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ダークエルフと交渉

エルフとの交渉は無事に終えたオルライト。

そのまま翌日にはブラウヴァルト北部へと馬車を走らせる。

北部にはダークエルフが暮らす森がある。

そこは南部と同じく人間との共存をしている土地でもある。


「ダークエルフの森まであとどれぐらいかしら」


「あと20分といったところですね」


「分かったわ、着いたらよろしく頼むわね」


そのまま馬車に揺られてブラウヴァルト北部のダークエルフの森に到着する。


そこで馬車を待たせた上でダークエルフの長に会いに行く。


「失礼します」


「あなたが連絡をよこしたオルライトですか」


「はい、それで用件なのですが、産業を作るためのお手伝いをして欲しいのです」


「産業ですか、もちろん誠意は見せていただけるのですよね?」


「誠意、とりあえずはこれぐらいを見積もってきましたが、どうでしょうか」


ダークエルフの長が言う誠意の意味、

それはなんぼのほどを出せるのかという意味である。


誠意とは金額、オルライトの提示した金額に対する返事は。


「どうでしょうか」


「ふむ、この金額なら出せるのはリーダーと技術職を39人ぐらいですね」


「分かりました、ではそれで契約を結ばせていただきます」


「素直に飲み込むんですね、ふっかけてくるかと思いましたが意外と誠実なようだ」


「住民の数を10000人以上の街に発展させる事が目的ですから」


その言葉に長は少し驚きを見せる。

その規模に発展させるのにたったの40人でいいのかという事がまず一つ。


だがオルライトの考えは教えられる人を確保するという事にあるという事も。


「住民が増えたのなら当然その人達に仕事を与えないといけないわ、必要なのは指導者よ」


「つまり増えた住民に仕事を斡旋し、その者達に我々がそれを教える事がメインだと?」


「はい、だからこそ技術職なども産業の基幹であり教えてもらう事を前提としています」


「ははっ、それはいい、ならしっかりと教えてもらわないとプライドが許しませんね」


「なので産業に必要なのは教える人であり、それを作れる人ですからね」


それに対して長もこれはやられたという顔をする。

その上で契約を締結し、雇用契約を結ぶ事に成功する。


そして明日にはヴァッシェングロースへと帰還する事にした。


「そういえばエルフやダークエルフはいつからこのブラウヴァルトに?」


「また面白い質問をしますね」


「いえ、歴史書を見る限りある時期に突然現れる種族なので」


「そうですね、エルフやダークエルフは移住してきたと言えば信じてもらえますか?」


「異世界?また突拍子もない話ですね」


エルフやダークエルフは異世界からこの世界に移住してきた種族だという。

また同じような理由でドワーフなども異世界からの移住者らしい。


あくまでも自分の世界を捨てたというわけではなく、可能性を求め旅立った感じらしい。


「まあとりあえずは信じるとします、その話ももしかしたら何か役立つかもしれないですし」


「まあエルフもダークエルフも長命です、当時に知り合った人間は多くはもういないですし」


「長命って何年ぐらい生きるんですか?」


「いつ死ぬかはともかくとしても平均だと500から600ぐらいですね」


「それはまた…歴史書に登場したのが100年前ぐらいですよね」


そんな事もあり当時に知り合った人間はそれこそ100歳以上になる。

なので当時に知り合った人間はほとんどいないというのも納得である。


とりあえず交渉もまとまったので里を見ていいという事になった。


「このお肉美味しいわね、身がしっかりしてて適度に脂が乗ってる絶妙な味だわ」


「本当に美味しい肉っていうのは調味料とか必要なくて、塩だけで美味しいのね」


「ん?でも塩も調味料に含まれるのかしら?まあシンプルな味付けでも美味しいって事で」


「エルフは菜食な種族なのに、ダークエルフは肉食なのね、なんか不思議な感じだわ」


「でも里の中にも牧場や畜産施設があるし、いい肉を育てられるというのも分かる話よね」


ダークエルフの技術で肉を産業にしようと考える。

また肉の他に酪農もダークエルフが得意とするものでもある。


なのでダークエルフは動物性の食べ物に通じている種族でもある。


「これは魔法の道具ね、屋敷でも見たけど、これのおかげで凄く便利に暮らせるのよね」


「エルフは陶芸や工芸みたいな技術に通じてて、ダークエルフは魔法の道具、得意分野ね」


「でも異世界から来たって事はそういう魔法か技術があるって事よね?」


「流石に異世界に行こうとは思わないけど、帰ってから聞いてみましょ」


「100年前ぐらいに移住してきた種族なら、当時を知ってる人は生きてると思うしね」


異世界とその技術なり魔法なりというものにも一応の興味を示す。

ただ異世界に行ってみたいという気持ちはないようである。


だがその技術は有効に活かさねばとも思った限りだ。


「さて、明日には帰還ね、馬車の代金も奮発したけど、安いものよ」


「家の援助はないって言っても私の資産だってそれこそたくさんあるもの」


「資産はこういう時に思いっきり使ってやらないとね」


オルライトはこれでも結構な資産を所有している。

相続しているわけでもなければ、悪い事をして得た資産でもない。


そうしたところはしっかりとそしてしたたかな性格をしている。


今回の婚約破棄の話はそうした私財をガンガン投じていくのである。

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