日本にて
俺の名前は阿良々木春斗。日本の○○県に住む男子高校生だ。俺は今人生の岐路に立っている。
「いや!誰か助けて!」
そう、女性が助けを求めているのだ。見たところ黒いマスク、黒いパーカー、サングラスという不審者フルセット装備の大柄な男に襲われているようだ。
「静かにしろ!声を上げるんじゃない!」
男は自分の声が一番大きいことに気付いていない。さあ!どうする。俺がここで助けなかったら女性はこのままひどい目に合うだろう。しかし助けに入るとなると俺も危険な目に合うだろう。
なぜこうなった!俺は今日のことを思い出す。確か朝は親の怒号から始まったんだよな。途中から話が逸れるのを聞き流して、その次は学校に行ったんだよな。そのあとは、ええと、そうだ!友達とカラオケに行ったんだ。それで帰りが遅い!勉強しろ!と叱られたんだったな。そのあとは数学、生物、国語、生物、英語、、、勉強ばっかだ。今思い返すとムカつくな。なぜ俺があいつの言うことを聞かねばならんのだ。香水きつい女の顔を思い出す。四角い顔をしたあいつもだ。クソがよ!俺はこの状況もあって超ムカついていた。そうだ、俺はただちょっとした買い物をしにコンビニに寄っただけだ。それに俺は人助けをするほど善人じゃない。無視してもちょっと後悔し人生の傷になるだけだ。
、、、クソが!
「オラァ!」
俺は思いっきり男を殴りつけた。ぐえ、と男が声を漏らす。
「早く逃げろ!」
そう言い即座に次の攻撃を行おうとしたがそうはいかなかった。腹に衝撃が走ったのだ。
「は?」
理解するのに時間がかかった。それはナイフ、ナイフだったのだ。
「う、あ、う」
声がうまく出ない。当たり前だ。ナイフで刺された経験などない。
「う、う、うわあああああああああああ」
男が走り出す。
熱い、腹が熱すぎる。血が止まらない。今間までの思い出が走馬灯のように、いや走馬灯が脳内で流れる。
「またひどい点数を!なぜあなたはいつもそうなの!」
「無駄なことをする暇があったら勉強しなさい!」
「90点?当り前よ。さっさと勉強に戻りなさい」
「春斗ちゃんすごいでしゅね~」
碌な思い出がない。せめて友達との思いでにしてくれ。なぜこんな時にまで親のことを、、、。
そんなこと考えながらも腹からの出血は止まらなかった。(ああ死ぬんだ)俺は冷静だった。もっと楽しい人生を送れたはず、もっとうまくやれたはず、もっと、もっと、もっと、止まらない。クソが。後悔しかない。だけど、、、
もうここにはいない女性に思いをはせる。もう逃げられたかな。最後にいいことをした。うん、じゃあ満足だ。そうだな、うん。
、、、いや、まだやり残したことがある。いや!ヤリ残したことがある!そういうことをしたことがない童貞なのだ!
「クソがああああああああ!まだしてねえんだよ!死ねるかああああ!」
死ねるか!死に切れんわ!まだ死にたくない!
「いぎだい!あああああああああああああああああああ」
「あっ」
、、、死んだ。
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