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Life ~一つ隣の物語~  作者: るなるな
Life『月と紅茶と幸福を』
27/77

資料 報告書

~旅人『月詠夢』に関する調査報告書~      都歴298年3月6日

                        司書 氷雨 空

1,概要

 本報告書は、298年3月7日に執事に新任し、同月14日に当主ルッカ・ファートム・アーウィング(以下ルッカ)の令妹フィリア・テレロ・アーウィング(以下フィリア)の専任執事へと着任する旅人に関する素行、人物像に関して、ルッカの命令により3月3日から屋敷の外の『××村』(以下村とする)へとちょうさ活動を行ったセッカの発言と、村の人々の会話記録を資料として、記載したものである。


2.調査手法

 手法として、今回も以下の二つの方法を用いて3日間にわたり調査を行う。

獣人(けものびと)(※1)のメイド長セッカによる猫への擬態を用いた旅人の尾行と、彼女の能力(アビリティ)(※2)である、『聴覚を用いた対象者の表面、及び深層心理の翻訳、言語化』を用いた、調  査対象の性格調査。

・氷雨空による村人への聞き込みによる対象の印象調査。

 また、今回も事前に村人に対して二日前に説明を行い、旅人が森の外へと向かうように誘導する行動以外は自由に接しても問題無いこと。誘導した結果、どのような事態に発展しても責任は主が背負うと説得し、了解を得ているため、問題なく調査を行うことが出来る。


(以下中略)

8.結論

 (前略)以上の調査内容から、調査対象である旅人『月詠夢』は積極性と旅人特有の常識感覚には難があるが、学習能力と適応能力を鑑みて、執事としての適性があると考えられる。ただし、前述のように、セッカが能力を使用し深層心理の聞き取りを行った際に、セッカに極度の精神異常状態と本調査に関する記憶の混濁が見られたため、発言の真意を聞き取ることは今後も不可能であると考えられる点は十分に警戒する必要があると考えられる。


(※1)進化によってヒトと理性的意思疎通が可能となった脊椎動物の総称。セッカは猫から進化した『猫人』の種に区分される。

(※2)再現性の無い魔術の中で、精神的、及び肉体的に強烈な衝撃を受けた際に発現する物理的概念を超越した魔術の総称。


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