『決着????』
竜と少年の二人はとにかく矢継ぎ早に次々と話題を変え話をする。1つの話が終われば次の話、それが終わればまた次の話・・・・・・・・。周りの状況なんてお構い無しに降り上がっていた!
『・・・・・・・・あのー、お話のところ申し訳ありませんが・・・・・・・・。』
亀人族の長がかしこまって会話に割ってはいる。
後ろにはギネの頭にビビッドが乗っかり、その横には先ほど倒した大鰐人族の長が仲間に支えられながら並んでいた。
『あぁ、ごめん。ごめん。えーと、あれ???ごめん、なんだったっけ???』
『・・・・いや、あの、・・・・お二人はどのようなご関係で???』
大鰐人族の長は先程までとはガラリと態度を変え話しかけていた。
『この人は僕のご主人様だよ!お前達、よくもご主人様に向かって・・・・!!!!』
ブランは眷族達を睨み威嚇する。すると、すべての大鰐人族と亀人族はひれ伏しブルブルと震えていた。
『恐れながら申し上げます。竜王様。これは、そこの人間が仕掛けてきた戦いでございます。さすれば・・・・バフッ!!!』
大鰐人族の若い奴がブランの尻尾でペチャンコにされた。
コーラの空き缶を踏み潰したように見るも無惨な状態なのを見てカノンは気持ち悪いと思った。
『言い訳はいいよ!お前ら皆、僕が殺すから・・・・。』
ブランのその一言は眷族達を凍りつかせた。
(おいおい。こりゃ凄いな・・・・。)
カノンは改めてブランと闘わずにすんで良かったと胸を撫で下ろした。まぁ、闘いといっても一方的に殺されるだけだったろうけど・・・・。
(あの尻尾・・・・。なんて速さで動くんだよ。さっきの大鰐人族も一発だったし地面もちょっと、割れてるじゃねーか。おの両手も爪もギラギラと黒く光っていて・・・・なんとも切れ味よさそうな・・・・。そして、あの口から吐き出されようとしている炎の量といったら・・・・っ!!!おいっ!待て待てっ!)
『ちょっと!ブラン!待て待て!お前、何しようとしている!?』
カノンに声を掛けられ慌ててブランは口に溜め込んだ炎を1度飲み込んだ。
『今からこいつら全員焼き払おうと思って♪』
(いやいや、思って♪じゃないよ。こいつら全員ここで殺されるとか余りに不憫だろ・・・・。まぁ、もともとあんまりこいつらに興味無さそうだったけども・・・・。それに、その中にはギネやビビッドいるんだぞ。そら見てみろ、亀人族の長身体中から変な液体溢れだしてるじゃないか・・・・・・・・。
『ブラン、こいつらのことはほっといていい。それよりも話の続きを聞かせてくれよ。ここじゃあ、落ち着いて話も出来ないから一先ず俺の村に来ないか?』
カノンはブランの眉間を撫でながら語りかけた。
『うん!行く!』
ブランは大きな尻尾をバタバタさせている。洞窟の天井は尻尾に併せパラパラと音をたて揺れていた。




