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  ☆  第11話 放課後の職員会議

「……では、遠藤先生のクラスはどうですか?」


 時刻は午後七時を少し回った頃だった。子供たちはとうに学校を出て、家で夕飯でも食べている頃だろう。そんな時間からの会議にもかかわらず、すべての教員たちが会議室に集まっている。

 普段は早々に帰っていくような者も、今日の会議には皆、である。


「ええ……うちは九番と十四番、それと……五十三番ですね」


 指名された教師は難しい顔をしながら名簿を睨み、答えた。


「また十四番か……参ったな……。仕方ない!」


 バン、と万札を三枚机に叩きつける。他にも数人の教師が同様に悔しそうな表情で札を三枚、机の上に置く。机の上の札を校長自ら回収して回り、札を出したのとは違う教師の元へ配って歩く。


 これは一種の賭博であった。

 毎回職員たちが題を決め、それに該当する自分のクラスの生徒を三名ずつ選出する。その生徒の出席番号と自分が指定した番号が一致すれば勝ちで、この賭博にのめりこむ教師も少なくはなかった。


 二クラス×三学年で構成されるこの学校では、毎回二クラスの担任がディーラーを勤め、月に一度のペースでこの賭博を行っている。


 生徒に関する情報を、持っていれば持っているほど有利であるこのゲームのおかげで、この学校は市内有数の『子供に理解のあるよい教師』の多くいる学校として高い評価を得た。

 そして、今やその学校は市外からも進学希望者が多く集まる難関名門中学校となっていると言う。これはまた、何と因果な話であろう……。

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