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掌編

いいよ

作者: 歩歩

前に書いた短すぎる奴パート4

(続いてはいません)

嫌なら辞めればいいじゃないか。


辛いなら泣けばいいじゃないか。


苦しいなら逃げればいいじゃないか。


大丈夫。誰も君を責めたりしない。


ボクラは君を受け止めてあげよう。


いいよ。いいよ。いいんだよ。


楽しければいいじゃないか。


面白ければいいじゃないか。


立ち向かう事なんて、どこぞの無謀な勇者様に任せておけばいいんだ。


ボクラ、みたいななぁんにもできない人間は


精々他人に迷惑かけて


精々他人を馬鹿にして


飲んで食らって遊んでずぅっとずぅっとそんな風に。


面白おかしく生きていこうよ。


他人の評価なんて気にするな。


人間は他人を見下したくって仕方ない。


馬鹿にしたくって仕方ない生き物なんだ。


精々馬鹿にされて見下されて、屑みたいに生きていこうよ。


社会のごみと言われようが、楽しけりゃそれでいいじゃないか。


人間のクズと言われようが、面白きゃそれでいいじゃないか。


でも、もしも


他人じゃなく。他人じゃぁなく君自身の中に。


そうやってクズみたいな生き方を責めるような


罪悪感を持つような


意味もない、ちゃちな正義感とか


善い心っていうやつがさ


どんなにちっぽけでも、ダニみたいにちっちゃくても。


ほんの少しのそういう心のかけらがどこかにあるならさ。


それを無視しないほうがいい。


楽しむだけの生活が


面白いだけの生活が


いつか君の苦痛に変わっちまうよ。


楽しみも面白みも快楽も。


苦痛に変わっちまったらそれこそ生きる意味もない。


社会のごみだろうが、人間のクズだろうが


ボクラ一応人間だが


君、人間ですらなくなっちゃうぜ?


死ぬしかなくなっちゃうぜ?


ほら、選べよ。


君は今瀬戸際にいるのさ。


ほら、早く。


ボクの気持ちが変わらないうちにさ。


ボクは君を助けようとしてるんだぜ?


悪魔みたいな甘い戯言ささやいて


ボクは君に唯一の、救いの手を差し伸べているのさ。


つっぱねるも手を取るも


君は自由だ。


さあ選べよ。


苦痛の末の幸せか。永遠の苦痛か。怠惰の末の死か。永遠の愉悦か。


さあ選べよ。


碌がなかろうが、辛かろうが、意味が無かろうが。


憎まれ口たたかれようが、褒められようが、罵倒されようが。


幸せになろうが、不幸になろうが、何にもなかろうが


極楽に昇ろうが、地獄に堕ちようが、未練がましく夢にすがろうが。


君は後悔しちゃぁいけないのさ。


君は今、人生をそれこそ覆す究極の位置にいるんだよ


なあ


さっさと選べよ


愚か者。


何にもできやしない平々凡々な人間の癖に


夢見て理想見て現実がいやになっちゃった大馬鹿野郎。


ボクラクズに仲間入りするか


エリートぶってる一般人に一生こき使われるか


速く選べよな。






見捨てちまうよ?


でも誰よりやさしい事言ってくれてると思う。

たとえ勇気も正義も全否定しているとしても。

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