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『摩訶不思議』

久しぶりの更新です。お読み頂きありがとうございます。

ダークウルフのスピードは時速120㎞は出ていると思う。

カノンは振り落とされないようしっかりとしがみついている。


ブランは人の姿なれど流石はドラゴン。ギネのスピードの中でも一瞬のうちに木の実や果物を刈り取りモグモグと食べていた。



森は平坦な道だけではない。川や岩をも飛び越え突き進む。ギネのスピードだとジェットコースターに乗ってるような気分になる。



ここでふと、ギネが気づく。


『カノン様・・・』


ビビッドがギネの言葉を遮るように喋り出す。


『ギネよ。お主も気付いたか。これは、何らかの幻術に我々はかけられておるな。どうも先程から同じ所を何度も通っておる。』



『同意。真っ直ぐ西へ向かっているのですが気付くと元の場所へ戻されております。』


ギネを先頭にダークフルフ達は立ち止まる。


カノンとブランがギネの背から降りる。


後ろではシンとナルケンも降りていた。


皆が周りを見渡す。静かな森だ。

いや、静かすぎる。鳥の声や虫の声、生き物の気配が一切しない。その事がとても奇妙で恐ろしく感じる。


『恐らくすでに幻鸚鵡族(ファントムバード)の術中にかかってしまったかと・・・・・。』


ギネは口惜しそうに話す。


『よし!』


カノンはおもむろに近くの木に近寄る。

『まずは、本当に同じ場所に戻っているのかを確認しよう。』


カノンはアロンから貸して貰ったナイフでその、木に×印をつけた。


『よし!ギネすまないがもう一度出発しよう!』


ギネは一度遠吠えをしてカノン達を乗せ再び走り出した。


~10分後~


カノン達は進むのをやめていた。

カノンは先程付けたであろう×印を見ていた。



『やっぱり、同じ所に戻っているようだね。』


一向は周囲を見渡す。


『カノン様、どういたしますか?』


ナルケンとシンも周囲を伺いながらカノンに近づく。


(・・・そうだな。)


『この森に住む幻鸚鵡族(ファントムバード)よ!聞いてくれ!無断でお前らの領域(テリトリー)に入ったのは謝る。俺達は先を急いでる。このまま立ち去る故、どうか見逃してほしい。』



カノンは空に向かい大きく叫んだ。



静寂がカノン達を包む。


(駄目か・・・・・・)



『小汚ない盗人どもよ・・・貴様らは我々の森を断りもなく忍び込み汚した。その罪は万死に値する・・・。このまま、そこで朽ち果てるがよい。』



森のどこからか声が聞こえた。

カノン達はすぐに辺りを見回すがどこにも姿は見えない。



『聞いてくれ!西の長よ。私だ。東の闇狼族(ダークフルフ)の長、ギネだ!頼む。少しでいい、話を聞いてくれ!』



やはり静寂が周りを包み込む。



・・・・・・・・・・・・。










『なんじゃ?本当に東の長か。』



カノン達のすぐ横にいつの間にか一匹のオウムが現れた。

カノン達は驚き、距離をとる。



こいつが幻鸚鵡族(ファントムバード)???たしかに前世のペットショップで見たオウムと容姿は似ているな。ただこいつはその時のオウムより色が鮮やかだし、なにより片眼鏡を付けている。



『東の。よく生きていたな。てっきり、お主達はあの愚竜に滅ぼされたと思っていたぞ。』


オウムはどこか小馬鹿にしたような態度で喋り始めた。


その言葉に、大鰐人族(アリゲータマン)の長:シンと

亀人族(タートルマン)の長:ナルケンの目には殺気がみてとれる。


(おいおい、頼むからいきなり襲いかからないでくれよ・・・)


カノンはその二人を心配そうに見つめている。


当の本人のブラン(幼女姿)は先程とっていた果物を夢中で食べていた。


(どうやら、こいつは自分の事を言われているとは思っていないな。)



『ウホンッ・・・。その話はまた今度教えてやる。。ところで我々は今、先を急いでいる。頼む、今すぐここから出してくれ。』




ギネは幻鸚鵡族(ファントムバード)にむかい話す。それを聞き幻鸚鵡族(ファントムバード)の長は羽ばたきカノン達の頭上の木の枝に移る。



『東の。いかにお主の頼みとはいえ、それは道理が通らぬ。ここは私の森だ。何人であろうが無断で踏み込めば罰を受けてもらう・・・・・・。まぁ、本来ならばこのままここで朽ち果ててもらうのが普通なのだが・・・。



代わりに此方の言うことを一つ聞くのであれば解放してやってもいい。


どうだ?東の?


悪くはない条件であろう。


見ればあの愚竜の眷族共もおるではないか。


恐らく、お主ら闇狼族(ダークフルフ)も愚竜に取り入ったのであろう。』


・・・・・・ッ!!!


ここで、ナルケンとシンは自分の得物に手をかける。



『ふっ!まぁ、それはよいわ。それで、やってもらう事だが・・・・・・』




ブランは変わらず木の実を食べていた。

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