家が建ったよ
大工との契約を済ませて村に戻ってきたオルライト。
早速その大工達に建物の建築などを任せる。
その一方で畑を作ったり森の開拓などもしなければならない。
次の必要な人材も探し出し、その人達との交渉に行く事も計画する。
「ベル、そっちはどう」
「うん、研究者の人達も環境は思ってるより悪くないって言ってるよ」
「ならよかった、ただ次は必要な材料を用意する伝が必要になってくるわね」
工房の研究者達はとりあえず不満はなく働けている様子。
その一方で材料に使えるものが近辺だけではどうしても不足しがちである。
「材料とかどこかから仕入れたりとか出来ないものかしら」
「建材を作るのに必要なのは砂とか石だから、そういうのが豊富な場所だよね」
「あと武具や装飾品といったものも産業にしたいのよね」
「鉱石や宝石はヒューゲルベルクが産出される量としては多い領地だね」
「ヒューゲルベルクね、あそこは高山地帯でハイランダーが暮らす土地よね」
鉱石や宝石といったものはヒューゲルベルクで多く産出される。
そこと取引出来ればそうしたものもなんとかなってくるか。
まずは土地の活用から始めなければならない。
「いい感じに家も建ってきたわね」
「お、オルライト、どうよ?いい家だろ」
「ええ、大工の人達とも上手くやれているみたいね」
「おう、村の連中も飲み込みが早くて助かってるぜ」
「棟梁がそう言うならとりあえずは安心かしらね」
大工達とは上手くやれている様子。
そこはとりあえず安心して、残りの家の建設もそのまま続けていく。
その一方で土地を広げられないかとも模索する。
「マリアナ、土地の方はどうかしら」
「オルライト様、はい、この辺りは地質も問題なく開拓可能ですね」
「そう、こっちは森だから切り拓けばいいのかしら」
「そうですね、森ならそれでいいですが、他の土地も調べてみますか?」
「なら頼むわ、他の場所も開拓出来そうなら検討するから」
ベルが連れてきた国の機関である地質管理局。
そこの役員であるマリアナ、それともう一人のベルーゴだ。
土地の調査はそのまま継続させ、他も見て回る事に。
「ふむ、道具屋の品揃えってまあこんなものなのかしら」
「そうね、仕入れれば品は増やせるけど、それだとお金がかかるもの」
「ふむ…それなら道具も村で作ってしまうべきかしら」
「薬とか雑貨はもちろん、他にも売れそうなものがあれば売るわよ」
「他に…そっちも調べてみようかしらね」
道具屋の売り物も増やせそうなら増やしてもいい。
ただそうなった場合は道具屋と薬屋は分離させた方がいいかもしれない。
計画の一通りは一旦頭に留め、領主館に戻りその計画を上に書き留めておく。
「とりあえず今浮かんでいる計画はこんな感じね」
「だいぶ計画が出来ていますね」
「ええ、発つ前に頼んでた家は順次建ち始めてるから、あとは住んでくれる人ね」
「その事なのですが、先日移住を希望する人が500人ほどリストで届いていますよ」
「500人…今建ててる家が全部完成すればそれぐらいなら収容出来そうね」
留守中に移住を希望する人が500人ほどリストで届いたとのこと。
目標の人数は10000人なので、初期の1500に加え8500人の移住が必要。
それも募りつつ今は領主館前の土地を広げつつ開拓もする必要がある。
「とりあえずその人達は三ヶ月後ぐらいには住めると返しておいて」
「かしこまりました、それと畑などを広げるのならエルフの協力を仰いでみては?」
「エルフ…ブラウヴァルトに暮らす種族よね」
「はい、ブラウヴァルト北部はダークエルフの南部はエルフの領地となっています」
「エルフとダークエルフ、どっちからも協力が得られればまた一つ前進かしら」
とはいえそうなると土地がさらに必要になってくる。
そうするためには領主館前の土地を広げ、その上で森の開拓が先になる。
先に土地を確保した上で手の空いた人を動かしていく事にする。
「とりあえず土地を広げる事を最優先にしていかないとね」
「かしこまりました、それで交渉にはいつ向かわれますか」
「そうね、土地の開拓が終わり次第建物を建てさせて、そのあとに行くわ」
「かしこまりました、畑や林を広げるのもエルフの知恵が得られればスムーズに行くかと」
「エルフは農業や林業の知識が豊富なのよね」
エルフは工芸や農業、林業といった技術に精通している。
その知識を得られれば畑や林を効率よく増やしていく事が出来る。
他には肉類、畜産や貴金属類、武具や細工品も売れればいいと考える。
「まずは使える土地を広くするわよ、いいわね」
「かしこまりました、それと工房で必要になる材料の確保も必要ですよね」
「そうね、そっちは手の空いている村人達に今は動いてもらうわ」
工房で必要になる建材などを作るのに使うもの。
それは使える人が確保出来るまでは手の空いている村人を頼る事に。
最優先は土地の拡大、専門的な知識のある人との交渉はその次だ。
優先すべきは農業や道具の知識のある人になる。