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召喚する側になった転生者  作者: nekorovin2501


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3/3

第3話 残り48ヶ月 「道を開く者」

召喚から2ヶ月が経過した。

高倉翔の超加速農耕のおかげで、王都近郊の食糧事情は劇的に改善していた。

空腹で倒れる子供の姿が減り、

兵士たちの顔色も良くなった。

佐藤美咲の合成スキル『触診即断+任意薬剤即生成』は、

負傷者や病人の治療を革命的に変えた。

「感染症? 触ればわかる」「抗生剤? 今生成するわ」──

彼女の言葉一つで、かつて死に至ったはずの病が次々と治癒していく。

王宮の会議室では、

各国代表の目が輝き始めていた。

「占い師殿の導きは本物だ」

「次は……戦士を呼んでくれ!」

あなたは静かにスキルを発動させた。

星の流れが、穏やかだが確実に語りかける。

「……道を拓き、壁を築く魂。

 人々が繋がらなければ、どんな食糧も薬も届かない。

 インフラ・土木のチート持ちを呼ぶべきです。」

代表たちが息を飲む。

「道……? 橋か? 城壁か?」

あなたは頷き、タスクを提示した。

• 大陸の主要な河川から「最も強い流れの石」を1つずつ集めよ

• 召喚陣の周りに、鉄の棒を48本(残り月数を象徴)立てよ

• 儀式前夜に、全員で「未来への道を拓く」との誓いを立て、互いの手を握れ

「これをこなせば、精度が上がります。

 今回は……人々を繋ぐ力が強い人が来るはずです。」

準備期間はまた29日。

あなたは再び奔走した。

河川の急流に飛び込み、石を探す。

山岳地帯で鉄鉱石を掘り、鍛冶師に頼んで棒を鍛えさせる。

高倉と佐藤も協力してくれた。

高倉は汗を拭きながら言った。

「俺は土掘りなら得意だぜ。

 お前、最近顔色悪いな。

 無理すんなよ。」

佐藤はあなたの手を触診し、静かに言った。

「ストレスと疲労が溜まってるわ。

 薬を生成してあげるけど……根本は休養よ。」

あなたは苦笑した。

「ありがとうございます。

 でも、俺が止まるとカウントダウンが止まらないんです。

 死にたくないから……みんなを巻き込んでるんですけど。」

召喚日。

光が力強く広がり、

現れたのは──

ヘルメットをかぶった、がっしりした体格の男性。

年齢は30代半ば。

彼は周りを見回し、すぐに状況を察したらしい。

「……マジかよ。

 俺、今トンネル工事の現場で重機乗ってたのに……

 ヘルメットもそのままか。」

あなたはすぐに近づき、深く頭を下げた。

「本当に、ごめんなさい。

 俺が召喚しました。

 あなたは今、仕事中だったんですよね?

 家族や仲間が待ってるのに、突然引きずり込んでしまって……」

男性──田中健太は、ヘルメットを脱いでため息をついた。

「まあ……しょうがねえか。

 俺、前世で土木・インフラエンジニアやってた。

 橋、道路、トンネル、ダム……何でも作ってきた。

 今朝は家族に『今日も安全に仕事してくる』って言って出たばっかだよ。」

彼の声に、少し寂しさが混じっていた。

あなたはさらに頭を下げた。

「申し訳ありません。

 この世界は48ヶ月後に巨大な厄災で滅びるんです。

 俺も転生者で、死にたくない。

 食糧も医療も揃ってきたけど、人々が繋がらないと意味がない。

 だから、あなたの力が必要でした。

 ……許してください。」

田中は少し考えて、ゆっくり頷いた。

「……許すとかじゃねえよ。

 俺は元々、道を作って人を繋ぐのが仕事だった。

 ここでも同じだろ?

 ……それに、家族にはまた会えるって信じてる。

 生きて帰るために、頑張るさ。」

あなたは顔を上げた。

「ありがとうございます……!

 あなたの合成スキルは……?」

田中は自分の手を握りしめ、呟いた。

「前世との合成スキル:『構造即解析+任意建築加速』……

 見ただけで構造の弱点と最適設計がわかる。

 さらに、必要な資材があれば、建設速度を10倍以上に加速できる。

 ……ここじゃ、完全にチートだな。」

広間がどよめいた。

王族の一人が興奮して叫んだ。

「これで、河川の氾濫も、険しい山道も……!」

田中はヘルメットを被り直し、笑った。

「まずは地図見せてくれ。

 どこから道を拓く?

 俺はもう、動き出したい気分だぜ。」

高倉が肩を叩き、佐藤が微笑む。

あなたは胸の奥で呟いた。

(ごめん……そして、ありがとう。

 みんなが来てくれるから、俺はまだ諦めない。)

残り47ヶ月。

道が、少しずつ繋がり始めた。

(第3話 終わり)

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