二 – 5
和那と義彦は揃って海の病室へ行った。
ベッドに横たわっていた海は、和那の姿を見つけて声をかけた。
「和那ちゃん」
和那が思っていたよりも、海は元気そうに見えた。
前の入院の時のような寒々しさは感じられず、むしろふっきれたように見えた。
海は首だけ動かして和那を見て言った。
「来てくれて嬉しい。ありがとう。起きられなくて、ごめんね」
海には和那に気を遣う余裕もあった。
海の顔色は冴えなかったが、和那は元の従姉の雰囲気に戻ったのを見て安堵した。
「ううん。海ちゃんはそのままでいて。顔を見たら安心した」
和那は微笑むと、海も微笑んだ。
そして和那の背後から義彦が言った。
「海に話がある」
「どうしたの、二人とも。変だよ?」
そう言う海は、いつもの彼女だった。
義彦は背後から和那の両肩に手を置いて、海に言った。
「いつか海に言ったよな?恋人ができたら紹介するって。
俺は和那ちゃんとつきあうことになった」
義彦の言葉に海も、そして和那も驚いた。
まさか義彦が海に宣言すると思っていなかったのだ。
義彦の手のぬくもりを肩に感じた和那は驚いて赤面した。
最初に口を開いたのは海だった。
「お兄ちゃん、本当に?」
海に見つめられた和那は、真っ赤な顔のままで言った。
「信じられないでしょう?私も、頭が混乱して」
すると海は嬉しそうに笑った。
「私は嬉しい。これからも、ずっと仲良くしようね」
海の柔らかな笑顔が和那には眩しかった。
和那は照れながら海に言った。
「ありがとう。海ちゃん」




