表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/54

第9話 世界征服!?

「ちっ、やべぇぞこれ! 健太郎、手を出せ!」


 魔剣『エーツファレオ』の魔力上昇に危機を感じたアアアーシャ。

魔剣の姿に戻り健太郎の手に飛び込む。


「あの魔剣、まだ魔力が上がるのかよ!」


 魔剣『エーツファレオ』が放つ魔力が爆発的に膨れ上がる。

その力に惹かれるように次々と魔獣が呼び出された。


 地にはツノネズミ。空にはツノワシ。多様な種族、多様なサイズの魔獣が次々と現れる。

サルだけでも小型魔獣のツノザル、中型魔獣ツノツノザル、さらには大型魔獣ツノオオザルまでいる。


「はははっ! どうだ魔剣『エーツファレオ』の力は!」


 魔剣に惹かれた魔獣たちの中心でボスが笑っていた。


「しかし驚いたぞルルルシア! こんなに、こんなに魔獣が呼べるなんてなぁ!」

「あなたの望む力が強いからよゼシィ。やはりあなたはすごい人、私の運命の人だわ!」


 魔獣はまだまだ集まってくる。

そのうちこの広場を埋め尽くすのではないか。


「オマエ、俺の世界を作りたいって言ったよな? つまりオマエは世界征服が望みなのか!?」

「……アアアーシャさんの得意分野じゃないですか……」

「ああ……って別に得意じゃねぇよ? 征服したことねぇし! できるけど!」


 なんということだ。

アアアーシャが冗談で勧めてきた(確認すると怖いから冗談ということにしておこう)世界征服を本当に狙っている人間と出会ってしまうとは。


「世界征服か。間違っていないが言葉の響きが好きじゃないな」

「へっ、じゃあアタシ様はそれを止めねぇとな!」

「なんでだ?」

「アタシ様のマホルの願いも世界征服だからだよ!」


 はぁぁ!? そんなの願ってないし!

どういう事かと抗議しようとする健太郎にアアアーシャは「集中しろ!」とか言ってくる。誰のせいなのか。


「ちょ、ボス? これ大丈夫なんすか!」


 集まってくる魔獣に盗賊たちも怯えはじめた。

この数の魔獣に囲まれれば恐怖でしかない。


「お前達はどこかに隠れてな。あとは俺がやる」

「へ、へぇい!」

「了解っすボス!」


 ボスに言われて盗賊達は慌ただしく動き出した。

黄色い屋根の建物に入るつもりだ。

この村で一番頑丈で安全な場所であることを知っている。


「おっとお前ら! ちゃんと村の人たちも連れていけ! 俺の国の民なんだか……」

「今だ!」


 場が混乱している隙をついて、ジンメイと数人の仲間は近くにいた盗賊から武器を奪った。


「げっ! お前ら!」

「やっと隙を見せたな!」


 ジンメイ達は戦えない村人を守るように前に立ち、それぞれが武器を構える。

盗賊はどうしていいか分からなくなってしまい立ちつくしている。

早くこの場から離れたいが、村人をこのままにしておくわけにもいかない。


「おっ! やるじゃねぇかジンメイ!」

「……アアアーシャさん、チャンスですよ……!」


 小さく呟く健太郎。

これでボスにも隙ができれば……。


「くそっ、俺達どうしたらいいんだ!」

「お前ら何をやってる! 本当、お前らは俺がいないとダメだな!」

「ぼ、ボスぅ~!」


 ボスの意識が村人の方に向いた。


「ここだっ!」

 

 健太郎は突然走り出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ