『修行の成果』
すいません。取り急ぎ投稿します。完全版は本日0時までにはアップします。よろしくお願いいたします。
蜥蜴人族の長は何とか太刀を動かそうとしていた。
しかし、人間の少年に掴まれた太刀は怪力を誇る蜥蜴人族の長の力でもピクリとも動かない。
カノンは太刀を掴かみながら逆の手を蜥蜴人族の長に向ける。
『くらえ・・・・。フレア!』
カノンの手のひらから渦を巻き焔が巻き上がる。
『ぐおっ。』
蜥蜴人族の長はまともに焔を浴び全身にうっすらと熱傷を負う。
『今のは最後の警告だ!これ以上やるつもりならもう、結果は知らないぞ!。』
蜥蜴人族の長は一瞬目を反らし辛い表情になるが直ぐに此方を睨んだ。
『だまれっ!貴様ら下等種族にやられる俺ではないわ!』
蜥蜴人族の長は空高くジャンプすると、みるみるうちに爪が伸びナイフ程の大きさになる。
『死ねっ!瘴気の爪』
・・・・なぜ、命を無駄にするのか・・・・。
『しかたがない。ビビッド!合体技だ!』
肩に乗っているビビッドも杖を構える。
『『合技:バーニングフレア!』』
焔の竜巻が蜥蜴人族の長を飲み込む。
残ったのは蜥蜴の影だけだった。
蜥蜴人族達は信じられない表情で俺を見ている。闇狼達も一同に驚いている。
カノンはゆっくりと、蜥蜴人族達の前に近づく。
『まだ、戦おうとするものはいるか!!!いるのならば前に出ろ!この俺が相手になるぞ!』
その場が静まりかえる。
すると蜥蜴人族の一人が手を上げる。
こいつは長の側にいた奴だ。実力は分からないが先程の長に次いで大きい。
『お前が強いことはわかった。今ここにいる者は戦うことは望まない。』
カノンは少しホッとした。だが、蜥蜴人族は話を続ける。
『しかし、お前は竜王様の眷族に手を出した。竜王様がこのまま黙っているはずはないぞ。恐らく、今頃は眷族が殺られた事を感じているはずだ。お前達人間の住む場所なんぞ一瞬で塵にされるだろう。』
これは、ある程度予想していた。この一族に手を挙げてしまえば竜王との戦いは避けては通れないだろうと。しかし、あのまま引く訳にもいかなかった。引けばいずれはコイツ達はシザの村まで攻めてくる。どうせ、戦うことになるのなら先手で戦力を削る!
『わかった!俺は逃げも隠れもしない!竜王の所に連れていけ!』
その蜥蜴人族は驚ろき、呆気にとられている。まさか、自分から竜王の所に連れていけと言ってくるとは全く思っていなかった。
蜥蜴人族は考える。たしかにコイツは強い。我々蜥蜴人族では個々で勝てる者はいない。それに、コイツはまだ実力を隠している。今、一族に総攻撃を指示しないのはその為だ。もしかすると、一族全員でかかっても勝てない可能性がある。その危惧が頭から離れないのであった。
だがそれでもコイツは竜王様には勝てない。
一度竜王様の戦いを見たことがある。相手は1000体の妖虎。妖虎は末端の者でも、眷族の長と同等の力があった。それが1000体。なかには、それ以上の実力を持つ個体も混じっていた。
だが、勝負は一瞬で終わった。
竜王の吐息は妖虎を消し去り、竜王の爪は触れるだけで妖虎を切り裂く。初めは自信満々だった妖虎達は阿鼻叫喚し命乞いを始めた程であった。
しかし、竜王は全ての妖虎に死を与えた。
蜥蜴人族は少し考える。
『わかった。案内しよう。だから、他の一族の者には手をあげないでほしい。』
蜥蜴人族は交換条件のつもりだったんだろう。もとよりカノンはそんなつもりはなかった。
『いいだろう。では、直ぐに案内してくれ。』
カノンはギネの方へ向かって歩き出す。
『ギネ、大丈夫か?』
『あぁ。すまない。だか、流石は魔獣の王。やはり、俺のにらんだ通りの実力だ。お主に、、、いや、あなた様に2度も借りが出来てしまった。これから先、いやっ、長い間では無いかも知れないな。だが、例え竜王相手でもあなたに付いていくつもりだ・・・・。』
ギネは頭をたれ服従する。
カノンは照れながらギネに声を掛ける。
『こちらこそ宜しく頼む。出来るだけ、説明はするつもりだが戦いになれば力を貸してくれ。』
ギネとダークウルフの群れは改めえて忠誠を誓うのであった。




