表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/54

第4話 美少女剣士、その名はセナ

「お願いします! 私達の村を助けてくれませんか!」


 先ほどまで顔をそらしていた少女が、健太郎をまっすぐに見て言う。

やはり厄介事のようだ。


「……どういうことでしょう?」

「村を助ける? なんかヤバいのか?」

「はい……」


 少女は言葉を続けようとしてはっとなった。


「ごめんなさい、名前、言ってませんでした。私はセナっていいます」

「ご丁寧に……僕は伊波健太郎です」

「ケンタロー、さん……」

「はい」

「セナ、か! いい名前じゃねぇか!」

「あ、ありがとうございます、魔人さま!」

「二文字ってのがいいよな、思い切りがあっ」

「セナさん。話を続けてください」


 アアアーシャが余計な事を言いそうだったので手のひらを差し出して話の続きを促す健太郎。

セナもうなずく。

アアアーシャは不満げだが、確かに余計な話をしている場面ではないと思い直した。


「実は村の水源にツノオオダコが住みついてしまって……」

「……ツノオオダコ?」

「マジかよ! 大型魔獣だな。でっかいし、めちゃくちゃつえーぞ」


 またツノだ。この世界の魔獣は基本ツノ付きなのだろうか。

大型と言ったあとにでっかいと言ったのも気になったが、とりあえずスルーした。


「ツノオオダコのせいで水量も水質も落ちてしまい、農作物に被害が出ているんです……」


 村の話をしてから、みるみる元気が無くなってしまったセナ。

かなり追いつめられているようだ。

しかしセナが言いたい事は分かった。


「……なるほど、つまり」

「そのツノオオダコを倒して欲しいっつーハナシだな!」

「っ! ……は、はい……」


 ツノザルを倒した時の炎ビームを見て、

この威力ならツノオオダコを倒せるのではないかと思ったというわけだ。


「おっしゃ! 任せろセナ! アタシ様にかかればツノオオダコなんて敵じゃねーぜ!」


 討伐宣言と共に右腕を力強く突き出すアアアーシャ。

ツノオオダコがどれくらい大きいのか知らないが、あのえげつない威力に耐えられる生き物がいるとは思えない。


「そうなると、僕にではなくアアアーシャさんへのお願いになりますね」

「え……?」

「先ほどあなたを助けた攻撃、あれは魔剣の能力です。僕はただ剣を持っていただけですよ」

「そ、そうだったんですか!?」


 セナは慌ててアアアーシャの方を向くと勢いよく頭をさげる。


「そうとは知らず……魔人さま、助けてくれてありがとうございました!」

「おう! 気にすんなよ!」


 アアアーシャはセナの頭を撫でる。

ちょっと乱暴だが優しい撫で方だった。

セナも笑っている。ちょっと微笑ましい二人である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ