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自社で持つという話

先日の醤油や味噌の交渉がまとまりこの村に卸してもらえる事が決まった。

その一方で村の規模も大きくなってきたため本格的に舗装などにも手を付ける。

そんな中産業も少しずつ出来始めており、村に買いに来る客も増え始めた。

やはり宣伝にお金を使いプロが作るものはそれだけ品質がいいのだ。


「フユの世界だと今は冬なのよね?」


「ああ、冬服で飛ばされてるんだから分かるだろ」


「フユの着ている冬服って暖かさそうね、いい生地でも使ってるのかしら」


冬夕の世界ではごく普通の生地でもこっちの世界で見れば珍しいのだろう。


技術がそもそも違うのだからそこは当然ではあるが。


「フユの世界の食べ物も興味深いものは多く聞くけど、食文化とかどうなってるの?」


「んー、そうだな、外国から食材を仕入れてたりする店が結構多いのはあるな」


「つまり自国でも生産してるけど、外国からも輸入してるってこと?」


「ああ、あとファミレスとかファーストフードなんかは自社で農園を持ってるとこもあるな」


「お店が農園も持ってるって凄いわね、その農園で作った食材で料理を出してるのね」


冬夕の世界では自社で農園を持っているレストランは普通にある。

またその店に専属で卸してもらう契約を結んでいたりもする。


つまり会社が大きな農園主を専属で雇っているという事でもある。


「お店が農園も持ってるといろいろ安心がありそうな話ね」


「広大な土地を持ってたりもするからな、専属の農家を持ってたりもするもんだ」


「つまりきちんと報酬を払った上でそのお店のためだけにいろいろ作らせてると?」


「ああ、だから農地も恐ろしく広くて、トン単位で作物を収穫してるからな」


「専属の農家、そういう考え方もあるのね」


冬夕の世界のそうした話は大規模なチェーン店だからこそ可能な事でもある。

また大きな会社で大量に生産するような話にもなってくる。


規模の大きさがそもそも違うのだ。


「でもその話を聞くと食べ物を出してる会社の規模の大きさを感じさせられるわね」


「特にじゃがいもなんかはマジで凄まじい量を消費してるからな」


「じゃがいも、そういえばじゃがいもって東の国では普通に見るけど西の国では珍しいとか」


「そもそも芋っていうのは乾燥してる土地では育たない作物らしいぜ」


「つまり西の国って気候的に乾燥してるって事なのかしら」


じゃがいもの消費量は本当に凄まじい量を消費している。

こっちの世界にもじゃがいもはあるが、西の国では珍しい食材なのだという。


それは環境や気候が影響しているのか。


「でも広大な土地の農家を専属で持つって事は、それだけ規模が大きいって事よね?」


「少なくとも国内だけじゃなく外国にも展開してる店とかがあるからな」


「あー、それなら規模の大きさも納得ね」


「だろ?」


「この世界にはそこまで大きな会社は流石にないもの」


とはいえ専属契約や自社で農園を持つという事には興味がある。

先日の醤油や味噌の事も専属の顧客として卸してもらう事になったからだ。


そういう商売のやり方はここでも出来ないかと考える。


「フユの世界の商売ってなかなかに興味深いわね」


「まあその辺は大規模に企業として展開してるからだよ、デカくなきゃ出来ねぇよな」


「確かにね、世界中に出店してるようなお店じゃないと出来ないわよ」


「とはいえこっちの世界でも出来ない話でもなさそうだけどな」


「それに関してはそこまで大きい会社がまずないけどね」


そんな商売のやり方としては興味深い冬夕の世界の話。

専属契約を結ぶというのは完全にその店のためだけに作物を作れという事だ。


その一方で契約金などのお金も農家にしっかりと支払われる事が前提となる。


「フユの世界にはそんな大きな会社があるっていうのが個人的には驚きだったわ」


「アタシの実家は水産加工会社だけど、そこそこデカかったしな」


「とはいえ専属契約というやり方は醤油や味噌の契約でまとめたから」


「ならここでも使えるんだな」


「ええ、あとは大豆もエルフラージビーンの加工品を試作してからの製品化ね」


先日の大豆の事に関しては醤油や味噌は作るのではなく卸してもらう事にした。

それ以外の作れそうなものはこれから順次製品化に向けての試作に入る。


冬夕にもしっかりと協力を仰ぐ事に。


「また何かエルフラージビーンの使い道があったら教えてよね」


「ああ、任せとけ」


「期待してるわね」


冬夕の世界の商売はオルライトからすれば凄く壮大に見えてくる。

それだけ商売のやり方が違うのだろう。


こっちの世界では基本的に国内の領地に輸出するやり方が主だ。


国は海の向こうやさらに北や南にも多く存在している、ここはそんな世界の一国なのだ。

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