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『裏切りの訳』

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彼らなら追って来れるかもしれない・・・・

匂い、魔力感知、etc・・・


ここは迂回して・・・いやっ!その時間がもったいない。ついてこれるなら来させればいい。時間は十分に稼げているはず・・・。  ・・・・さえ蘇れば、後はどうにでもなる。

今は一刻も早く・・・・・



ショーは森の更に奥にある隠れ家の洞窟に向かっていた。

月は相変わらず森を照らし続け森の生き物はひっそりとその様子を伺うのであった。




ショーは隠れ家の洞窟に飛び込む。そこは月の光が届かずひっそりと暗い場所であった。

ショーは最深部まで到着すると灯りに火を灯した。


そこには一匹の幻鸚鵡族(ファントムバード)が横たわっていた。



ショーはゆっくり近づき羽の懐から先程の雫が入った小瓶を取り出し小瓶の栓を開けながら語り掛ける。


『マリー・・・聞こえるか!?やっと薬が手に入った。これを飲めば治るぞ!!』


ショーは小瓶の淵をあて飲ませようとするがその幻鸚鵡族(ファントムバード)は口をなかなか開けようとはしない。

ショーは何とか飲ませようとしている。



『そいつ、病気なのか?』


ふいに後ろから声が聞こえた。

ショーは雫を幻鸚鵡族(ファントムバード)に飲ませることに集中していて全く気配を感じとれていなかった。 


ショーは一瞬驚き警戒したが後ろを振り返ることもなく幻鸚鵡族(ファントムバード)に薬を飲ませることを続けていた。



『この者の名はマリーと言います。私の大切な婚約者でございます。3年程前よりオウム病という病気にかかってしまい見てのとおりこの状態でございます。ですが、なんとか今これを飲めば元気になるでしょう。』

ショーは話しながらもマリーの頭を持ち上げクチバシで口を開く。そこに小瓶に入っていた雫を流し込んだ



『すみません、客人の方々。見てのとおり【肥沃の種】から取れるこの【万寿の雫】を使い私は彼女を病から救いたかたのでございます。私は何度も一族の宝である【肥沃の種】を使わせてくれと長に頼みました。しかし長からは・・・・・・・ 私の言葉に耳を傾けてはもらえませんでした。

ならば、方法は1つ。たとえ、一族を裏切ることになろうと・・・・私は彼女を見捨てることは出来なかった』


ショーは少し怒りながら感情をにじませた。


その時だった

『本当にバカなんだから・・・』


ショーの羽に抱きかかえてられていたマリーが目を開いた。


『あなたは・・・・お父様の跡を継いで立派な長になることが夢だったのに・・・・・私のせいで・・・・・・ごめんなさい・・・・・。』





『いいんだ。マリー、私は君さえいてくれたら何もいらないんだ。・・・・やっと、わかったよ。』

 




『・・・うれしい。・・・ありがとう ショー   ごめんね。』





マリーは少しだけ微笑んだ後、ちょっと困ったような表情を見せ目を閉じた。


『マリー?眠いのかい??・・・・・起きてよマリー。  ・・・・起きてくれよ。』


ショーの呼びかけにもマリーはまるで眠っているかのように安らかな顔で何も答えてはくれなかった。






『客人・・・・すまないが私はマリーをここより明るく静かな場所に連れていってやりたい。約束通り【肥沃の種】はお渡ししましょう。  でわ。』



『ショー!!  ・・すまない!! 何も力になってやれなかった!!!!』

カノンはすでに飛び立ったショーに叫んだ。


その言葉はショーに届いたかは分からなかった。


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