『選抜メンバー』
アロンの自宅に族長達が集まっていた。
「『皆さん、今日はご相談があります。』」
各々の族長達は全員カノンを見つめている。
「『実は、僕ドワーフの国に行ってみようと思います。』」
っっっっ!!!?????
一同が全員驚く。
アロンが最初に喋った。
「理由を教えてくれ。」
僕は頷き説明する。
「『今、この村には沢山の魔獣の素材があります。ですが、この村では残念ながら役立てることが出来ない。もし、これらを利用することが出来るようになれば更にこの村が裕福になると思うんです。』」
それを聞きガムルが慌てて話す
「おいっ!カノン、この村は以前よりぐーんと豊かになっているぞ。お前やこいつら魔獣達が来てからは食い物にも困らねぇ。以前は毎日畑を耕してたが魔獣達が採ってくる獲物のお陰で三日に一日は休むことも出来る。これ以上何を望む?」
「『たしかに、食料は豊かになりました。でも、この素材を活用すれば更に暮らしが良くなるんです!その為にはどうしてもドワーフの国にいく必要があるんです!』」
アロンとガムルは困ったように顔を合わせる。
「『勿論、危険はわかっています。無理はしません。でも、行ってみたいんです。』」
「フッ~わかった。では、俺とガムルも付いていこう。」
アロンはこれ以上言っても無駄だと察し諦めた。
「『アロンさん、ごめんなさい。今回は僕一人で行こうと思います。』」
アロンは驚き椅子から立つ!
「それは、無謀だ!いくらなんでも危険過ぎる!」
「『今回は何時帰れるかもわかりません。短い間かもしれませんが長い間になるかもしれません。そんな間、お二人を村の外に連れ出す訳にはいきません。今回はどうか僕の我儘を聞いて下さい。』」
アロンは少しの間、怒っていたがガムルの説得に渋々といった感じで折れてくれた。
「しかし・・・まぁ、お前の我が儘は前からだしな・・・」
「『すいません、アロンさん・・・。』」
『ちょっと。いいですかな?まさかとは思いますが我々は勿論同行させて頂けますよね?』
亀人族の長が一通り落ち着いた頃に質問してきた。
「『あぁ、出来れば何人か同行してほしいな。頼めるかな?』」
亀人族の長はフムフムと頷いていた。
『勿論、私が同行いたしますぞ。』
亀人族の長は満面の笑みで答えた。
(いやいや。あんた長だろ!長、自ら付いてこなくても・・・)
「『いやいや。長達はこの村にいてもらって構わないよ。一族達の事もあるだろうし・・・・』」
『何をおっしゃる!竜王様が貴方を主と認めた今、我々眷族は貴方様に仕える身。一族よりも全てはあなた様が優先されます。』
そうなんだよな~。あの日以来、こいつら魔獣の中ではヒエラルキーが変更されてて一番上に俺→ブラン→人間→魔獣の長→魔獣
ってな具合になってるんだよな。
だから俺を見かける度に平伏すし、こっちから話しかけても恐れ多いとすぐに立ち去ってしまう。主と認めながらも意外と魔獣達と一番ふれあっていないのが俺なんだよなぁー。
ある時その事をビビッドに相談したら
『それは、仕方がないであろう。元々魔獣とは弱肉強食が全て。弱ければ淘汰され、強ければ全てを手に得れられる。そんなものなのだよ。』
そう言われたが、やはり魔獣達が楽しく話しているところに入ろうとして避けられるのは人間として辛いものがあるんだよ・・・・。
「『今回は少数で行こうと思っているんだ」』
『てあれば尚更精鋭で行くべきです!』
(うっ!たしかに。)
『一族で一番強いものが長です。つまり、私が一番お役に立てると言うことです。』
(たしかに言ってるこは間違いないな。であれば・・・)
「『言ってることはわかった。では、何人か一緒に付いてきてもらいたい。』」
『御意!』
『では、私もお供致しましょう。』
すぐにそう言ったのは、大鰐人族の長だった。
『私の実力はカノン様が良くわかられているはず。』
(うっ!また、長か・・・でも、たしかにこいつは俺とギネとビビッド、3人で戦ってやっと倒した奴だしな。一緒にいれば心強いか・・・)
「『わかった!お前も頼む。』」
結局メンバーは
カノン、大鰐人族の長:シン、
亀人族の長:ナルケン、ギネ、ビビッドとなった。
ここで1つ問題が起こった。
やつも、行くとゴネ始めたのだ・・・・・




