余談 ルッカの部屋にて
「セッカ」
「なんでしょうお嬢様」
「今は身体すり寄せないで?」
考え事してるから。
「やめません。あと彼は即刻解雇すべきです」
「お仕置きするわよ」
でも一度言ったことは取り消せないわ。
「望むところです。だとしても解雇すべきです」
「相変わらずね」
どうして?苦手だから?
「どういたしまして。問題ないから問題なんです」
「可愛い子ね」
珍しいわね、セッカがそう言うなんて。
「お嬢様こそ。というより初めてです」
「ほめても褒美はないわ」
彼は優秀だと思う?
「すでに褒美です。でなければ私たちと同じことは出来ていませんよ」
「抱きつかないで」
思考が貴女で埋まるのよ。
「すみません。彼?なら……成し遂げると思いますか?」
「後でならいいから」
それこそ……彼次第ね。
「ありがとうございます。それも……そうですね」
「匂い、嗅がせなさい」
私たちには出来ることは無いから。
「喜んで。でも……お嬢様なら」
「……」
……
「……お嬢様には辛いことだとは思いますが、それでも私には」
「セッカ」
「……はい。お嬢様」
「明日からツクヨムに執事としての仕事をできる限り早く仕込みなさい」
「かしこまりました。お気を悪くさせてしまい申し訳ありませんでした」
「あと、彼との居心地がいいからと言って、あまりべたべたしないようにしなさい?彼がもし消えた時に後悔と悲しみしか残らなくなるわよ」
「……べたべたは確実にしません。あり得ません」
「するから言っているのよ。私が予言を外さないのは貴女が一番知っているでしょう?」
「だとしてもあり得ません。私を何だと思っているんですか?」