総統閣下と俺
やあ、皆さんこんにちは。
俺の名前は西条裕貴。
…前世の記憶がある齢5の幼児でございます。
普通の男子学生だった俺は、不幸にも下校中にトラックに跳ねられるという、あまりにテンプレな死に方をしてしまった。
そして、気が付いたら、この「西条裕貴」として生まれ変わっていた。
ところで…
転生した俺には、所謂"幼馴染み"がいるんだが…
なんかこいつ変なんすよ。
え?どんな風に変なのかって?
いやその、何と言うか…
あっ、玄関から音がする。多分あいつが来たんだろう。丁度いいわ。
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「あら〜、ひろちゃ〜ん。相変わらずイケメンねぇ〜。」
「はは、どうも…」
幼馴染みの母親が俺をよく分からないお世辞で褒める。
会う度にこれなのでもう適当に流している。
そして…「なぜ私がこんな…クソっ、畜生め…!」
その後ろで何やらボソボソ5歳の幼女とは思えない事を呟いているこいつが、俺の幼馴染み、
「紅戸 星鈴」だ。
俺と同い年の女の子。5歳の時点で美人なので見た目だけなら結婚したい。
見た目だけならね。
「おっぱいプルンプルンボソッ」おいお前…
「とりあえず星鈴ちゃんは裕貴と2階で遊んできたら?」
「あぁ、そうだね!そうしよう!星鈴ちゃん、行こう!」
俺の母親が言ったので、急いで腕を引っ張って2階に連れていく。
「そんなに急いでどうするというのだ。」
「お前自分の言動がかなりヤバいって自覚ある??」
「は?どこがだ。」
「お前ぇ…」
ちなみに、俺とこいつはお互いが普通の幼児ではないこと、をなんとなく理解していた。なので親のいない所ではこうやって話している。
で、こいつのどこが変なのかって、、
「目に刺さるな、西鉄は嫌いだ…」
多分こいつの前世総統閣下なんだよ。思いっ切りヒ◯ラーなんだよ言動が。
何となくお互いの前世については触れない様にしてるが、星鈴に関してはめっちゃ分かりやすい。
ちょくちょく存在しないヒゲいじる仕草するし。
やけにヨーロッパに詳しいし。
たまにドイツ語?(ドイツ語なんか学んでないので聞き取れない)話すし。
何だよ、時々ボソっとドイツ語でキレる隣のヒ◯ラーさんって。
ごく一部の人間にしか需要ねえだろ。
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「で、何をして遊ぶと言うのだ?」
「そんなことより俺はお前の前世がかなり気になるんですg「何をして遊ぶと言うのだ???」「あっハイ」
どうやら総統閣下は自分の前世がバレるのが嫌らしい。いやバレてますが。
まぁいいや。本人が隠したいならそれに付き合おう。
俺は別にコ◯ンとかでもないので、人の素性を包み隠さず裸にする趣味はない。
何なら、ラノベの如く隠そうとするのを見て、面白がるのも良いかもしれない。
「そうだな、スラブラでもしようぜ。」
「スラブラ?」
「ああ、大戦闘スラッシュブラザーズ。キャラを操作して敵を切り刻んでKOするゲームだ。ゴリゴリ流血表現ありの、R15のゲームだぜ。」
「何でそんな物を持っているのだ……??」
「親父の趣味。この人天堂スニッチも親のパクってるだけ。」
「中々に狂っているな…お前。」
あれ、総統閣下に引かれてるゾ。
まあ中身が子供じゃないとは言え、絵面はグロゲーで遊ぶ5歳児だ。
…確かに狂ってるなこれ。
「ん?怖かったりします?星鈴さん??あれw??」
ちょっと面白そうなので煽ってみる。
「確かに5歳ですもんね。普通は怖いよね。うんうんw」
「良いんですよ。おままごととかでも。ピクニックごっこでもします??俺子供役やりますよwww??」
「……」
あれ??黙り込んじゃった。
やばいかこれ?泣かれたら流石に俺困っちゃう。
「あの、星「◯してやるぅぅぅ!貴様ぁぁぁぁぁぁ!!!」
あっブチギレてるのか。
「先程から私を散々おちょくりおって!許さん!!絶ッッッ対に許さん!!さっさとゲームを起動しろ!完膚なきまでに叩き潰してやる!!!」
ヤバい、ちょっと可愛い。
いや、流石に中身が中身だから少しは怖いよ。でもさ、見た目が可愛い幼女だもん。
幼女が地団駄踏んでるみたいで可愛いんよ。
「了解了解。ちょっと待ってろ。その勝負、受けて立ってやるから。」
ゲームを起動し、お互いにキャラを設定してバトルをスタートさせる。
ちなみに俺はピンクの球体、星鈴は配管工兄弟の兄を使っている。
「操作方法はさっき教えた通りな。」
「あぁ問題ない。」
こいつ、前世の影響かめっちゃ物覚えが良く、すぐにスラブラの操作方法も覚えてしまった。
まぁ、こちとら前世含めて格ゲーのプレイ時間1000時間オーバーなのだ。
当然、星鈴が勝てるはずもなく……。
「、、ぅぅ、何故だぁ、、何故勝てない、??」
「諦めな、俺とお前じゃ経験が違うんだ。」
「ぅぅぅぅう!!腹が立つ!不快だ!!!クソっっ畜生めぇ!」
総統閣下語録(?)頂きました。
流石にこてんぱんにしすぎた気もするので次は手加減して、、
あっ星鈴のキャラがフィールド外にぶっ飛んだ。
「、、、うわぁぁぁぁん!!もう嫌だぁぁぁ!!!」
「あっ星鈴さ」「裕貴なんか大っ嫌いだこのバーカ!!うわぁぁん!」
やばいよ泣いちゃった。おいどうするんだよこれ。
あと総統閣下語録使うのやめてくれ、吹き出しちゃう。
「ごめん、ごめんて、」
「ぅぅぅう、、、」
「謝るからさ、頼む泣くのやめてくれ、、!親とか来たら面倒だろ?」
「、、て」
「え?なんて?」
「、、頭撫でて。」
は????
え???
「えっ??????」
「頭を撫でろと言っているんだ!!」
星鈴が頬を赤くして言ってくる。
なんだよ。あんた総統閣下じゃないのか!!?
流石にドキッと来るぞおい!
「じゃ、じゃぁ、お邪魔します?」
自分でも意味不明なことを口走りながら、頭に手を置く。
そしてそのまま頭を撫でてやる。
「、、、」
「星鈴さん??あの?なにかご不満で??」
思わず不安になり、聞いてみる。
「いや、、大丈夫だ。ありがとう。もういいぞ。」
「お、おう。」
そっと頭から手を離す。
あの、心臓バックバクなんですが。
意味わかんねぇよ。こんなの。
「ありがとう、裕貴。」
誰か助けて。俺、総統閣下に惚れてしまいそうです、、。
あれ?これ精神的にホモじゃね????




