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第7話 出し過ぎる地元感

「さてと。出発前に魔石をカネに変えておきてーな」

「……そうですね」


 アアアーシャたちは魔獣狩りをしていた場所に戻ってきた。

当然だが魔石をどうやって運ぶか問題は解決していなかったが。


「こうすれば運べるかもしれません」


 健太郎はスーツの上着を脱ぐと、魔石を並べた。

そして上着で魔石を風呂敷のように包んで担げば……


「……うん、これなら大丈夫です」


 重みはあるがこれで一気に運ぶことができる。

セナが手伝いたいと言ってくれたので中身を減らしたコンビニ袋の方を任せた。

通勤カバンにも魔石をつめて、それはアアアーシャが持つ。


「健太郎、いいのかよ? オマエの服、ボロボロになっちまうぞ?」


 服にこだわりのあるアアアーシャならではの心配だった。


「……いいんですよ。僕、別に好きでこの服を着ていたわけじゃないんです」

「へっ、そっか」


 こうして三人は魔石交換所のある宿場町を目指して歩き出した。

草原を進み小さな森を抜ける。


「……健太郎、大丈夫か?」


 舗装された道があるわけでもないので歩くだけでもしんどい。

そんな中、一人で大量の魔石を運ぶ健太郎の体力が心配になる。

セナも不安げに健太郎の方を振り返る。


「……大丈夫ですよこの程度。前に営業もやっていましたので……」


 営業時代、真夏にスーツ姿で一日中歩き回ったこともあった。

当時よりは衰えているだろうが、それでもまだ体力的には問題ない。


「あんまり無理すんなよ!」

「僕が無理しているとしたら、一体誰のせいでしょうね」

「……ご、ごめんなさい……セナのせいですよね……」

「いえアアアーシャさんのせいです」

「なんでだよ! あ、いや、うん、そうだなアタシ様のせいだな! セナのせいじゃねぇよ!」


 そんな会話をしながら歩き続けると、ようやく宿場町に辿り着いた。

宿屋を中心に色々な店や施設が集まった場所である。

現実世界なら宿泊施設も併設したショッピングモールみたいなイメージだろうか。

その内の一軒が魔石交換を請け負っていて、アアアーシャ曰く「ダチの店」らしい。 


「ここだ!」


 店といっても外観は普通の家屋と大差はなかった。

ドアを叩き声をかけると……


「キャー! アーシャじゃん! 久しぶり! やだ、まだ魔剣の魔人とかやってんの!?」


 家から出てきたのはやたらとテンションの高い女性。

顔の造りが日本人とは異なるので何とも言えないが、肌や髪質から受ける印象は30代後半くらいだ。


「マキ~! 久しぶりだな! つかアタシ様はもともと魔人だ! まだやってるとかそういうのじゃねーから!」

「あー、そうだったそうだった! ていうか聞いた? ヨッコ、ついに結婚したって!」

「え! マジかよ! 嫁がざること山の如し、不動のヨッコが!?」

「……いやあなた、地元感出し過ぎでしょう」

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