鳥ハ羽バタカナイ
初めまして、氷崎煉歌と申します。
今回連載させていただく「籠ノ中ノ鳥ハ溺レル」は私の処女作となる作品です。
一部過激なシーンがありますのでご注意ください。また、兄妹愛を描いた作品となっているので苦手な方は戻ることをお勧め致します。
拙い文章ではありますがお楽しみ頂ければ幸いです。
それでは物語に移りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
「綺麗な景色……」
普通の人ならば、夜の東京の夜景など美しくは思わないだろう。いつもの日常の景色なのだから。
けれども、私には小さな窓から見えるものは全て綺麗に見える。私の日常に普通などは無い。
「じゃら…… じゃら……」
私には自由はない。
両手には異様な存在感を示しながら光る銀色の手錠、両足には黒光りしている足枷。
ーー私は折れた羽を持った鳥、 ただ飼い主が帰ってくるのを待つことしかできない。
ーーそんな中現れた貴方は私に希望という名の羽を在り処を教えてくれた人でした。
ーー ……けれども、飼い主はその僅かに生えた羽さえも折ってしまう。
ーー 私は一生このままなの……?
そんなの嫌だ…… ここから私を飛び立たせて……! 待つだけのこんな人生嫌だよ……
これは狂った愛と純粋な愛の狭間で揺れる一人の女の物語。
「ただいま、僕の凛音」
また、地獄のような一日が始まる。