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『キャンプ』

幻鸚鵡族(ファントムバード)の森を抜けてから3日がたった。

カノンは幻鸚鵡族(ファントムバード)のショウの事が気がかりだったが今に至ってはもはや何もできることはないとあらためて何度も気づかされるばかりであった。



『主殿、今日はここらで休むとしますか』

先頭を走るカノンにナルケンが声をかける。

『そうだね、今日はここらで休むとしよう』


未だ森の中を移動中だった皆がダークウルフ達から降りる。


『では、主殿。分担はいつもの通りでよろしいですかな?』


『あっ、うん。』


『おにっく~、おにっく~』

『こっこれ!ブラン。儂を置いていくな!待って!待つのじゃー』

ブランとビビットのお決まりの光景だ。


そうそう分担とは・・・・村を出発した初日の夜、各々何を担当するか話合った。

ナルケンは寝床の準備

シンは魚の調達

ビビット&ブランは肉の調達

ギネ達ダークウルフは日中走りっぱなしなのでここは休みとした。


そして俺は食事担当となった。夕食はもちろん明日の朝食、昼食の仕込みもしなくてはならない。

普通、異世界だったら異空間収納とかマジックバックとかあってもっと楽できるだろーとブツブツ言っているとビビットから『あるぞ』と言われた。

『へ?持ってるの?』

『いやいや、儂はそんなスキルは無いし魔道具も持ってはおらん。だが昔見た文献に過去にそのようなスキルを持った者がおるようだな。魔道具については儂は専門ではないのでようわからんが帝都や魔法都市にいけば売っておるのではないかな。』

『なんだよ、神様もあるならそれを最初・・・・・ん????っ!!!あれ!?』


そういば・・・初めてこの世界に転生した時身に着けていたシザーバック。あれってもしかして・・・・

あの時以来一度も開けていなかったが必ず出かけるときは身に着けていた。

中身を確認する。金貨に指輪。中身は変わっていない。そういば金貨があったのも忘れていた。

村では金貨なんか見たこともない。てか、この世界、通貨の価値がその人その人違うので困る。

大雑把に俺が村の人達の聞いた情報を整理すると



銅貨(10円)→大銅貨(100円)→銀貨(1000円)→大銀貨(10000円)→金貨(100000円)→大金貨(1000000円)→白銀貨(1千万円)→大白銀貨(1億円)


こんな感じである。


そうそう、このシザーバック。これってもしかして・・・・・

まがりなりにも神様から貰ったもの。といことは・・・・・・


カノンは近くにあった拳程の石を拾う。見た感じこの石はシザーバックより大きく中に入れることは出来なそうだ。


(もしこれがマジックアイテムなら・・・・)


おそるおそる袋に石を入れてみる。

すると石は吸い込まれるようにバックの中に消えていった。


『よっしゃー!!!ビンゴ!!!!!これマジックアイテムだー!!!』


横でビビットは呆然と固まりこちらを見ていた。


『おっ!お主、それは・・・・本物のマジックアイテムか!!!!』

『見た!!ビビット、これマジックバックだったよ。 よし、よし。これさえあれば・・・・まずはどれ位入るのかを・・・・』

『いやいや!!お主、そんな物いつから持っておったのじゃ!?』


『あっ・・・・・・・・・忘れていたけど最初から持ってたみたい。』


『・・・忘れていた? バ・バ・バ・バカモノ~!!!!!』

ビビットは顔を真っ赤にして叫んでいた。



『ちょっと、ビビット、そんなに大声ださないでよ。』


『はー、お主ときたら何度も何度も・・・・そんなマジックアイテムがあるのならば今まで苦労してきた事も・・・・・もはや、今頃騒いでもしかたがないが・・・・・この、阿呆めが・・・』

『ごめん、ごめん、本当に今までこれがマジックアイテムだって気づかなかったんだよ。でも、ほらこれからはさ。』

カノンはビビットに笑顔で語る。


そのあとビビットとこのマジックバックを確かめたが容量は拳大の石を100個入れたところで計るのをあきらめた。

中には生き物は入れられず、時間の経過もないようだ。

(よし!!これは俺の知っているラノベ通りだ!!!)

ただ問題はこの時起きた、今まで蓋をあけたとき中身は金貨と指輪が見えていたのだが石ころを入れた後から中身が真っ暗になり目視出来なくなってしまった。

暗闇に手を入れると不思議と今掴んでいるものが何かわかるような感覚であった。


そうまるで!あの国民的アニメ。〇ら〇も〇のポケットのような。


『ちゃらららーん!いーしーこーろー。』

カノンは大きな声で取り出してみた。


『お主・・なんじゃそれは・・・・・・』

ビビットの冷たい視線が痛かった。


とにもかくにも、異空間収納ができるマジックアイテムを手に入れたカノンは今日も食事を作る時にその中から山菜や香草(ハーブ)を取り出す。


当初用意した荷物はすべてこのマジックバックに押し込んだ。

ビビットからはあまり容量を超えた物を入れると壊れてしまうぞっ、と注意されたが俺はこれが神様から貰ったものだと知っているから恐らく無限に入るのだろうと思い込んでいる。



『それに、塩と、、小麦粉と・・・」


『ほう・・・今日はお主、何をつくるのじゃ!?』

すでに狩りから帰ってきたビビットはカノンの調理の様子を興味深く見ていた。


『今日はブランとビビットがおいしそうな鶏を捕ってきてくれたし、移動の途中で山菜も多く採れたから天麩羅にしようと思うんだ』


『テンプ・・ラ???? うーん、あいかわらずわからん料理だがお主の飯はなかなかに上手いからな・・・・・今日も期待しておるぞ』


普段はカノンの事をドジで世話の焼ける者扱いするビビットだったが食事に関しては驚くほど美味しかったらしくこの時ばかりは大人しく何でもいうことを聞いていた。

(たしかに、こっちの世界に来てから料理はエリザさんやリサの作るものを食べていたので自分が振舞うことはなかったが結構料理は好きな方なんだよねー。1人暮らしもそこそこ長かったし、パパに連れて行ってもらったキャンプなんかではアウトドア料理なんかもいっぱい覚えてたし。)


カノンは手際よく鶏の下ごしらえを進める。

そんな中、シンが大きな麻袋を担いで戻ってきた。


『おーい旦那~。今戻りましたぜ~。今日も大漁でさぁ~。それに今日はこいつも沢山捕れたんでさぁ~。』


『ご苦労様。どれどれ・・おおっ!!!これは・・・ん?なぜこんな山奥に???

これ海の生き物だよね・・・・・

まっ、いっか。異世界だしね。

 シン君!!これはグッジョブ!ですよ~。今日のメニューにぴったりの食材だね~。』


『グッジョ・・ブ????旦那のおっしゃている意味はわかりませんがお役に立てたのならよかったですぜぃ。』


カノンは麻袋から大きな車海老もどきを取り出した。


『よーし、みんな。もう少し待っててくれよ~!!』


『ご主人様~早く~~~!!!!!』

ブランは涎を滝のように流しながら皿を持っていた。





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