土地が広がる
大工達が加わった事により建物の建築が進み始めた。
その一方で道具などの産業を興すにしても、知識のある人が必要になる。
まずは土地の拡大から始め、その間に人を連れてくる事になる。
連れてきた人達の住居も必要になるため、そこも含めてだ。
「使える土地が広がったって本当かしら」
「ええ、少しずつ進めていたんでとりあえず第一段階ってとこです」
「つまりまだ広げられるという事でいいのね?」
バルカが言うにはとりあえずは第一段階というところらしい。
つまりまだ使用可能な土地を増やせるという事のようだ。
「もっと広げるのに何か必要なものとかあるかしら」
「そうですねぇ、土をいじったり木を切り倒せるいい道具が欲しいです」
「いい道具…だとしたらそっちは鍛冶の世界ね、人と施設が揃うまで待ってもらえるかしら」
「了解です」
「とりあえず今は土地が先ね、あとファリムの道具屋の増設を頼めるかしら」
今出来るのは広がった土地に畑などを増やす事。
そのついでにある程度林を切り開きそこで何か作れないかとも考える。
そこについては近いうちに知識のあるエルフとダークエルフと交渉に行くと決めている。
「ベルーゴ、土地の調査結果が出たって聞いたけど」
「あ、オルライト様、はい、この近辺の土地に特に異常はなく切り拓いても問題なしです」
「分かったわ、今いる林業の知識のある人でどの程度必要かしら」
「そうですね、半月ってところだと思いますよ」
「半月ね、ならこの近辺を切り拓くようにバルカに頼んでおいて」
土地の調査結果から特に問題はないという事。
バルカをリーダーにしてこの近辺を切り拓いてもらうようにと指示を出す。
その一方で今出来る事はこれが精々といった感じになりそうだ。
「ねえ、ファリム、道具屋の増設の間は領主館に来る?」
「あら、嬉しいけど特に問題はないわよ」
「そう?ならいいんだけど」
「そうだ、ならこの辺りにある妖精の森ってご存知かしら」
「妖精の森?いえ、初耳だわ」
ファリムが言う妖精の森。
それはヴァッシェングロースの北東、海の近くにある森の事らしい。
そこは労働者の手伝いをしてくれる妖精達が暮らしているという。
「それでその妖精ってなんなの」
「簡単に言えばお手伝いさんね、お金を払って仕事をしてもらうの」
「メイドとか執事とかみたいな?」
「妖精は頼んだ仕事をひたすらこなしてくれるの、次の指示があるまでね」
「つまり工房で建材を作ってくれって頼むと建材をひたすら作り続けるみたいな感じなのね」
妖精は頼んだ仕事を次の指示があるまでこなし続けるという。
なので鍛冶や道具作り、農業や開拓、探索などなんでもこなせるという。
もちろん腕前がいい妖精を雇うには相応のお金が必要になる。
「その妖精ってお金で雇うって事は労働者みたいな扱いなのかしら」
「一応そんな感じだけど、事業主とかじゃないから非課税になるわね」
「非課税なのね、つまり妖精の雇用費は税金として取られない、なるほど」
「だから賃金を払い続ける限り雇い主に従順に従ってくれるわよ」
「その話は覚えておくわ、人が必要になったら行ってみようかしら」
ファリムから聞いた妖精という存在。
今は特に問題はないものの、この先人手が必要になる可能性は高い。
その時に雇用の交渉に行ってみてもいいかと頭に留めておく。
「とりあえず土地の活用には住居を増やす事と施設の建設よね」
「そうですね、宿などを建てれば観光客なども呼べるでしょうから」
「観光客を呼ぶとなると観光の産業が必要になるわね、お土産とか観光地とか」
「なんにせよすべきは土地の確保です、今はまだ村レベルですから」
「お父様からの条件をクリアするとしたら街レベルに発展させないとならないものね」
父親からの条件をクリアするためには街レベルに発展させる必要がある。
そのためには急ピッチで開拓を進め人を集める必要がある。
とりあえず国内の他の領地からも人を連れてくる必要があるのも確かだ。
「まずは住居を増築して、その上で他の施設も必要になるわね」
「だとしたら土地が使えるようになるまでに人を連れてくるべきかと」
「そうね、だとしたらまずはブラウヴァルトに行くわ」
「かしこまりました、では近いうちにブラウヴァルトに向かう馬車を呼びます」
「ええ、頼むわね」
まずはブラウヴァルトに向かいエルフとダークエルフと交渉をしてくる事に。
その上で広がった土地に畑を作ったり林による栽培を可能にする。
食料を増やしそれらを産業化していく事を計画していく事が今の目標だ。
「専門的な人達がいれば想定よりも早く産業化が出来そうね」
「特にエルフとダークエルフは魔法の力で様々な事が出来ますからね」
「ええ、魔法の道具なんかもあればさらに捗るもの」
とりあえずの予定は決まった。
土地が完全に開拓され建物などが建つまでの時間に交渉に出向く。
そしてそれに合わせて完成した施設を稼働していく。
エルフとダークエルフの産業である工芸品と魔法道具を産業化していく事も計画中だ。