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『道の途中』

『よーし、皆、出来たよー。』


木皿に揚げたての天麩羅を並べていく。


鶏の天麩羅は  あっさりとした中にも肉のうま味が凝縮されておりいくら食べても飽きない味になっている。


海老の天麩羅は  ここが異世界とは思えない!日本と間違えるほどの懐かしい味に仕上がった。(いや、この味は前の世界でも高級和食店並みの旨さかもしれない!!)


山菜は    天麩羅にしたことによって余分なエグみは消え野性味あふれる味わいと香りが堪能できた。



その他、淡白な魚やキノコなんかも天麩羅にしたが、どれもすばらしい味だった。


仲間のの皆はとにかくがっついて食べていた。


『こりゃーうめー!!旦那。』

『主殿よ!これは至高の食べ物ですなー』

『うむ。たしかにこれは・・・・これ!ブラン!それは儂のイエイビーじゃぞ!!!』


『はいはい、海老ね。そんなに皆慌てないで!!まだまだおかわりはあるから。』


『『『『『『『 オカワリーーーーーーーーーーー 』』』』』』』

全員すぐにたべっちゃったよ・・・・・


その後カノンは何度も何度も揚げては出し、揚げては出しの繰り返しだった。





『いやーはや、主殿 今日の食事も大変美味でしたぞ。』

すでに鼻ちょうちんをつくり爆睡しているブラン以外の周りの皆も一同頷いている。


『口に合ってよかったよ。でも、村にいた時から思っていたけどこの世界の食材はどれも素のうま味が強いからどんな料理のしかたでもそれなりの味になるよね。』





『主殿と我が君がいらっしゃった前の世界とはどのような世界だったのですか?』

『うむっ、儂もいつかはお主にそれを聞いてみたいと思っていたのじゃ。』


『どんな世界って・・・・』

カノンはブランに視線を送るが涎をたらし寝言を言いながら夢の中にいるようなので諦めた。


『そうだね、人間が多い世界だけども沢山の動物達も一緒に暮らしているよ。』

『俺らのように人間と共に生活しているのですかい?』


『うん。もちろん言葉はわからないけど、大切な家族の一員として共に暮らしているし。』


『では、向こうに行けばこのような食事が毎日食べれるわけですな。』


ギネがカノンを温めるように背後から包み込んだ。


『何をいっておるギネ殿!主殿がいればこの世界でも毎日このような御馳走が食べれるではないか。』

『たしかに!その通りだな!』

『そうじゃの。』


魔獣の皆は高らかに大笑いしあっていた。


(おいおい・・・・・これから毎日俺が作らなくちゃいけないのかよ・・・・・)


カノンだけは深いため息をつくのであった。





=====翌日======


カノン達は急いで移動しながらも食材を確保しながら移動していた。

というのもカンノが異空間収納を持っているとわかった時点でいくらでも確保できるので皆はおいしい御飯食べたさに色々調達していたのだった。


(本当は鑑定スキルなんて物があれば便利なんだけどな~・・・・・・)


ビビットに聞いたが鑑定スキルなんてのは聞いたことがないそうだ。

たしかによくよく考えてみればそんなスキルは情報と知識のチートスキルだもんな。

自分が知らないことを教えてくれる能力なんてね。


なので基本食材になりそうなのは皆の知識に頼っている。それでもビビット達の知識はかなり役にたっている。

『それは食べれるし、そっちは薬草になるぞ』

『主殿、それは毒があるので食べられませぬ。』

『旦那、そいつは焼いて食うとすげー美味いんでさぁ~。』


アイテムボックスの中が食材やら薬草やらで埋め尽くされそうだ・・・。


『ギネ!ちょっと待ったー。その木の陰に実がなった木があるぞ!』

『招致。カノン殿、しっかり捕まっていてください。』

ギネは岩を踏み台に木々を颯爽と渡り最短で目的の木の実がなる木までたどり着く。


他のダークウルフも向かってくるがギネ程の俊敏性は無いらしく少し時間がかかてしまってるようだ。


『うわー、大きい木だな~。ビビット!あの木の実は食べれるのかい?』


『どれどれ』


ビビットはカノンの胸ポケットからムクりと顔だした。


『あれはアプルの実じゃな。赤い実は甘くてうまいぞ。だが黄色い実はまだ熟してないので酸っぱくて食えたもんじゃないぞ』


『OK!』


ビビットはOKの意味がわからず首をかしげていた。


カノンは《神体強化術:ジンガ》を使い先程のギネと同じように手も使わず脚力のみで枝から枝に飛び乗りどんどん上へ進んでいった。


『よーし、それじゃあ落とすぞー』


カノンは赤い実のところへ素早く移動し次から次へと落としていくのであった。

下では皆がうまい具合にそれぞれキャッチするのであった。


カノンが木の頂上に差し掛かった時遠くの空が一瞬キラッと光った。


(なんだ???流れ星????)


カノンは目を細め先程光った空の辺りを凝視する。


(ん???いや、違う??? 羽だ!!ん??? 鳥?? いやっ!!あれは・・・・・蛾だ!!!!)



巨大な蛾が一直線にこちらへ向かってくる。

最初は小さな点だったが一秒ごとに大きくなってくる。

しかも、一つではない。10・・・いや、30以上いそうだ。


(ヤバイ!やばい、あれは間違いなくここに向ってくる。)



カノンは枝から飛び降り一気に地面まで着地した。


『皆!聞いてくれ!!』


『そうですな。大漁でしたな。』

『少し取りすぎたような気もするがまぁ、いいだろう。』

『旦那!今少し食べてもいいですかい?じゅるり・・・・』


大量に山盛りにされたアプルの実を前に皆は満足そうだった。


『いやいや!それどころじゃないんだ!』


『何を慌てておる。早くこの実をそれに入れぬか。しかしアプルの実とは珍しい物に出会えたのう・・・・・。本来ならばアプルの実というのは熟れると蛾の魔獣達がすぐに食い尽くすのだがな・・・。』


(な・・・・・・だから・・・・・あれ・・・・・・)


カノンは空を指さしながらパクパクと声にならない声をあげていた。


『なんじゃ・・・・お主・・・・・さっきから』


『!!!!!!だから・・・・・!!!!!今、・・・・・・来てるんだって~!!!!!』



カンノの言葉が出ると同時に飛行機並みの大きさの蛾のモンスターが襲撃して来たのであった。


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