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四人の鎧武者

私は会社の仲間三人と、旅行へ行った。


気の置けない仲間と私、四人での旅行だ。

前々から計画されていたものの、仕事の関係で先延びしていたが、

やっとこさの出発というわけだ。


飛行機で現地まで飛び、空港からはバス移動となった。

四人ともテンションが高く、静かなバスの中では大変

迷惑だったろうと思う。


しばらくバスが進んだとき、霊感の強いAが言った。


「あ…この場所、どうも古戦場だったようだよ」

「突然、何だよ、A? また何か見えるのか?」

「ああ、見える。血まみれの鎧武者が四人、こっちを見てる」

「なんだよ、気味悪いこと言うなよな」

「見えるもんはしょうがないだろ」


高かったテンションは一気に冷め、少し暗い雰囲気のまま

目的地へとバスは走った。


バスが目的地へと着いた途端、私達四人はさっきの

鎧武者のことは忘れ、思いっきり旅を満喫した。


美味い食べ物、美しい風景、そして仲間。

一泊二日の短い旅行ではあったが、思う存分楽しんだ。


帰りのバスの中。


「どうよ、またあの鎧武者の四人はいるのか?」

「ああ、同じ場所に、やっぱりあの鎧武者はいる。

 よっぽどの無念を残したのかな…?」

「どうだろうな…まぁ、俺達には関係ないことだよ」


それから二年が過ぎた。


また、あの仲間と俺、四人が集まって、旅行に行くことになった。

場所はまた同じ。仲間も場所も同じとなれば、

やっぱり辿るルートも同じだ。


そして、バスはこの前と同じ場所に差しかかる。


「おい、A。ここは前、お前が四人の鎧武者を見たところじゃなかったか?」

「ああ、まだいるよ。血まみれの鎧武者が三人」

「三人? 前は四人だったんじゃないか?」

「だよな。一人足りないぞ。なぁA、ちょっと理由を聞けないか?」

「うん、やってみるよ…。ブツブツブツ…

 ああ、一人足りない理由が分かったよ」


「その理由は?」


「一人死んだって」

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