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  ☆  第96話 消臭剤

 あれは僕が心霊現象に悩まされていた時だった。友人の一人に自分で解決したことがあるという奴がいたので、その方法を指南してもらうことにした。

 その方法は至って簡単で、市販されている除菌消臭のスプレーを霊が出るところに撒くだけだという。


 ネットで出回っている都市伝説の一つらしいが、夜中に現れる幽霊に貴重な睡眠時間を削られていた僕は藁にもすがる思いでそれを実践した。用意したのはそのメーカーで最も強力な除菌消臭スプレーだ。

 しかし、その晩もやはり幽霊は現れた。

 玄関をドンドンとノックし、安眠を妨害する。




 翌日、期待を裏切られたという思いもあって友人に詰め寄った。どんな風に撒いたのかと聞くので、普通に四、五回レバーを引いたのだと答える。

 すると友人は「それなら効くはずがない」と一笑に付した。


 どういうことか全く分からなかったので友人に家までついてきてもらうことにした。

 問題の玄関に着くなり友人は目ざとく消臭スプレーを見つけ、それを手に取る。

 おもむろにスプレー部分を外すと、中の液体を玄関にぶちまけた。


「こういうのはな、質より量なんだよ!」




 それ以降、本当に幽霊が現れることはなくなった。しかし、消臭剤の臭いは隣家にまで及び、僕は管理会社の人にこっぴどく叱られた。

お題提供:ムッシュ志乃さま

(元のお題:「ファブリーズは霊に効く」という実在する都市伝説)

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