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「小説家になろうラジオ大賞」シリーズ

最後の観覧車

作者: しゅうらい

 まだまだ暑い夏、大学生のゆかりは、恋人のまこととお茶をしていました。

「最近、ますます暑いねぇ」

「そうだな……」

 まことはスマホを操作していましたが、あることを思いだしました。

「そういえば、新しく遊園地ができたみたいだぜ」

「本当! 行ってみたい!」

「なら、今度の日曜日、一緒に行ってみるか」

「うん!」

 そして、日曜日になりました。

 ゆかりとまことは、いろんな乗り物に乗って遊びます。

 途中、レストランで食事をして、楽しい時間が過ぎていきました。

「はぁー、いろいろ乗ったし、けっこう食べたなぁ」

「ねぇ、最後はあれに乗ろうよ!」

 ゆかりが指さしたのは、大きな観覧車です。

「おっ、いいな。行こう行こう!」

 少し並んでいましたが、意外に早く、二人の番が来ました。

「次の方、どうぞ」

 ゆかりたちは、わくわくしながら乗ります。

 最初は二人とも、景色を楽しんでいました。

 すると、どこからかブーンという音が聞こえてきました。

「あれ、なんの音?」

 ゆかりが振り向くと、そこにいたのは……

「きゃぁーっ、ハチーっ?!」

 そこにいたのは、小さなハチでした。

 予想外の出来事に、ゆかりは大パニック!

 しかも、動いた振動で、機体が揺れ始めます。

「ゆかり、落ち着け!」

「いやーっ! 刺されたくない!」

「だから動くなって! 揺れるだろ!」

 機体は鈍い音を立てながら、左右に揺れていました。

 そしてまことは、ゆかりの肩を掴みます。

「頼むから、静かにしてくれ!」

 そう訴えたまことの顔は、とても青ざめていました。

 ゆかりが気がついて、周りを見れば、もうハチはいませんでした。

「あれ、いない?」

「多分、あそこから入ってきたんだろう……」

 二人が見上げると、換気のためか、小さな窓が開いていました。

 それから二人は、観覧車が一周するまで、一言もしゃべりませんでした。

 やがて下まで来た時、やっとまことが口を開きました。

「俺たち、別れようぜ……」

「えっ……」

 それだけ言い残し、まことは観覧車を降りていきました。

 ゆかりは、ハチには刺されませんでしたが、まことの言葉が胸に深く刺さりましたとさ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
観覧車のゴンドラ内は密室なので、蜂なんて乱入してきたら逃げられませんからね。 その情景を想像すると、私も怖くなってしまいました。 仮にゆかりさんが過去に蜂に刺されていたなら、今回刺されていたらアナフィ…
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