていきなりで悪いが君の力を貸してもらうとするよ」


そう言うと近付いてくるその精霊。


「エアル!」


「任せて…私が美鈴を守る」


美鈴の前に立ち、敵から守ろうとするエアル。


「君も彼女の事を思うのなら大人しくしてほしいものだね…と、自己紹介がまだだったね。私は無明ゲンドウ…この精霊はイリヤだ」


そう告げたゲンドウ。


「えっ!?」


美鈴が一度瞬きした直後に、イリヤは美鈴の目の前にいた。


「どうして…」


驚いているエアル。


「君を夢の世界に案内しよう」


と、イリヤから放たれる淡い光。


「なに…これ…」


そんな光を浴びていくうちに、美鈴の頭はぼんやりとしてきていた。


「イリヤ…後は頼むぞ」


そう言うとゲンドウの声は聞こえなくなり、イリヤは小さくなるとアクセサリーのような形となった。


そして、美鈴の右耳にアクセサリーが装着され淡い光はゆっくりと消えていった。


「美鈴…」


どういう状況になっているか分からず、静かに声をかけたエアル。


と、静かに瞳を開く美鈴。


だが、その瞳はグレイ色に染まっていた。


「美…」


「戻りなさい…エアル」


そう呟き手をかざした美鈴。


何とかしようとしたエアルだが、美鈴の言葉の直後エアルは美鈴の中に消えてしまった。


そして、こちらは清二達の戦い。


「…正行…向こうは成功したらしい…悔しいがここはお前に任せる」


突然そう告げた直樹。


「向こうは成功だと…美鈴に何かしたのか!」


そう叫ぶ冷子。


「すぐにわかる」


「俺に任せるって言ったってそれはお前の爺さんの指示だから仕方ないんだろ」


正行がそう言うと正行を睨みつける直樹。


「戻るぞジュロ」


「冷子…あいつどうする?」


尋ねる清二。


「今は美鈴の方が先だ…とにかくこの壁を…」


と、突然消えていく樹の壁。


「どういうことだ…」


「俺の役目はここまでだからな…もう遮断させておく必要はない」


いつの間にか正行&ライズの攻撃も止まっており、冷子達も氷の壁を消した。


「何を企んでいるかは知らないが相手が一人になったんだ…清二…」


だが、清二は自分の精霊・アクルから何かを教えられ後方を確認して唖然としていた。


「冷子…一番最悪な状況かもしれないぜ…」


「!?」


冷子は清二が見ている方向を確認した。


そこにはじっと立っている美鈴がいた。


「…フリグが確認するまでもないな…正行、何をしたか話してもらうぞ!」


「うるさい奴だな…俺から聞くより本人から聞けば早いだろうが…まぁ、ちゃんとした話が聞けるかわからないけどな」


そう言う正行。


「美鈴、俺の声が聞こえるか?」


そう聞く清二。


「聞こえるよ清二君…でも、どうしてだろう…ずっと仲良しだったのに…今は倒さなきゃいけないって思っている自分がいるんだよ」


そう告げた美鈴。


「美鈴…」


「冷子さん…私まだ一度も冷子さんに勝ってなかったよね…今なら何だか勝てそうなんだよ」


と、手を前にかざす美鈴。


「出てきて…私の精霊さん」


そう言うと美鈴の前に現れるエアル。


だが、そんなエアルの瞳もグレイ色に変わっていた。


「準備は整ったな…美鈴…俺と一緒に組んで…」


そう言う正行。


「嫌です…私は私の力で勝ちます…それに正行さんは敵ですから」


そう告げた美鈴。


「…って、何か話が違うんだが…イリヤの能力であいつを支配して一緒に戦うんじゃなかったのかよ」


そう言う正行。


「精神支配…まさか美鈴は誰かの精霊の力で…」


そう告げる清二。


「それじゃ始めようよ…」


と、エアルから出現した風が清二たち目がけて放たれたのであった。

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