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強くなる自警団

エルネストが村に来てからは自警団達もその指導を受けるようになった。

それに加えガウルも指導に協力しているらしく、その厳しさが伝わる。

元々ガウルが鍛えていた事もあって最初からかなり強かった自警団。

エルネストの指導で自警団は統率や規律を身につけていっているようだ。


「今日は訓練は休みなのね」


「おう、領主様、しっかり休むのも立派な訓練だからな」


「そういう事をきちんと教えられる人で助かるわ」


自警団を鍛えるとはいえ休みはきちんと与えるのもまた指導だ。


徹底的に肉体をいじめ抜けば強くなるのは時代錯誤なのだとか。


「それにしてもトレーニングも相当厳しいみたいね」


「聖宮騎士団じゃこれぐらい日常だったんだけどな」


「そういうところは騎士団が軍隊に近い組織だと再認識させられるわね」


「ただきちんと休みも与えてやらないと体が壊れちまう、だから休ませるのさ」


「なるほど、ただ精神論や根性論で強くなれるなら世界の軍隊はどれも強くなるわよね」


エルネスト曰く休みを取るというのはトレーニングでは大切な事らしい。

自警団の指導も決まった日を休みに設定した上で鍛えているという。


精神論や根性論は最初はいいがいつか必ず壊れるのだとも。


「指導に定評があるっていうのも分かった気がするわね」


「結局は体を万全にするっていうのは基本って事だな」


「もし怪我でもしようものならパフォーマンスも低下するって事よね」


「そういう事だ、最高のパフォーマンスを発揮出来るってのはそのまま強さになる」


「だからこそ体を休める日も必要、そういう事なのね」


元々ガウルが指導していた時も休みは取るようにと言っていたらしい。

それはかつてガウルが敗北した相手から聞いた話だったという。


その教えをエルネストも似たようにしているという事だ。


「でも来たばかりなのにもう効果は出始めているのね」


「元々ガウルの奴が教えてたんだろ?だったら土台は出来てるって事だよ」


「確かにエルネストが来る前から結構強くなってた感じはあったわね」


「少なくとも並の盗賊相手ぐらいなら完勝出来るとは見てるぜ」


「確かに今村で働いてる盗賊達も自警団があっさりと捕まえちゃったものね」


村の自警団はすでに相当な実力を持っている。

ガウルが鍛えていたのもしっかりとその強さに反映されている。


ただ統率や規律が弱かったというのもあり、さらなる強さとそれを求めているのだ。


「でも騎士団の教え方っていうのは肉体的な強さだけじゃないんでしょ」


「当然だな、統率されてる軍隊っていうのがどんだけ強いか知ってるか」


「それはつまり指揮系統や兵士の規律がしっかりしてるって話でいいの?」


「分かってんじゃねぇの」


「統率、整った行動が出来るってそういう事なのね」


エルネスト曰く統率と規律がしっかりしているというのはそれだけで強さになるという。

もし自警団に軍隊並みの統率と規律が備わればそれは貴族の私兵程度には強くなるとも。


そして武器や体術の技術を磨き上げればそれはもはや小規模な軍隊なのだと。


「でもエルネストって性格以上に管理を徹底するタイプなのね」


「そりゃ管理が出来てればそれだけ効率よく強くなれるからな」


「効率も大切にしてるのね、これは期待してよさそうね」


「強くなるのに近道なんてのはない、でも速度を上げる事は出来るのさ」


「それが効率というものなのね」


エルネストも管理の大切さを何よりも大切にするタイプの指導をする。

それは休みをきちんと取り、無理な負荷はかけないという事でもある。


体をしっかりと管理するというのは強くなるには大切な事だと。


「海賊の報告もあるし、上陸してこられたらそれこそ大変なのよね」


「もし近くに来て上陸してきたら村にまで来られなきゃいい、その前に押し返すんだ」


「でも海賊は銃を持ってるって聞くし、その辺の対策もしておくべきよね」


「銃の攻撃は遮蔽物があればそれだけで対策になる、例えば服の下に鉄板を仕込むとかな」


「銃は殺傷力こそ高いけど、遮蔽物があればそこで威力を落とせるのね」


銃弾というのはその殺傷力は極めて高いものがある。

だがその一方で遮蔽物があればそれの効果も大きいのだ。


自警団にもそれに備えドワーフに服の下に仕込める軽くて分厚いプレートを頼んである。


「防具の準備も頼んであるから、万事には備えておくわね」


「ああ、そうしてくれ、防具があるってのはデカいからな」


「こんな時こそプロの技術よね」


エルネストとガウルの指導により強くなる自警団。

その一方で海賊は銃を持っていると以前の老人から聞いている。


銃への対策は頑丈な遮蔽物である。


鍛え抜くと同時に防具も用意していく事となる。

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