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『亀と鰐』


すみません。仕事が忙しくなかなか更新出来ませんでした。取り急ぎ投稿してみたので誤字、脱字あると思います。後々直しますのでご了承下さい。

ジメジメした洞窟を蜥蜴人族(リザードマン)が松明を持ち先導する。入口はそれほど大きくなかった洞窟だったが中はかなり広い。時折、冷たい風が奥から吹き付ける。



『こっちだ。』


何度があった分岐点を蜥蜴人族(リザードマン)は迷うことなく案内する。蜥蜴人族(リザードマン)は後ろを振り返ることなくひたすら進む。


後に続くのはカノンとビビッド、そしてギネの3人だけであった。何人かいたダークウルフの戦士たちはカノンと一緒に戦うことを決めてくれたがカノンは制止した。


『お前たちの気持ちはありがたいが今すぐ戻りダークウルフの一族を遠くに逃がすんだ。この先、戦いに勝てるとは限らない。少しでも多くの一族を守ってやれ。

そして、お前たちに頼みがある。シザの村に行きこの危機を伝えてくれ。お前たちの言葉を理解は出来ないだろうが最悪、追いたてる形になってもいいから村人を遠くに移動させろ。


頼んだぞ。』



『しかしっ、!』


ダークウルフ達は何かを訴えようとしたがギネがそれを遮る。


『お前達、たのんだぞ!』



ギネは優しい顔で彼らに語りかけた。


ダークウルフ達は悲しい顔であったが命令を忠実に実行するため走り出した。




カノンはこの先の戦いに不安を感じていた。

理由はこの蜥蜴人族(リザードマン)が先の戦いを見たにも関わらず自分の親の元へ敵を案内するというのだから。

よほど、自分達の命がおしいのか、もしくは・・・・。




カノンは心のなかにドス黒い不安の塊を抱えながらついていくのであった。

ジメジメとしていた洞窟だったが次第に明るく光る輝鉱石が増えはじめ周りの様子が細かく見えてきた。



『人間よ。この先に竜王様はいらっしゃる。もはや後戻りは出来ぬが本当にこの先に進むのだな!?』



カノンは頷く。




ゆるやかなカーブに沿い歩いていく。輝鉱石は次第に数を増やし周りを明るく照らす。やがて大きな空間へ、たどり着く。


そこは、洞窟内とは思えないほど広く大きい。


っ!!!!



一番先に目に飛び込んできたのは巨大な竜がひときわ高い場所で寝ている姿だった。



(終わった。なんだあのデカさは・・・・・・・・。竜といっても精々ダンプカー位の大きさを想像していたがあの竜はその3倍はある。これは・・・・どうしたものか・・・・・・・・。)



カノンは続いて竜の左右前に立つ魔物に目を移す。



(亀と鰐???)



左には亀が二足歩行で立っている。その横にはズラリと亀の一族が広場を囲むように立ち並ぶ。右手には槍を持ち綺麗に整列している。一方右側には鰐が腕を組み立っていた。

背にはデカイ刀を携えている。

(あれは、たしか青竜刀とかいう物だったかな。)


亀の一族と同じように脇には鰐の一族がズラリと整列している。

大広間は異常な静けさで包まれていた。




『弱小な人間よっ!よく来たな。その無知さは哀れにすら思うが多少の勇気は認めよう。これより、貴様には竜王様の眷族を殺した責任を取ってもらう。・・・・貴様の命でなっ!』


鰐はそう告げると颯爽と飛び下りカノン達と同じ地面に降り立つ。




『おいっ!小僧。目の前のあやつかなり強いぞ。恐らく先の蜥蜴人族(リザードマン)の長の非ではない力を持っておる。くれぐれも油断するなよ。』

ビビッドかそっと呟く。


カノンは話をしようとしたが無駄だと悟る。それに、目の前の魔物から今まで感じたことのない気配を読み取る。少しでも、気を張ってなければ直ぐに致命傷を受けるような予感がした。


カノンは剣を構え、近づく大鰐人族(アリゲータマン)の長の一挙一動に注意を払う。


『ギネ!』


カノンはギネに股がる。


《疾風怒濤:ストムレス》


ギネが高速で撹乱する。


大鰐人族(アリゲータマン)の長は慌てた様子はない。



『よし!今だ!合技:バーニングフレア!』



焔の竜巻は大鰐人族(アリゲータマン)の長を飲み込む。

その焔は渦を巻きすべてを焼き尽くす威力があった。






(よしっ!先手必勝だ。まずは、一匹。とりあえず、この調子で・・・っ!!!!)






なんと、焔の中からゆっくりと何かが出てくる。


・・・・・・・・大鰐人族(アリゲータマン)の長だ。



ほどんどダメージを受けていない。



(まじかっ?あの技で無傷なのかよ!?)



大鰐人族(アリゲータマン)の長は青竜刀を抜き唱える。


『《水魔法》水属性付与:アクアプラスっ!!!』


青竜刀が水に纏われる。


『死ねっ!水刃斬!』



大鰐人族(アリゲータマン)の長の放つ一撃がカノンを襲う。



『まずい!ギネよけろっ!』


カノンのギリギリ横を斬撃が通過する。斬撃はぶつかった衝撃と大きな音と共に洞窟の壁に大きな爪痕を残す。



『おい、おいっ!なんて威力だよ。ギネ大丈夫かっ!?』


カノンはギネを確認する。



『すまん、主よ。』


ギネの右足から大量の血が出ている。先程の斬撃を受けてしまったのだろう。

カノンはギネの背から降りる。



『ギネ!お前は後ろに隠れていろ。今からは俺一人で何とかする。』


カノンは肩のビビッドをギネの背に移す。


『駄目です!いかに主とて一人では奴にかなわない!せめて、我のスピードがなければあの斬撃もかわせませぬぞ!』



カノンはストレッチを始めている。



『小僧!あれを使うのだなっ!?・・・・・・・・やつは、恐らく水属性魔法の使い手だろう。・・・・残念ながらワシとの相性は最悪じゃ。なんとか、他のスキルで勝機を見いだすのだ。』



カノンは頷く。



『ビビッド殿!なにをおっしゃるっ!?いくらなんでも、一人では到底無理ですぞ!』



カノンは剣を構え、唱える。



《疾風怒濤:ストムレス》








大鰐人族(アリゲータマン)の長は一瞬驚いた。先程のダークウルフはともかく、なぜ人間の子供があのような速度で動ける!?



その様子にギネも驚きを隠せない。

なぜ、我のスキルを主が使えているのか????

ギネはビビッドに何かを聞こうとした。だが、



『今は黙って小僧の戦いを見守るのだ。』

ビビッドに言われ、ギネは大人しく主の戦いに視線を戻した。








すでに大鰐人族(アリゲータマン)の長は何太刀か受けている。しかし、その皮膚は固い鱗に覆われカノンの持っている剣ではほとんどダメージを受けない。



『興味深いが、これ以上竜王様の前で不様な姿は見せられん。』




大鰐人族(アリゲータマン)の長は青竜刀を構える。



『水刃斬!』



水の斬撃はカノンへ向かう。カノンは高速でそれを避ける。





大鰐人族(アリゲータマン)の長の肩に水滴が何滴か落ちて当たる。



『やはり、素早いな。だが、いつまで避けていられるかな!?』



大鰐人族(アリゲータマン)の長は直ぐに青竜刀に水を纏わせる。



カノンは何かを考えながらその様子を伺う。






幾度となくカノンは水刃斬をかわす。更に隙を見てフレアを放つが大鰐人族(アリゲータマン)の長は要所を《水魔法》水属性付与:アクアプラスにて守り炎を無効化する。

時間が経つにつれ時折カノンは避けきれずにかすり傷をおっていた。そのどれもが致命傷ではなかったが徐々にカノンの体力を奪っていくのであった。



大鰐人族(アリゲータマン)の長は少しカノンに敬意をはらうかのように語る。


『人間の子供よ!なぜ、お前のような者にそのような力があるのかは解らぬがそろそろ、終わりにしよう。苦しみたくなければ下手に歯向かわない方がよいぞ!』



大鰐人族(アリゲータマン)の長は青竜刀を両手で構える。更に青竜刀の鍔を親指で破壊すると青竜刀は2本へと分解するのであった。


『《水魔法》水属性付与:アクアプラス』



二刀流の青竜刀に水が纏われる。


『いくぞ!水刃双竜斬!!!』



2つの水の斬撃は×の字にカノンへ向かってくる。カノンは避ける動作をとらない。


大鰐人族(アリゲータマン)の長はやっと諦めたと思った。

その時だった。

カノンは地面を拳で殴る。すると、大地が割れ地面が隆起する。

水の斬撃は大地に阻まれる。




大鰐人族(アリゲータマン)の長は慌てる。

(これはっ!どういうことだ!??俺の奥義がかわされただとっ!やつは!?あの、人間はどこだっ!!!!???)




大鰐人族(アリゲータマン)の長はカノンを見失っていた。ふと、自分の右下に何かの存在を感じる。


・・・・しまった!!!




カノンは拳に力を入れる。


『お前の魔法は連続発動まで12秒要する。だから、今のお前には水魔法で自分を守ることは出来ない。』






大鰐人族(アリゲータマン)の長はなぜか身動きがとれない。

すべてがゆっくりと動いているようだった。



『食らえっ!フレアインパクト』



カノンの拳は大鰐人族(アリゲータマン)の長の脇腹に突き刺さる。あばらが軒並み折れる音がする。更に拳から炎が吹き出て

大鰐人族(アリゲータマン)の長はジェット噴射の様に吹き飛び洞窟の壁に叩きつけられるのだった。







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