授業で間違えてAVを流したらモテ期到来した件!
オレの名前は堅井大我。
25歳の数学教師だ。東大出身の童貞である。
断じて女嫌いではない。
10代の頃は勉強に熱中しすぎて女子と交際をしなかった。
そのまま彼女いない歴が続いてしまう。
女性との接し方はいまだにぜんぜんわからん。
話しかけられても必要なことだけを話して逃げている。
いまさら清い男女交際をいちから学ぶつもりはない。
両親が30歳になれば若く美しく堅井家にふさわしい結婚相手を用意してくれるというのでそれを待つ。
あとたったの5年だ。
30歳まで童貞だと魔法が使えるようになるという都市伝説を自身で実験できるのでワクワクしていた。
実家は大豪邸で家には執事とメイドと運転手がいる。
父は石油会社の社長だが跡を継ぐつもりはない。
弟がいるので弟が継ぐだろう。
オレは教師という職業が好きなので一生教師を続けるつもりだ。
両親も納得している。
いまは両親のすすめでボロアパートの一室に住んでいる。
人生修行だ。
貧しい人間の気持ちを知るのも大事なことだからな。
家事も自分でできるほうがいい。
結婚すれば大豪邸を両親は用意してくれるという。
オレには明るい未来が待っている。
学校生活は楽しかった。
生徒たちの成長が近くで見れるのがよい。
毎日、青春映画を観ているようだ。
オレの数学の授業はわかりやすいと評判で勉強熱心な生徒からの人気が高い。
点数が悪い生徒には放課後、補修で丁寧に教えて点数を伸ばす手伝いをしている。
まじめなので校長や同僚教師からも評判はいい。
「堅井先生はまじめすぎる。たまに冗談とか言ったほうがもっと生徒に人気でますよ」
そういうアドバイスをくれる同僚もいるが、オレは冗談が苦手だ。
冗談を言わない家庭で育った。
テレビも教育番組とニュースだけを放送するチャンネルに固定してある。
家族は大声で笑うことはなく寡黙だった。
微笑むぐらいはしたかもしれない。
まわりの友だちもまじめで冗談を言うようなひょうきんものは1人もいない。
なので冗談を言っていいのはテレビのなかの芸人だけだと思っていた。
どこかで冗談を言っていいライセンスが配られていてきびしいお笑い試験を合格した者だけが冗談を言ってもいいのだと本気で信じていた。
だから修学旅行で大阪に行った時はびっくりした。
一般人でも平気で冗談を言い合ってる。
冗談は一般人でも言っていいのだとその時、気づいた。
とはいえ冗談というスキルはオレには身につかなかった。
オレの人生に必要ないものだ。
冗談とはウソをつくことだからな。
心に思ってないことを言うのは卑怯だ。
数学はウソをつかない。とても誠実だ。
オレが数学が好きな理由だ。
世の中はウソつきが多すぎる。詐欺も蔓延している。
数学のようなウソのない世界が望ましい。
鉄板の上を歩くような人生を歩んでいたある日、オレは人生最大の失敗をしてしまう。
授業で生徒たちにあやまってアダルトビデオを見せてしまったのだ!
オレが編集した世界的に有名な数学教授たちを紹介するDVDを見せるつもりがオレの1番好きなアダルトビデオを流してしまったのである。
授業用のDVDには油性ペンでタイトルを書いていたのだが、間違えてアダルトビデオのDVDに教材と書いてしまっていた。
タイトルは『禁断の筆おろし』だ。
女子高生が童貞の教師を襲うという内容だ。
高校教師がこれを観ているのはマジでやばい。
早く停止ボタンを押そうとしたがあせって消せず1分も流れてしまった。
オレは生徒に自習を命じて赤面して飛び出す。
その日は体調不良という理由で早退した。
オレの大失態はすぐに学校中のウワサとなる。
いや、ネットで拡散されて日本中のウワサになった。
翌朝、オレは生徒たちに謝罪する。
「しょくん、昨日はすまなかったな。
わざとではないがハレンチなものをお見せしてしまった。
軽蔑してくれて構わない。オレは人間のクズだ。
正直、恥ずかしすぎて屋上から飛び降りて自殺しようかとおもったがやめた。
みんなも恥ずかしい思いをして死にたいと思う時が来るかもしれない。
だが、それはぜったいにやめろ。
ひとは恥をかいても生きていかなければならないのだ。
開き直れ。
いたたまれないなら転校してもいい。
どんな恥ずかしい思いをして心が傷ついても命を投げ出してはいけない。
これが最後の教えだ。
オレは学校を去る」
生徒たちにとびっきりの笑顔を浮かべて見せた。
我が教師人生にいっぺんの悔いなし。さらば。
「先生!学校を辞めないでください!」
生徒の1人が勢いよく立ち上がった。
オレは目を見開く。
「ボクらは先生を見直しました。
チャイムと同時に入ってくるしぜんぜん笑わないし冗談も言わないしロボットみたいな人間だと思ってました。
女子生徒にも必要以上に近づかないから女嫌いだって思ってたし、
補修も生徒のためじゃなくて自分の評価が落ちるのが嫌で教えているんだって思ってました。
血じゃなくて水が流れているんだと勘違いしてました。
でも、先生は性欲を持て余した1人の人間だった。
恥をかいても逃げ出さずヘラヘラ笑ってごまかさず誠実に謝罪して命の尊さを教えてくれました。
こんなに生徒思いのいい先生を見たことありません!」
ほかの生徒たちも全員立ち上がる。
「先生辞めないで!」
「えっちなビデオなんてみんな観てるよ!」
「童貞バンザイっ!」
教室に拍手が巻き起こった。
オレはあふれる涙を止めることができなかった。
ホームルームが終わり校長室に向かった。
「生徒たちに謝りました。
辞めるのが筋ですが、慰留を懇願されたので学校に残していただければ幸いです」
直立不動で深く頭を下げる。
「辞める必要なんてないよちみぃ。ま、これからは気を付けてくれたまえ」
校長はオレの肩に手をポンと置いた。
「ワシも若い頃は裏ビデオをいっぱい持っておったよ。ほっほっほっ」
「お気遣いありがとうございます」
職員室に戻る。
同僚の教師たちは話しかけづらそうだ。
彼らの考えてることはわかっている。
「ムッツリスケベの見本だな。スケベ大魔王って呼ぼうぜwww」
こんなところだろう。
笑わば笑え。
オレは恥を背負って生きていく。
生徒たちに生き恥をさらして生きる男の背中を見せ続けてやる。
翌日、メガネをコンタクトにして七三分けを崩してアロハシャツを着て登校した。
生徒たちは目を丸くする。
「おはようございます。先生どうしたのその格好?」
「イメチェンだ」
「チャラ男かっけぇ!」
「ナンバー1ホストみたい!」
なかなか好評だった。
いままでオレは自分を偽っていた。
ほんとは頭がエロい妄想でいっぱいだった。
女性が好きなのに女性が苦手で近づけない日々に悶々としていた。
欲求不満で性欲が爆発しそうだった。
念仏を唱えるように数式をつぶやくことで性欲を鎮め、
髪を七三分けに整えビシッとしたスーツに身を包むことでエロいことを考えているがバレないようにカモフラージュして生きてきた。
しかし、これがほんとうオレだ。
真面目に生きなくてはいけない、という鎖から解放されてほんとうの自分をさらけだしたとたんに人気が爆発した。
堅物の女性嫌いと思われて敬遠されていたが、高身長、高学歴、財閥の御曹司、童貞、女性の影がないハイスペックイケメンなこのオレがモテないはずがなかった。
たくさんの女子生徒から毎朝、ラブレターをもらうようになる。
親しみやすくなったのか生徒からの相談も増えた。
気の弱そうな生徒からいじめの相談を受ける。
「いじめられてるだと?
オレが代わりにぶん殴ってやる。
オレのそばにいろ。
そしたらいじめられん。
やり返すことも大事だぞ。いつもオレが守ってやれるわけじゃない。
やりすぎはだめだ。
こんな痛い思いや嫌な思いをするんだと思えば相手もいじめをやめるかもしれん。
いじめっ子は痛みがわからないから人を傷つける。
目をまっすぐ見ておまえが大好きな煉獄さんがこんなことをするのか?
というのもいいだろう。
アスラの沙汰を100回読め!とかな。
悪いやつは地獄で一兆年過ごせばいいんだ。
あとはめんどくさいやつだと思わせるのもいい手だぞ。
相手の親兄弟にも知らせるといい。
自分の両親だけでなく。
近所中に知らせろ。
きみの心がスッキリすることが大事なんだ。
オレはいつでもきみの味方だよ」
恋愛経験はないが恋愛相談も受けた。
「好きな子がいる?
当たって砕けろ!
いきなり告白するよりは手紙やプレゼントやデートで相手の気持ちを確認すべきだな。
ちょっとでも成功率を上げるべきだ。
手紙は絵を添えたりするといいらしいぞ。
簡単な絵は描けるようになったほうがいいな。
あと筋トレしたらいいんじゃないか」
勉強が嫌いだという生徒の相談も受けた。
「勉強が苦手でもいいんだ。好きなことで1番になれ。
人に優しい人間が1番偉い。
オレは気の弱い人や心の弱い人にどういう風に接すかでその人を評価している。
学歴や資産額や勤め先という尺度で人を測るな」
オレはつねに笑顔でいるように心がけて冗談も勉強した。
試しに生徒の前で披露する。
「このまえ散歩してたら手袋が干してあってな。
風のイタズラなのか真ん中の指がきれいに立ってたんだ。
ピースサインに変えてあげたよ。
そしたらちょーどそこに自転車に乗った警察官が通りかかってきみなにしてるんだ?
って聞いてくるから街の平和を守ってるんですって答えたら
ちょっと署まで来てもらおうかって言われて全力で走って逃げたよ」
肩をすくめて見せると教室は爆笑に包まれた。
笑いを浴びるのは気持ちいい。
すべるのを恐れずにこれからも冗談は言おう。
充実した日々を送っていたある雨の晩、アパートのチャイムがなる。
クラスの女子生徒が1人立っていた。
名前は鈴都城愛くん。そうとうな美少女である。
もじもじと上目遣いに見つめてくる。
「わかんない問題があって教えてほしくて来ました」
外は雨だ。
愛くんはカサを持ってなかったのか髪が濡れている。
オレは部屋に入れてシャワーを勧めた。
バスタオルと着替えを用意した。
愛くんはバスタオルを巻いたまま出てくると電気を薄暗くしてオレに抱きつてくる、
「先生って女子高生好きなんですよね?
あたしはじめては先生がいいなってずっと思ってたんです」
強引にベッドの上に押し倒される。
「愛くんダメだ。教師と生徒がこんなことするのは良くない!」
「あのビデオの通りにしてあげます」
オレは抵抗しようとしたが、愛くんの力は想像以上に強かった。
跳ね除けようと思えばできたかもしれないがけっきょくオレは欲望に負けて抵抗をやめてしまう。
「先生のはじめてもらっちゃった♡」
事後、愛くんは満足そうな笑みを浮かべる。
オレは用意していたシチューを愛くんに振る舞い自宅まで相合傘で送って行った。
「ありがとうございました♩」
愛くんは敬礼して家に入って行く。
やってしまった。
これは責任をとって愛くんと結婚せねばならんな。
頭をかきながら家路につく。
次の日、晩ご飯のカレーを準備をしているとチャイムが鳴った。
また愛くんかと思いきや生徒の保護者だ。
「堅井先生。うちの子の進路のことで相談があるんです」
色っぽい美女の正体は愛くんの母親だ。
シングルマザーだと聞いている。
結婚式の帰りのようなオシャレな格好だ。
進路の相談といいながらじつはオレが愛くんと関係を持ったことを追求しにきたのだろうか?
少し鼓動が早まる。
部屋に上がってもらった。
「どこでも好きなところに座ってください」
「では」
愛くんのお母さんはベッドに腰かける。
薄い座布団は嫌だったんだな。
「先生はこちらに」
ポンと横を叩かれたのでオレは彼女のとなりに座る。
「それで何のご用でしょうか?愛くんのお母さん」
「真美と呼んでください」
「真美さん」
真美さんはオレの手を握った。
ドキッとする。
気づくと唇を奪われて押し倒されていた。
「愛から聞きました。先生は童貞だって。私が女を教えてさしあげます」
「じつはもう童貞ではないんです。昨夜、愛くんが訪ねてきて童貞を捧げてしまいました」
「あら?娘に先を越されちゃったのね。親子だから好みが似るのね。
でもいいわ。参観日の時から素敵な殿方だと思っていましたの。逃しません」
「ダメです!やめてください!ああ・・・」
オレは誘惑に負けてしまった。
「うふ。とってもかわいかったですよ先生♡」
事後、ピロートークに花を咲かせたあと真美さんにカレーを振る舞った。
「とても美味しかったです。ごちそうさま。今度は私が手料理を振る舞います。何がお好きですか?」
「煮物が好きです」
「カレイの煮付けと肉じゃがを作ります♩」
遅いので自宅まで送る。
真美さんはご機嫌な足取りで自宅に入って行った。
生徒だけじゃなく生徒の母親とも交わるなんてオレは最低の男だ。
強い後悔と罪悪感が襲ってくる。
次の日の晩、たこ焼きを作っているとまたチャイムが鳴った。
「素行の悪い生徒のことで相談があるんだ」
尋ねてきたのは同僚の薫先生だ。
凛々しいのでスカートではなくズボンのスーツがよく似合っていてる。
薫先生は硬派で男のウワサがぜんぜんない。
剣道部の顧問なのでいい寄ってくる男は斬って捨ててる。
今夜は貞操を守ることができそうだ。
本来、将来を誓った恋人同士でしか交わってはならない。
なん人もの女性と情交などしてはならないのだ。
風紀が乱れる。不道徳だ。
それだけじゃない。
オレが不特定多数の異性と交わりたくないのは理由がある。
病気の心配もあるが、大学時代、千人斬りを自慢する男をはじめ多くの異性と交わった男女を追跡すると軒並み不幸になっていることがわかりその原因はなんなのか研究することにした。
たくさんの遊び人を調査研究した結果を発表しよう。
世の中にはアゲマン、アゲチン、サゲマン、サゲチンがいる。
不特定多数と交わるとその中に必ずド級のサゲマン、サゲチンが必ず混じっているのだ。
とんでもない不運をもらってしまうのだ。
さらにサゲチンやサゲマンと性交で縁を結んでしまったら運が悪くなるだけじゃなく、その後も不運が長く尾を引く。
縁を結んだ相手が不幸になればなるほどこちらも影響を受けて不幸になるのだ。
ワンナイトラブだからその後のフォローもできない。
長く付き合うなら相手の運を良くしてあげることができるかもしれない。
やさしく導いて相手を泥沼から救い出すことができるかもしれない。
ワンナイトラブだと相手は運が悪いままだ。
こうなれば自然に縁が切れるのを待つか縁切り神社で縁を切るなど対策がいる。
かなりめんどうな事態になるから交わると異性は吟味するべきなのだ。
スピリチュアル的だが、これがオレの研究成果だ。
丸テーブルに向き合って座る。
距離があるしこれなら間違いは起きない。
油断していると薫先生はてテーブルから身を乗り出してキスしてきた。
「か、薫先生何を?」
「好きだ!お互い初物同士一戦交えよう!」
「いや、じつはすでに童貞を奪われてしまったんだ。不純なオレは純潔のきみにふさわしくない」
「くっ、もたもたしていたら出遅れたか。でも、あたしを大事に想ってくれるきみがますます好きになったよ。あたしは男性経験がない。リードしてくれ」
「しかし・・・」
「女に恥をかかせるな」
圧に押されてオレは薫先生と情交を交わした。
「好きな人とひとつになるっていいもんだな。前の堅井先生も好きだったが、今の生まれ変わった堅井先生はもっと好きだ」
事後、たこ焼きをふるまう。
もう遅いので家まで送って行く。
「たこ焼きとても美味しかった。ごちそうさま。今度はあたしがお好み焼きを作るよ」
薫先生はかわいく手を振ってマンションに入って行った。
それから3人は連日、オレのボロアパートに通ってくるようになる。
鉢合わせした時は、いっしょに相手をした。
ケンカにならなくて助かる。
「同じ男を愛した女は友だ」
と薫先生は言っていた。
愛くんも真美さんも同じ考えのようだ。
幸せな時間をオレたちは共有した。
1ヶ月後の放課後、オレは体育館に呼び出される。
体育館に入るとなんと裁判所のようになっていた!
裁判長はPTA会長だ。
保護者である6人の裁判員が座っている。
傍聴席は生徒と保護者で埋め尽くされていた。
「被告人はこちらへ」
生徒会長に被告人席へ案内される。
心当たりはある。
オレの部屋に女性がひんぱんに出入りしていることをだれかにチクられたのだろう。
裁判長はガベルを打ち鳴らした。
「それでは開廷します。被告人は前に出てください」
同僚の男性教師が髪を振り乱してオレの罪を追求しはじめる。
国語教師の悪山だ。
清潔感がないし太っているので女性からの人気は低い。
「堅井先生は判明しているだけでも3人の女性と淫らな関係にあります!
教師である立場を利用して被害者たちをアパートに誘い込んだのです!
そのうち2人は生徒と生徒の保護者だ!
親子丼ですよ!?
これは道徳的にかなり問題がある!
ただれた関係を許してしまえば社会の風紀が乱れてしまう!
生徒たちも大人を信用しなくなります!」
悪山はオレをにらみつけ吐き捨てるように言った。
「キサマはハレンチすぎる!教師を辞めるべきだ!この性獣め!
教師という立場を利用して女性を食いものにしやがって!
性加害者は聖職にふさわしくない!」
傍聴している生徒や保護者たちは同意の声をあげる。
PTA会長はガベルを鳴らした。
「みなさんご静粛に。堅井先生、あなたに弁護士はいない。御自身で弁明なさい」
無実のオレは叫ぶ。
「証人を呼んでください!
オレは女性を毒牙にかけたりなんかしてない!
すべて同意の上だ!」
「被害者たちはあなたに洗脳されているかもしれない。
保健室に勾留しています」
なんてこった。
これじゃ味方してくれる人間はゼロだ。
悪山は醜い笑みを浮かべていた。
すべてこいつが仕組んだのか。
3人との関係をチクったのもコイツだな。
性格の悪さは顔に現れるというがほんとうらしい。
ここで有罪判決を受ければ身柄を拘束されて警察を呼ばれる。
悪山は不同意性行罪でオレを嵌めるつもりだ。
教育現場の信頼を大きく揺るがす行為なので同種の一般犯罪の相場に比べて重い判決が出るだろう。
ここで何を訴えるかで運命が決まる。
覚悟を決めたオレは傍聴席の裁判員に向かって訴えかける。
「みなさん考えてください!
性欲をもてあまし処女であることがバレてしまった美しい女性教師が毎晩、魅力的な男性たちの訪問を受け強引に押し倒されてしまったら・・・はたして被害者はどちらでしょう?」
厳しかった裁判官や裁判員の表情が一変した。
体育館の雰囲気も変わる。
刺すような視線がやわらいだのを感じた。
男だから性加害者という固定観念を捨てて公平な目線でジャッジして欲しい。
オレの弁明は終わりだ。
「この場で採決をとります。被告人が有罪だと思う者、挙手しなさい」
裁判官、裁判長、だれからも手が上がらない。
裁判官はガベルを強く打ち鳴らした。
「被告人を無罪とする」
嵐のような拍手喝采が巻き起こる。
悪山だけが愕然としていた。
裁判長は咳払いしてガベルを打ち鳴らす。
「オッホン。みなさまご静粛に」
オレは今回の裁判を画策した悪山に向き直った。
「悪山先生。あなたはオレに嫉妬しているだけだ!
人生で一度も女にモテたことがないからうらやましいんだろ?
オレの部屋に忍び込みDVDを差し替えたのもあなただ!
消しペンでタイトルを書き換えたな!」
オレを失脚させるために!」
「バカな!言いがかりだ!」
「じつは防犯カメラを仕掛けていた。
オレのアパートの周りを深夜にうろつくあなたの姿が映っている」
「だからなんだ?
ドスケベなキサマが乙女たちを毒牙にかけているかもしれないから警戒して巡回していただけだ。
いかがわしい真似をする教師がいると学校の評判が悪くなるからな。
僕がDVDに細工した証拠などない」
悪山は自信満々だ。
その自信を突き崩す。
「東大の友人に警視庁に勤めている者がいてな。
父親が警視総監なのでDVDの指紋を調べてもらった。
お前の指紋がベッタリついていたぞ。
ないないで解決しておおやけにはしないつもりだったが、こうなっては仕方ない。
訴えて刑事事件にしてもらう」
動かぬ証拠に絶望した悪山は地面に座り込み手を合わせた。
「堅井先生!みなさん、許してください!
僕はただ堅井先生がうらやましかっただけなんですぅ!
あんな堅物がなんで影でモテるんだ!って悔しかったんです!
反省してます!生まれ変わります!」
涙と鼻水を垂れ流している。
同情を誘っているのが見え見えだ。
「オレの部屋に隠しカメラも仕掛けていたな。
隠し撮りした動画は家宅捜索で没収させてもらう。
このドスケベが!」
体育館がざわつく。
機転を利かせた裁判長は裁決をとる。
「被告人を有罪だと思う者、挙手せよ」
体育館にいるすべての者が挙手した。
1票持ってない生徒と保護者も意思を示している。
ガベルが打ち鳴らされた。
「被告人を有罪とする。
被告人を取り押さえてすぐに警察を呼びなさい」
「うわぁああああ!やめろぉおお!」
体育会系の部活の屈強な顧問たちが悪山を取り押さえる。
警察が呼ばれ大勢の記者が学校に駆けつけた。
悪山はお縄になりパトカーで連行される。
その後の刑事裁判で窃盗罪、住居侵入罪、信用毀損罪、撮影罪などで懲役5年の実刑判決を受けた。
教員免許もとり上げだ。もう2度と学舎の教壇に立つことはない。
「堅井先生ッ!」
愛くん、真美さん、薫先生が駆けつけてくる。
オレは3人と抱擁した。
日本の裁判では一度無罪が確定すれば、原則として同じ事件で再び裁かれることはない。
オレは堂々と3人と一緒に大豪邸で仲良く暮らした。
めでたしめでたし。
実際、間違ってアダルトビデオを授業中に流してしまう事件はあるみたいですね。
中国では女子高生が笑ってるので国によって許容範囲がちがうのかなぁ。




