『話が通じない』
『うわ~!!!!!!走れ~!!!!!』
カノン達はアプルの実を出来るだけマジックポケットにしまいこみながら慌てるようにしてダークウルフの背にまたがる。
一刻も早くこの場から立ち去ろうとするカノン達であったが巨大な蛾の魔獣はこちらを執拗に追いかけてきた。
『あれは、グレートモスじゃな・・・・蛾の魔獣の中でも巨大で凶暴な奴じゃ。大切なアプルの実を取られ怒っているのであろう。捕まれば骨ごと食いちぎられるぞ!!!』
カノンの頭に乗り後ろを向きながらビビットは冷静に分析していた。
『だから!!!!最初に!!!!それを!!!!!早く!!!!!!言っとけ!!!!!ての!!!!』
カノンは全速力で走るギネに振り落とされないようにしがみついている。
(そうだ!!!!取ったアプルの実を全部あいつに返せば、許してもらえるだろか。)
カノンは右手でギネの毛をしっかり握りしめると振り返りグレートモスへ叫んだ。
『おーい!!!ごめんよー!!取った木の実はすべてお前に返すから怒らないでくれよ~!!!』
カノンは精一杯グレートモスに話しかけるが全く反応がない。
『おい!!!!頼むよ!!!ちょっと話を聞いてくれよ~。』
『食いちぎっ・・・る・・・・・・おで達のだべもの・・・返せ』
あいつらの言葉はわかるが文字通り話にならない。
『どうしよ、ビビット?あんなのとまともに相手してられないよ!!!』
『奴等は火に弱いはずじゃ。お主との合技でなんとか、するしかあるまい。』
カノンは頷くとスキルの発動に集中する。
『良いか!?小僧!!』
『いくよ!ビビット!』
『『合技バーニングフレア!!!』』
巨大な炎の渦は先頭のグレートモスの一匹を飲み込む。
巨大な炎はヘビーモスの断末魔と共に徐々に薄れていった。
『よし!これで・・・・・・っ!!!』
カノンとビビットの放った技は先頭のヘビーモス一匹を仕留めただけで残りの数十匹の大群は以前こちらを狙い向かってきていた。
『駄目じゃ!これじゃあ足止めにもならん。それどころか、ますます距離が近くなってしもうた。』




