プロローグ~前世・少年期
わたくし作者のクリスエスと申します。
この度は私の処女作であります【異世界転生魔物調教師~魔獣と魔物と俺物語~】に来ていただきありがとうございます。初めて作品になりますので誤字・脱字、表現の悪さ、設定の食い違いなどあるかもしれません。まずは初めにお詫び申し上げます。
ですがこの作品、作者としましては大切に育てていこうと思っている物でございます。皆様に少しでも喜んでいただけるよう頑張ってまいりますので今後ともよろしくお願いいたします。
また、以前よりこの作品を読んで頂いている皆さん、今回新たに再投稿したにも関わらずわたくしの作品へ関心を持っていただき感謝の念にたえません。
改めてお礼申し上げます。
でわでわ、そろそろ本文をお楽しみください!
あっ!ブックマーク、文章評価、ストーリー評価をしていただけると作者としましては一層励みになります。お手数ではございますが何卒よろしくお願いいたします。合わせまして、感想、ご意見もお待ちしております。重ね重ねよろしくお願いいたします。
僕の名前は茂木一彦。
僕は産まれたときから体が弱く小さい頃から友達と遊ぶことも出来ず1日のほとんどを家で過ごしていました。
する事といったらゲームをしたり漫画本を読んだり・・・・。
「ただいま~。」
中年の男性がネクタイを緩めながら帰宅する。すぐにでもスーツを脱ぎ捨て楽な格好になりたいのだが、昼間の疲れを癒す為にまずはビールを探しに台所へ直行する。
台所には妻であろう女性が何やら考え込んでる様子で座っていた。男性はドキッとした。いつもならば、早くスーツをハンガーに掛けないとシワになるとか、靴下はすぐに洗濯機に入れろとか言われるからである。
「ただいま。どうした?具合悪いのか?」
男性は様子を伺いながらも冷蔵庫へ手をかけた。
「一彦のことよ。あの子今日も1日ゲームばかりしてたわ。このままじゃ将来が心配だわ。」
女性は深いため息をつく。
男性はあぁ、そのことか、と思い冷蔵庫を開けビールを手に取る。
「勉強もしてるんだろ?この間の通信簿も俺の子供の時に比べたら立派なもんだったぞ。」プシュッ。
冷えた缶ビールを開けグイッと一口飲む。
「成績はいいのよ。でも、通信簿の生活の欄にも書いてあったでしょ。大人しい性格の為か友達が作れず一人で過ごすことが多いって。あの子このままじゃ変な大人になってしまうわ。」
母親は少し涙目になり夫を見上げる。
父親はビールを飲んでいることに少しばつの悪さを感じながら妻の正面に座る。
「・・うーん、イジメとかではないんだろ?学校には毎日行ってるし、そのうち友達もできるだろ?」
真剣な表情は崩さないように気を付け、グイッとビールを飲む。
「パパ!あの子、来年は中学生よ!それなのに友達が一人もいないなんて・・・せめて、ゲームやら漫画をやめさせないと。あれじゃあ、ゲーム中毒よ!」
母親は少しヒステリーに大きな声になる。
「中毒って、そんな大袈裟な。」
ギロッと妻に睨まれ、目をそらしビールを飲む。
「あなたがそんなんだから一彦もゲームばっかりやってるのよ!何か他の事をやらせないとあの子が駄目になってしまうわ。」
父親は空のビール缶を持ちながら考える。
(2本目飲みたいが今、取ったら怒られそうだな。。。。
何か答えださなきゃ、2本目いけないよな。
うーん、一彦が夢中なりそうな物。
一彦が好きなもの・・・・
うーん、・・・あっ!)
「あのさ、こういうのはどう???」
どさくさに紛れてもう一本缶ビールを手に取る。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
僕はゲームが好きだ。何故なら一人でも楽しめるからだ。同じ理由で本を読むのも好きだ。基本は漫画本だが小説や図鑑なんかもたまに見る。
親は友達を作った方が良いと言うが別にいなくてもいい。だって、今のままで幸せなのだから。
少年がカーテンを開ける。外は真っ白な銀世界。朝日が反射し光の世界にいるようだ。昨日から降り続けた雪はここ30年で一番の積雪量だったらしく、既に迎えの家のオヤジは雪掻きを始めている。
今日はクリスマス。すでにこの世にサンタクロースというものがいないことは知っている。親には最新のゲームソフトを3本お願いしてある。今は冬休みだから今日は新作ソフトを1日やってられる。
少年はいつもより少しウキウキした気分で自分の部屋から台所へ向かう。
「おはよう。ママ、クリスマスプレゼントは?」
母親は朝食を作る手を休めない。
「リビングにパパいるからパパに聞いてみて。」
ん????あぁ、今日は日曜日か。でも、いつもはママからプレゼント貰うのにパパに聞けなんて珍しいな。。そんな疑問をもちつつ、リビングに向かうと父親が新聞を広げながらテレビを見ている。
「おはよう。パパ、ママがパパからクリスマスプレゼント貰えって言われたけど、どこにあるの?」
父親はニコッと笑いテレビ台の引き出しから綺麗にラッピングされた物を取り出す。
「ホイッ、あんまりやり過ぎるなよ。」
少年は父親の投げたプレゼントを慌てて受けとる。
(おい!ゲームソフト投げるなよ!壊れちゃうだろ!)
少年は勘弁してくれという表情でラッピングを雑に開ける。それでも、次第に顔はにやけてくる。中身を知っていてもプレゼントを開ける時というのはいつになっても楽しいものだ。中には人目で新品とわかるゲームソフトが1つ入っていた。
瞬間、少年の表情が曇る。
「えっ?パパ、あと2つは?」
父親は部屋の隅から大きな布を被せた何かをテーブルに置く。
「一彦の一番欲しかったソフトはそれだろ?残りのプレゼントはこれだ」
父親は布を被せた物を指差した。
僕の後ろには母親がタオルで手をふきながら笑顔で立っている。
僕は嘘だろ・・・と不機嫌な顔をする。たしかに一番欲しかったソフトはこれで間違いない。もし、プレゼントは1つだけだからどれか選べと言われれば間違いなくこれを選ぶ。しかし、今回は話が違う。何故なら12月31日生まれの僕は毎年、クリスマスプレゼントは誕生日プレゼントと一緒になっているので多少高額な物でも買って貰えるのだ。実際、今年は新品ゲームソフト3本をお願いした時にオッケーをママからもらっている。
それなのに、楽しみにしていた残り2つのゲームソフトがなんだかわからない物に変えられているのだ。
いくら、親が良かれて思って変えたとしてもこれは酷すぎる。僕は怒りと失望と悲しさでうつむいてしまった。
両親はなぜこんな事をしたんだろう。たしかに、ゲームばかりやっている自分を心配してたのは知っている。だけど、約束を破ってまで自分に別な物をプレゼントする考えが理解出来ない。いくら二人がゲームソフトより良い物だと思っていても自分は絶対に気に入らないはずだ。今の自分に新作ゲームソフト以上の物なんてあるはずがない!
頭のなかで親に対する文句が次から次へと溢れ出す!僕は下を向き何度も思う。新作ゲームソフト以上の物なんかない!
「ワン!」
えっ!?
あまりにもびっくりして顔を上げる。
小さい茶色の物体がパパに抱かれている。
ハァハァと小さいベロを出しこちらを見ている。
「さぁ、お兄ちゃんだぞ~。挨拶して来なさい~。」
パパからその物体が僕に渡される。暴れる様子もなくハァハァ言いながらこっちを見てくる。キラキラした愛らしい目。
小さな手足はぬいぐるみのようだ。
びっくりした様子の僕にママが言う。
「一彦、お兄ちゃんなんだから名前付けてあげて」
えっ!?僕が?
うーん、今、頭の中は大混乱だ。先程の怒りや悲しみはすでに無い。
君はプレゼント?ペット?弟?えーと、名前?うーん。目が合う、ジーと見つめてくる。僕が恥ずかしく目をそらす。毛並みに目が止まる。綺麗な光沢のある茶色だ。茶色。ブラウン?
「ブランってどう?」
初めて頭を撫でてみる。仔犬は気持ち良さそうにつぶらな目を閉じる。
「いいわね、ブラン。一彦が名前を付けたんだからちゃんと弟の面倒見るのよ」
「うん、わかった!」
両親は上手くいったと顔を合わせニコッとする。
僕に初めてのペットと子分と友達と弟が出来た。
その日は1日ブランと一緒にいた。ボールで遊んだり、かくれんぼしたり。今まで出来なかった遊び、学校で同級生が休み時間にやっているあの遊びを思い出しながらとにかく一緒に遊んだ。
あっという間の1日だった。
すでにブランは疲れて先にハウスで寝ている。
僕もベットで寝るが体は疲れているのに今日の楽しかった1日が頭から離れない。そして、明日は何をして遊ぼうか考えワクワクする。
そのうち段々と睡魔がやってくる。
今日、最後に思うことは
あぁ新作ゲームソフトより良いものだったなぁ~だった。