第15話 決着
ルルルシアの異常さに気付いたのはアアアーシャ。
見た目だけではない。魔剣から感じる魔力もおかしいのだ。
一気に高まるのと急激に低下していくのが同時に起きている、ありえない魔力の波。
「さぁゼシィ、好きな魔獣を呼び出してよ! 超大型魔獣だってイケるわ!」
「……もういい、新しく呼び出す必要はない」
「え? どうして……」
「俺は欲しがりだ。友達も仲間も恋人も欲しい。たくさん欲しい。だけどそれ以上に失うのは嫌だ。特にルルルシア、オマエをな」
「……ゼシィ」
「オマエの命を削ってまで願いを叶えたいなんて思わない」
魔剣から輝きが消えたとき、命の輝きも消えたと思った。心底怖かった。
もう失いたくない。
「炎の魔剣! 取引だ!」
「はぁ?」
「俺たちはもうこの村に近づかない。だから俺たちを見逃してくれ」
「それ取り引きか? どうするよジンメイ?」
「お兄ちゃん……」
炎キャノンの威力に呆けていたジンメイだがすぐに
我に返った。
見逃す? これだけのことをやった盗賊を?
「オマエがアタシ様に願うなら今すぐ盗賊どもを殺っちまうぜ?」
その言葉は非常に強い魅力を持ってジンメイに届く。
「……人の死を願うんですか? まぁ……気持ちは分かりますが」
「……!」
人の死を願うのか。
その健太郎の一言が決め手になった。
「確かに村をこんなにした奴らは許せない。だが私はもう人を殺めるのは……嫌です」
「感謝する。お前ら! 引き上げだ!」
その声を合図に、馬に乗った盗賊達が一斉に飛び出した。
村役場の建物に隠れていたと思っていたが、いつのまにか撤退の準備をしていたのだ。
「ボス、つかまってください!」
「ああ」
赤布がボスを拾い上げる。
そのまま盗賊達は走り去っていった。
「……アアアーシャさん、このまま逃がしてしまっていいんですか」
「まぁいいんじゃねぇか。あいつの魔剣は当分魔力が戻らないし、ボス野郎もあの様子なら魔剣に無茶させることもねぇだろ」
「……ジンメイさんにはあんな事を言いましたが……」
「ああ……」
「……これだけの事をした彼らに何の罰もないのは……かといって部外者の僕が何か言うのも……」
「そうだな。健太郎もアタシ様も、部外者なんだよな」
「何かこう、難しいですね。自分でもどうしたいのか分かりません」
「でもよ、こっちも得るものはあったぜ?」
「え?」
「見ろよこの魔石!」
実は最後に撃った炎キャノンは魔石をも巻き込んでいた。
半分以上が吹き飛んだが、それでもまだかなりの数が残っている。
「……これで村の復興に足りますか?」
「充分じゃね? 今よりもっとでっかい村になるさ」
「それなら……そうですね、良かったです」
「オマエは? いらねぇの?」
「ええ。全て村の為に使ってもらいましょう」
「ケンタローさん!」
「アーシャ殿! 健太郎殿! ありがとうございます!」




